6月を前に県北部域のコルリクワガタはこの春最後の姿を見せています。
コルリクワガタの発生はブナの樹冠の芽吹きにほぼ同調するといわれており
雪解けした場所から順次発生していきます。
↓ 4月30日撮影
↓ 5月14日撮影
⇩ 上画像同所 2週間でほとんど解けた 5月28日撮影
⇩ 雪解けで現れ開花したサンインシロカネソウ
雪解けの早い場所では成虫のホスト木となるブナなどは既に葉が開いており(展葉)
成虫は林床で交尾・産卵を行っているため
樹上でその姿を見ることはほとんどできません。
↓ 残雪付近で見つけた産卵痕の付いた朽ち木 2022年5月28日
⇩ 真新しい産卵痕
しかしながら谷筋や日陰では6月を前にしても残雪があり
雪下の朽ち木内でコルリクワガタが待機している可能性があります。
そういった場所は他の場所と比べ気温も低く、植物の生育も遅いため
コルリクワガタが好みそうなひこばえが遅くまで見受けられます。
また、がけ崩れなどよほどの地形変化がないかぎり
雪解けの遅い場所は毎年同じであり
そのあたり周辺のコルリクワガタの発生は遅くなります。
つまり、コルリクワガタの発生は、雪により支配されているのです。
↓ 残雪付近には、ひこばえや展葉間もないブナがある
↓ 雪解けを待っていたグループがいる 2022年5月28日
↓ 雪の支配から解放されたメス 2022年5月28日
↓ メスを探しにきたオス 2022年5月28日
↓ ひこばえにはアリも集まる 2022年5月28日
↓ このまま夜を迎える 2022年5月28日
冬の跡形が薄れるこの時期の高山帯
「もう遅いかな?」と感じたら、残雪付近に狙いを定めます。
↓ 5月28日標高約930m 雪の下にはまだ眠るグループが・・・
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