米国(中国語では「美国」)ではここ数年日本酒の販売が好調と聞いている。
中国ではどうか、よそは知らないが北京では、まだまだである。
6月に、旧知の中国人2人(一人は広東省広州市から、一人は四川省成都市から)来ると聞い
て、地元兵庫神戸のお酒をお土産に用意しようと、日本食品をたくさん扱っているお店で探して
みた。
あるある、白鹿に白雪、おっと剣菱もある。
瓶もおしゃれなので、白雪にしよう、かの若山牧水(※)が待ち焦がれた白雪がよかろうべぇ
と思って手に取った。
ガーン!1本約6000円相当
買えるわけない、どれもこれも、いやどいつもこいつも日本の3倍くらいするじゃないか!
そこで仕方なく白雪への決定を「白紙化」して白鹿を買うことにした。
さて、今まで特に高級なお店にいったわけではないので、セレブの嗜好はわからないが、現地
生産されている松竹梅(いつも兵庫県人会でお世話になっています、この場を借りてお礼申し上
げます!)ほか、白鹿、剣菱、大関など灘のお酒に加えて、新潟の八海山、久保田、石川の菊姫、
手取川といったことろは市内のお店でラベルを拝見しました。ほかにもあったと思いますが、
思い出せません、あしからず。
相対的にワインほど浸透していませんが、和食とともに普及していってほしいものです。
※ 酒飲みのうんちく話
津の国の伊丹の里ゆはるばると白雪来るその酒来る 牧水
よっぽど好きだったと見えて、進物が届いた際に玄関で小躍りしている牧水先生のお姿を
想像してしまいそうな歌である。
「津」は「摂津」の略で「ゆ」は古文で習ったとおり経由を表します。
つまり、「摂津の国のあの伊丹から有名な白雪がやってきた、白雪がやってきたぞ。」
といった意味になりましょう。
ちょうど1年ほど前に牧水先生の歌集を読んでいるなかでこの歌をみつけ、まぁなんと酒
飲みの方だろうと感心し、こりゃぁ大伴旅人と双璧だわいな、と思った次第です。
そんな中でもちょうど季節にマッチしていたのが、この御作でありましょう。
白玉の歯にしみとほる秋の夜の酒は静かに飲むべかりけり 牧水
歯にしみとおるって、知覚過敏じゃないですよ、すっきりとした美味しいお酒を感覚的
にそのように捉えたのでしょう。
秋ですから、「静かに」はある意味平凡といえば平凡ですなぁ。
でもまたこの「べかりけり」と結びで言い放つところが、つくづくお酒が好きという心情が
出ていて、前半の技巧的な部分も併せて考えると、実に秀作だなぁと感心したもんです。
私の心にしみいる一首でした。
北京もようやく涼しくなってきました。
近所の公園で月下独酌にでも挑戦してみましょうか。
でもコップ酒じゃぁ風情はないなぁ。
中国ではどうか、よそは知らないが北京では、まだまだである。
6月に、旧知の中国人2人(一人は広東省広州市から、一人は四川省成都市から)来ると聞い
て、地元兵庫神戸のお酒をお土産に用意しようと、日本食品をたくさん扱っているお店で探して
みた。
あるある、白鹿に白雪、おっと剣菱もある。
瓶もおしゃれなので、白雪にしよう、かの若山牧水(※)が待ち焦がれた白雪がよかろうべぇ
と思って手に取った。
ガーン!1本約6000円相当
買えるわけない、どれもこれも、いやどいつもこいつも日本の3倍くらいするじゃないか!
そこで仕方なく白雪への決定を「白紙化」して白鹿を買うことにした。
さて、今まで特に高級なお店にいったわけではないので、セレブの嗜好はわからないが、現地
生産されている松竹梅(いつも兵庫県人会でお世話になっています、この場を借りてお礼申し上
げます!)ほか、白鹿、剣菱、大関など灘のお酒に加えて、新潟の八海山、久保田、石川の菊姫、
手取川といったことろは市内のお店でラベルを拝見しました。ほかにもあったと思いますが、
思い出せません、あしからず。
相対的にワインほど浸透していませんが、和食とともに普及していってほしいものです。
※ 酒飲みのうんちく話
津の国の伊丹の里ゆはるばると白雪来るその酒来る 牧水
よっぽど好きだったと見えて、進物が届いた際に玄関で小躍りしている牧水先生のお姿を
想像してしまいそうな歌である。
「津」は「摂津」の略で「ゆ」は古文で習ったとおり経由を表します。
つまり、「摂津の国のあの伊丹から有名な白雪がやってきた、白雪がやってきたぞ。」
といった意味になりましょう。
ちょうど1年ほど前に牧水先生の歌集を読んでいるなかでこの歌をみつけ、まぁなんと酒
飲みの方だろうと感心し、こりゃぁ大伴旅人と双璧だわいな、と思った次第です。
そんな中でもちょうど季節にマッチしていたのが、この御作でありましょう。
白玉の歯にしみとほる秋の夜の酒は静かに飲むべかりけり 牧水
歯にしみとおるって、知覚過敏じゃないですよ、すっきりとした美味しいお酒を感覚的
にそのように捉えたのでしょう。
秋ですから、「静かに」はある意味平凡といえば平凡ですなぁ。
でもまたこの「べかりけり」と結びで言い放つところが、つくづくお酒が好きという心情が
出ていて、前半の技巧的な部分も併せて考えると、実に秀作だなぁと感心したもんです。
私の心にしみいる一首でした。
北京もようやく涼しくなってきました。
近所の公園で月下独酌にでも挑戦してみましょうか。
でもコップ酒じゃぁ風情はないなぁ。