さんぽで出会う花鳥風月

ひでじいの四季の写真

タカトウコヒガン(桜)

2019-04-21 22:27:11 | 樹木

*2019年4月21日撮影

 昨日は暖かい好天気でしたが、今日は曇って肌寒い感じでした。
 それでも、会津の鶴ヶ城公園は桜が満開で、大いに賑わいました。

 今年は桜の中でも、タカトウコヒガンを取り上げたいと思います。
 タカトウコヒガンはコヒガンザクラのなかでも、色が濃くて花の密度が高いのでとても美しい桜です。
 タカトウコヒガンという桜は、高遠城址公園に植えられている桜で、天下第一の桜と称されています。

 そのタカトウコヒガンがなぜ会津にあるのかというと、江戸時代の高遠藩と会津藩のつながりが今に続いているためなのです。
 初代会津藩主の保科正之(ほしなまさゆき)は、3代将軍徳川家光の弟にあたり、幼くして高遠藩の養子となりのちに高遠藩主となりますが、出羽山形藩主を経て会津藩主となります。
 当時は、たくさんいた将軍の息子はあちこちに養子に出されたのですね。
 そして藩主というのは、将軍の命により何処へでも赴任する必要があったわけです。





*2019年4月21日撮影

 保科正之公は今でも語り伝えられる天下の名君で、江戸幕府の重臣としても活躍しました。
 その子孫が会津松平家で、松平を名乗るのは徳川家の縁戚であることを示すためでもあったのですが、保科正之公は育ててくれた高遠藩の恩を忘れないために高遠藩の「保科」性を名乗り続けました。

 ともかくそんな縁で、信州高遠町、今は長野県伊那市の高遠町から、おりにふれ寄贈されたりしたタカトウコヒガンが、会津の鶴ヶ城公園にそれなりの数で植えられています。
 大半を占めるソメイヨシノに次いで、タカトウコヒガンが多いのではないかと思います。





*2019年4月20日撮影

 コヒガン系の桜は開花が早いのが特徴ですが、今年はソメイヨシノも開花が早くて、ほとんど差がなくて満開になりました。
 なので、今年の桜は例年より豪華です。
 たぶんあと数日は花見のベストシーズンです。





*2019年4月21日撮影

 タカトウコヒガンは小ぶりの花ですが、赤みが強いため、遠目にも華やかに見える桜です。
 これは近くに寄ってみた写真です。
 花の中心部が特に赤いのが分かります。
 ソメイヨシノも中心部が赤みが強いのですが、タカトウコヒガンほどではありません。





*2019年4月21日撮影

 さて、おまけの一枚は、お堀に影が映るソメイヨシノです。
 こういう光景はつい写真に撮りたくなるもので、今日も撮ってしまいました。

 花のシーズンは、春を実感して、いいものです。