2ちゃんの「死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?」スレより怖い話を拾ってみた
交通事故
583 : 交通事故1 : 2011/08/08(月) 03:58:37.17 ID:cWHog7yY0 [7回発言]
大学生の頃に体験した話。
ある日、中学の時の友人からメールがあった。
内容は、同級生が自動車事故を起こした。
仲が良かった数人で見舞金を出すことになったが、
おまえも協力しないか?ということだった。
部活で三年間一緒だった友人の不幸、黙って見過ごす
わけにはいかないと、すぐに承諾する旨電話した。
「まだYの意識が回復しないんだ」
事故から一週間経って昏睡状態にあるらしく、本人とは
面会謝絶とのことだった。
「新聞にも出たし、テレビでニュースになったほどの大事故でさ、
助手席にいた彼女は即死だったみたいだ」
Yの運転する車が突然対向車線に乗り出し、大型トラックと正面衝突した
という話に耳を疑った。
自分の知っているYは責任感の強い真面目な男で、そんなミスをするような
タイプではないと思った。
584 : 交通事故2 : 2011/08/08(月) 04:00:54.98 ID:cWHog7yY0 [7回発言]
とはいえ高校も別々で疎遠になっていたし、こちらが地元を
離れた一年くらいは一度も会っていなかった。
「俺は高校卒業して大学でちょくちょく会うようになったけど、
おまえはどうかなと思ってさ」そう友人は気兼ねしたらしいが、
人の生き死にに係わること。
明日はわが身という思いで、すぐ友人に送金した。
それから半月ほどして「どうやら意識は回復した、骨折や鞭打ちのリ
ハビリも始められそうだ」との連絡があった。
その二ヵ月後「まだ人と会える精神状態じゃないらしい。健康の為にも、
早く立ち直って欲しい」とのことだった。
そして一月後の夏休み、僕は帰省した。
585 : 交通事故3 : 2011/08/08(月) 04:04:09.10 ID:cWHog7yY0 [7回発言]
の不安を察知した彼女が振り返ったが、後部座席には何も見えなかったらしい。
ただ、床に転がってる「何か」を確認しようとして、シートベルトを外し、上半身を
捩ったそうだ。
「その瞬間、彼女は悲鳴を上げた。Yも気を取られて一瞬彼女を見た。反射的にブレーキを
踏もうと前方に目をやると、即道左側に女性の姿があり、動揺してハンドルを反対車線側に
切った。そして、正面衝突だよ」
沈黙を破るように、友人がSに訊ねた。
「じゃあ車を止めようとした場所に、たまたま女性がいたってことか。そこって歩道じゃ
なくて、道路?」
Yはどう答えていいか悩んでいるかのように間をあけた。
「Sはまだ混乱してる。あと、誰かのせいにしたいのかもしれない。だから話半分で聞い
てくれ。あと、この場にいる以外、誰にも言うなよ。俺もわけが分からないんだ」
588 : 交通事故3 : 2011/08/08(月) 04:07:02.81 ID:cWHog7yY0 [7回発言]
やばい。ミスった。
見舞金を出した友人らとの飲み会も、Yの話でしんみりしたものになった。
そこそこ酒が回り、Yと一度だけ面会したというSが急に切り出した。
「ここだけの話、絶対に誰にも言わないでくれ。俺も未だに信じられないんだ」
と深刻な顔つきになった。
みなが疑問に思っていた事故の原因について、Sは眉をひそめて話し出した。
「夜の十一時、小雨混じりの天気だったけど、交差点もない見晴らしのいい四車線道路。
車はオヤジさんの軽セダン。みんな居眠り運転だと思ってるよな。ていうか、それ以外
ありえないよな」Sは周囲を気にする素振りで、ふっと個室の入り口を見た。
「Yもまだショックから立ち直っていないし、彼女を死なせた事実を認めたくないのかも
しれない」そう断りを入れると、信じられない話を始めた。
590 : 交通事故4 : 2011/08/08(月) 04:09:09.32 ID:cWHog7yY0 [7回発言]
「Yが言うには、運転してる最中、バックミラーに人の顔が映ったそうだ」
二人だけのドライブ。誰もいないはずの後部座席に人の顔がある。
人間がいるのではなく、人の顔がある。
「それが消えたり現れたりしたそうだ」
Yの不安を察知した彼女が振り返ったが、後部座席には何も見えなかったらしい。
ただ、床に転がってる「何か」を確認しようとして、シートベルトを外し、上半身を
捩ったそうだ。
「その瞬間、彼女は悲鳴を上げた。Yも気を取られて一瞬彼女を見た。反射的にブレーキを
踏もうと前方に目をやると、即道左側に女性の姿があり、動揺してハンドルを反対車線側に
切った。そして、正面衝突だよ」
沈黙を破るように、友人がSに訊ねた。
「じゃあ車を止めようとした場所に、たまたま女性がいたってことか。そこって歩道じゃ
なくて、道路?」
Yはどう答えていいか悩んでいるかのように間をあけた。
「Sはまだ混乱してる。あと、誰かのせいにしたいのかもしれない。だから話半分で聞い
てくれ。あと、この場にいる以外、誰にも言うなよ。俺もわけが分からないんだ」
591 : 交通事故5 : 2011/08/08(月) 04:13:05.45 ID:cWHog7yY0 [7回発言]
やっぱり他人にする話じゃなかったかな・・・
とりあえず読んでる人がいるみたいなので続ける。
つまり、その女性が横断歩道のない道路を渡ろうとして、それを避ける為に
事故が起きたという解釈ができた。
Yの前方不注意は問われるが、居眠り運転ではなかったことが証明されることになる。
「その徘徊老人ぽい女性はどうなった?」誰かがそう問いかけた時のSの顔は今でも
覚えている。本当に混乱して、苦しそうな表情だった。
「Yの奴、頭がなかったって言うんだよ。スカートは履いてたけど、首から上はなかったそうだ」
今日久しぶりに事故のあった国道を車で通った。
誰かが手向けたプラスチック製の菊の花が、数年前と同じく、枯れないままそこにあった。
これで終わり。読みにくくてすまんかった。
交通事故
583 : 交通事故1 : 2011/08/08(月) 03:58:37.17 ID:cWHog7yY0 [7回発言]
大学生の頃に体験した話。
ある日、中学の時の友人からメールがあった。
内容は、同級生が自動車事故を起こした。
仲が良かった数人で見舞金を出すことになったが、
おまえも協力しないか?ということだった。
部活で三年間一緒だった友人の不幸、黙って見過ごす
わけにはいかないと、すぐに承諾する旨電話した。
「まだYの意識が回復しないんだ」
事故から一週間経って昏睡状態にあるらしく、本人とは
面会謝絶とのことだった。
「新聞にも出たし、テレビでニュースになったほどの大事故でさ、
助手席にいた彼女は即死だったみたいだ」
Yの運転する車が突然対向車線に乗り出し、大型トラックと正面衝突した
という話に耳を疑った。
自分の知っているYは責任感の強い真面目な男で、そんなミスをするような
タイプではないと思った。
584 : 交通事故2 : 2011/08/08(月) 04:00:54.98 ID:cWHog7yY0 [7回発言]
とはいえ高校も別々で疎遠になっていたし、こちらが地元を
離れた一年くらいは一度も会っていなかった。
「俺は高校卒業して大学でちょくちょく会うようになったけど、
おまえはどうかなと思ってさ」そう友人は気兼ねしたらしいが、
人の生き死にに係わること。
明日はわが身という思いで、すぐ友人に送金した。
それから半月ほどして「どうやら意識は回復した、骨折や鞭打ちのリ
ハビリも始められそうだ」との連絡があった。
その二ヵ月後「まだ人と会える精神状態じゃないらしい。健康の為にも、
早く立ち直って欲しい」とのことだった。
そして一月後の夏休み、僕は帰省した。
585 : 交通事故3 : 2011/08/08(月) 04:04:09.10 ID:cWHog7yY0 [7回発言]
の不安を察知した彼女が振り返ったが、後部座席には何も見えなかったらしい。
ただ、床に転がってる「何か」を確認しようとして、シートベルトを外し、上半身を
捩ったそうだ。
「その瞬間、彼女は悲鳴を上げた。Yも気を取られて一瞬彼女を見た。反射的にブレーキを
踏もうと前方に目をやると、即道左側に女性の姿があり、動揺してハンドルを反対車線側に
切った。そして、正面衝突だよ」
沈黙を破るように、友人がSに訊ねた。
「じゃあ車を止めようとした場所に、たまたま女性がいたってことか。そこって歩道じゃ
なくて、道路?」
Yはどう答えていいか悩んでいるかのように間をあけた。
「Sはまだ混乱してる。あと、誰かのせいにしたいのかもしれない。だから話半分で聞い
てくれ。あと、この場にいる以外、誰にも言うなよ。俺もわけが分からないんだ」
588 : 交通事故3 : 2011/08/08(月) 04:07:02.81 ID:cWHog7yY0 [7回発言]
やばい。ミスった。
見舞金を出した友人らとの飲み会も、Yの話でしんみりしたものになった。
そこそこ酒が回り、Yと一度だけ面会したというSが急に切り出した。
「ここだけの話、絶対に誰にも言わないでくれ。俺も未だに信じられないんだ」
と深刻な顔つきになった。
みなが疑問に思っていた事故の原因について、Sは眉をひそめて話し出した。
「夜の十一時、小雨混じりの天気だったけど、交差点もない見晴らしのいい四車線道路。
車はオヤジさんの軽セダン。みんな居眠り運転だと思ってるよな。ていうか、それ以外
ありえないよな」Sは周囲を気にする素振りで、ふっと個室の入り口を見た。
「Yもまだショックから立ち直っていないし、彼女を死なせた事実を認めたくないのかも
しれない」そう断りを入れると、信じられない話を始めた。
590 : 交通事故4 : 2011/08/08(月) 04:09:09.32 ID:cWHog7yY0 [7回発言]
「Yが言うには、運転してる最中、バックミラーに人の顔が映ったそうだ」
二人だけのドライブ。誰もいないはずの後部座席に人の顔がある。
人間がいるのではなく、人の顔がある。
「それが消えたり現れたりしたそうだ」
Yの不安を察知した彼女が振り返ったが、後部座席には何も見えなかったらしい。
ただ、床に転がってる「何か」を確認しようとして、シートベルトを外し、上半身を
捩ったそうだ。
「その瞬間、彼女は悲鳴を上げた。Yも気を取られて一瞬彼女を見た。反射的にブレーキを
踏もうと前方に目をやると、即道左側に女性の姿があり、動揺してハンドルを反対車線側に
切った。そして、正面衝突だよ」
沈黙を破るように、友人がSに訊ねた。
「じゃあ車を止めようとした場所に、たまたま女性がいたってことか。そこって歩道じゃ
なくて、道路?」
Yはどう答えていいか悩んでいるかのように間をあけた。
「Sはまだ混乱してる。あと、誰かのせいにしたいのかもしれない。だから話半分で聞い
てくれ。あと、この場にいる以外、誰にも言うなよ。俺もわけが分からないんだ」
591 : 交通事故5 : 2011/08/08(月) 04:13:05.45 ID:cWHog7yY0 [7回発言]
やっぱり他人にする話じゃなかったかな・・・
とりあえず読んでる人がいるみたいなので続ける。
つまり、その女性が横断歩道のない道路を渡ろうとして、それを避ける為に
事故が起きたという解釈ができた。
Yの前方不注意は問われるが、居眠り運転ではなかったことが証明されることになる。
「その徘徊老人ぽい女性はどうなった?」誰かがそう問いかけた時のSの顔は今でも
覚えている。本当に混乱して、苦しそうな表情だった。
「Yの奴、頭がなかったって言うんだよ。スカートは履いてたけど、首から上はなかったそうだ」
今日久しぶりに事故のあった国道を車で通った。
誰かが手向けたプラスチック製の菊の花が、数年前と同じく、枯れないままそこにあった。
これで終わり。読みにくくてすまんかった。
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