たむたむの独り言

写真を中心にした情報です。

東ゴビ砂漠に雨を降らす!

2010-07-09 10:49:23 | Weblog
2010年6月29日(火)、午前中にサインシャンドから40㎞弱離れた砂漠の中にある地球エネルギーセンター、ハマリーンヒッド(ハマリーン寺院)に市議会議長のガンバータラさんから案内してもらう。途中の砂漠は、今年は雨がいつもより多かったこともあってか、サバンナのように草や灌木が結構生えているところが多い。この広大で同じように見える砂漠だが、よく見ると植生は微妙に変化し、構成種は明らかに場所によって異なっている。行きにおおよその状況を把握しておいて、帰りにその植生が変化する場所で何度か車を止めてもらい、植生や土壌の調査を行う。結構昆虫や鳥もいて、それなりの砂漠の生態系ができている。
昨年ウランバートル行きの欠航で予定が狂って行けなかったハマリーンヒッドは世界的なエネルギースポットとして観光地にもなっているが、我々はそこに行ってどうしても確認したいことがあった。それは、180年ほど前に修行に来た日本の僧侶が植えたと伝えられている桜が今でもそこにあるというのだ。常識では砂漠の中で桜が育つとは考えられない。育っているなら、その理由を知りたかったのである。
ハマリーンヒッドに近づくにつれ空が暗くなり雨がポツポツ降ってきた。ガイドさんたちからは日本から雨をもってきてくれたと感謝される。実は私はこの雨を予期して砂漠に来るのに何と傘を持ってきたのである。つまり徹底的な雨男である私は、中国でもぜひ今度は干害の時に来て下さいと言われるほど、普段は雨が降らない場所へ行っても雨が降るからだ。今回はほとんどジョークのつもりで持ってきた傘だが、ウソみたいにほんとうに砂漠に雨が降ったのである。
現地では案内人がついて、言われのある場所の説明を長々としてくれる。ここには2人の案内人がいて、1人は年輩で僧侶の格好をしているが、我々についてくれた案内人はGパンにサングラス、腕に入れ墨を入れたマッチョな若いお兄さんである。雨が降って涼しかったから良かったが、天気が良くて暑いときにはとても耐えられない長い説明である。通訳がまじめに訳せば倍の時間がかかるので、心得ていてほとんどカットして手短に通訳してくれる。
やっと最後に、我々の行きたかった桜が植わっていると言われる岩山に案内された。
 結論は最初に明らかになった。マッチョなお兄さんが、「これが日本人の僧侶が百何十年前に植えた桜です。」と説明した木は全く桜とは別種の植物であった。灌木性のバラ科の植物ではないかと思われたが、桜でないことは確かであった。
 そこでマッチョなお兄さんに間違いを指摘しても仕方がないので黙って聞いていた。いずれにしても、もう少し事実関係を調べてみる必要がある。しかし、私的にはやはり「桜は無かった」という事実のほうが納得できた。

〈砂漠の中の火山の噴火後に広がる地球エネルギーセンターの中心地ハムリーンヒッド〉

〈女性に御利益があるという「おっぱい岩」。雨のため傘を差すガイドさん」。〉

〈この火山岩の割れ目に生育する灌木を「昔、日本人が植えた桜」と言って説明される。〉

〈帰り道、放牧のラクダがのんびり草を食べているのに出会う。〉

〈何カ所かで植生と土壌の調査を行う。アザミに似た花が咲いている。〉
コメント
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