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南アメリカの誰も名前を知らない小さな村の近くで、
旅行していた人が八人、突然ものかげから出てきた集団によってとらえられ
山小屋に入れられた。
山小屋のドアには鍵がかけられ、見張りが立った。
逃げようとすると、もっている武器で殺されるのは明らかだった。
八人は、全員、日本人だった。
そのニュースは、すぐに日本にもつたえられ、
日本じゅうの人たちが、八人の無事を願った。
その八人はそのあと、数か月に及んで監禁されることになる。
はじめは誰もが注目するニュースだった。
だけど、事件が動きをみせず一か月、二か月と過ぎるにつれて、
人々の関心は、国内の芸能人のゴシップや政治と金の問題とか、
目新しい事件にうつり、忘れ去られ、話題にものぼらなくなった。
そんなある日、
事件は急展開を見せる。
犯人が、ダイナマイトで全てをブッ飛ばした。
八人の日本人は、全員死亡。
日本中がショックを受け、悲しみに暮れた。
そのあと、発覚した話。
実は、現地の軍隊が、事件解決に動いていた。
差し入れの食糧や医療器具などにまぎれさせて、
盗聴器を忍ばせていた。
アジトの中の会話は、犯人のもの、人質のもの区別なく、
録音、保存されていた。
現地の隊員たちは、日本語はわからない。
八人が、何をしゃべっていたのかわからない。
でも、毎日きまって、一人が、何かの朗読をするかのように、
ずっと喋る時間があったそうだ。
いくつかの遠慮した拍手が巻き起こる様子から推測するに、
どうやら何かを発表しているようだった。
そのテープが日本人記者の手にわたった時、
すべてが明らかになる。
彼らは、物語を語っていた。
自分で書いた、自分の過去にまつわる小説とも回顧録ともとれる一つのストーリーを、
一人ずつ、話して聞かせていたのだった。
ダイナマイトによる建物の残骸で、現地の隊員たちは、
日本語の文章がびっしりと書かれた木片や壁のしっくいを発見する。
そんな、八つ、プラス一つの短編集。
ここまでは、「まえおき」みたいな部分に書かれていた内容で、
多少、僕が勝手に、書かれてない部分も想像して付け足したりたりしてます。
で、短編が9本。
短編は、それぞれ小説家以外の職業の人が作った自分の過去の記憶を元にしたストーリー。
人間、生涯に一本くらいは小説を書けるものだって、
どこかで読んだことがあるけど、
それにしても、ちゃんとしたものを書くものだなあ、と
僕は、読み進むにつれて感じた。
おそらく、作者の小川洋子さんが、表現が足らない部分を足したり、
上手く表現を変えたりしているのだなと推測した。
それぞれの短編の最後には、
作者の職業と年齢、なぜこのツアーに参加したのかが
簡単に紹介されていた。
例えば、ビスケット工場に就職した当時のお話を作った女性が、
最終的に、お菓子職人になり、調理師専門学校の教授にまでなっていたことがわかって感動したりした。
そして、結局この人も、このツアーで命を落としてしまったのだと思うと、
せつない気持ちにもなった。
そして僕は、8本目まで短編を読み進めていった。
そこで僕は、はたと立ち止った。
「待てよ、この小説のもとになった事件って、どんな事件だっけ?」
僕は、グーグル先生に聴いてみることにした。
グーグル先生は、こういった。
「バカかおめぇ!そんな事件ねえよ!
この小説は、ノンフィクションみたいに書いてるけど、
小川洋子って作家が作った完全なフィクション作品なんだよ!
とんでもねえマヌケだな!」
なんと…!
確かに、こんな事件、僕は記憶していない。
それに、ノンフィクションにしては、あまりにもドラマチック過ぎる。
だからこそ、「まえおき」を読んで、僕は、すげえなこの事件!と思ったし、
この本を買おうと思ったのである。
僕は、
大人にしては、とても純粋なようです。
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