*2017年5月10日撮影
今日は朝のうち雨模様でしたが、午後からはよく晴れました。
さて、会津の鶴ヶ城の石垣の上の一部にカラタチの生垣が作られています。
そのカラタチに花が咲きました。
花が咲いて不思議はないのですが、じつは毎年、ごくごく少数の花しか咲かなかったのです。
今年はたくさん咲きました。
*2017年5月10日撮影
カラタチの花というのはごらんのように地味なもので、喜び勇んで鑑賞するような花ではありません。
にもかかわらず名が知られているのは、童謡の「からたちの花」がよく知られているからです。
あるいは島倉千代子さんが歌った「からたち日記」の方をあげる人もいると思います。
歌に歌われたカラタチの花ですが、実物については、カラタチの木そのものがいまではあまり知られていないかもしれません。
*2017年5月9日撮影
カラタチは大きな鋭い棘がたくさんつくことから、盗賊よけなどの目的で生垣にすることが多かったといいます。
原産国の中国からもたらされたのは8世紀の遣唐使によると思われます。やはり生垣にする用途だったようです。
カラタチバナ「唐橘」の下の部分が省略されて、カラタチと呼ばれるようになったとされています。
それでカラタチの漢字表記は「枸橘」なのですが、「枳殻」という誤った表記が8世紀当時から今に至るまで使われています。
「枳殻」は同時期にもたらされた漢方薬の名で、まったく別のものなのにカラタチと混同され、カラタチの実を薬用に使うという誤りが続いているのだとか。
*2017年5月9日撮影
敵の侵入を防ぐという意味では、石垣の上にカラタチの生垣は理にかなっているようですが、昔から植えられていたにかどうかは分かりません。
ともかくカラタチの花は今では珍しいので、写真だけでもごらんください。