はじめに
本記事及びカテゴリーの「コルリクワガタ」(分布地)は
近年の研究でニシコルリクワガタ Platycerus viridicuprus Kubota,2008
とする考えがありますが、ここではそれを踏襲せず
分類に変化があっても認識できるように
コルリクワガタxx山個体群として位置づけています(以下コルリ)。
2021年の様子
今シーズンの県北部山地帯の残雪は比較的少ないですが
今でも落雪や落石で通れない場所があります。
それでも今年は春の訪れが早いのではないかと思い
例年より早めのコルリ・マグソクワガタの下見をしました。
↓ 4月11日 山間部の桜が満開(ボタン桜?)
↓ 4月11日晴れ ブナの芽吹きはまだ(✖✖山南側・標高約1100m)
↓ 発見できず
↓ 2021年4月25日曇り 場所によっては芽吹き良好(✖○山南側 標高約970m)
↓ 開きすぎのブナも
↓ 2021年4月30日雨 ところどころ残雪(✖✖山北側 標高約980m)
↓ 雨と低温で発見できなかったが、この辺りはおそらく発生初期かと思われる
4月11日は早すぎた感があります。
4月25・30日はほどよいブナのひこばえはありましたが
天候がよくなく発見するには至りませんでした。
これも覚書きとして書き留めました。
5月4日 13:30~17:20
標高:約930~1100m
場所:✖✖山南側
天候:晴れのち曇り 時々風
気温:23度前後
活動条件
コルリといえば春のクワガタで
残雪とか低温というイメージが強いのですが
実際は晴れていても気温が上がらなければ活動しません。
20度以上で半袖でも動けるくらいの気温がベストです。
また、風が吹いているときは飛翔しなくなります。
これはほとんどの昆虫で共通することです。
↓ オスが飛来した!(ピンぼけ焦点合わず)
↓ メスが複数見られたので恐らく発生初期〜ピーク
昆虫少年とコルリ
網を持って歩いていると車から降りてきた方に声をかけられました。
「何を探しているんですか?」
「コルリです」
「私たちも同じですが見つかりません」
お子さんがコルリを見たく
前日から親子3人で探しに来ているとのことでしたが
コルリを一生懸命探す中学1年生に時間は容赦なく過ぎていきます。
飛来しそうなポイントを定め
少年にコルリの習性を詰め込みながらそのときを待ちました。
風が止むと、定めた木にはハチやハムシなどが飛んできます。
「あれ見える?」
飛来したコルリの様子を少年と観察し
枝にとまったところで下からネットを受け、揺すります。
少年はネットに溜まったひこばえの茶色い蕚(がく)をかき分けコルリを探します。
「うわぁ〜きれい!」
光を浴びると青く見えるオスでした。
何度もお礼を言われ恐縮しましたが
こちらもうれしくなった一瞬でもありました。
今年の早春は、連日の悪天候で少しくらい晴れてもなかなか気温が上がらず
ブナなどの芽吹がやや先行した感もありましたが
ようやく活動する個体を見つけることができました。
↓ メスを巡る争い
最後に
近年は、種の保護目的で採集に規制がかかることが多くなる傾向にあります。
保護そのものに関しては反対ではありませんが
条例等施行に至るまでに十分な調査が行われているか
真実をとらえているかどうかはいささか疑問に思う時があります。
2003年5月に兵庫県北部域で初めてコルリクワガタを採集してから
今年で18シーズンになります。
毎年同じエリア・場所をそれぞれ数回づつ巡ってきました。
その間にブナは少し減りました。
人による伐採がほとんどです。
しかしながら、コルリクワガタの数そのものは
時期・天候など、タイミングさえ外さなければ特に変化したとは感じません。
減っている認識はなく、良好です。
広く、やや深く分布し、数は少なくはないと私は考えており
この先、昨日出逢ったようなタイプの昆虫少年が活動の門を閉ざされたり
棲息地の環境を変えてしまうような伐採が行われないことを願います。
おまけ
実は、2年ほど前からヤツの気配を感じるようになりました。
福井と鳥取に行ったときは車中からその姿を見ました。
また、ヒメオオルッキングの時には比較的近い距離でそれらしき鳴き声を聞いたりと
近年になって身近に感じることが増えました。
そもそも我々が熊の縄張り(餌場)に入り込んでいるので
遭遇しても不思議ではありませんが
鈴や人の声だけでは不安になり、撃退スプレーを買いました。
ラインナップの中で一番小さなタイプですが
価格は送料込みで4300円ほどしました。
これを浴びると熊はあまりにもの刺激に耐えられず
戦意喪失するそうですが
「射程距離2~3m」ってどうよ?
↓ ドイツ製「クマよけペッパー弾道液体ジェット63ml」
↑ 成分は唐辛子由来だが、人での実験は超NG!!
↓ これも要注意!
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