妻にヘアー・カットしてもらう

髪の毛が(頭の)だいぶ伸びて暑苦しいのでアイサイに切ってもらうことにした。
これは別に散髪代をケチったわけではない。お盆休みは床屋さんも混むからだ。
観光客が多く道路が渋滞しているのもいやだ。

そんなわけで久しぶりに家でヘアー・カットしてもらうことになった。
「ずいぶん伸びたね」と妻。はさみでじょきじょきと切ってくれる。
「薄くなっても伸びるところは伸びるんだな」と私。前のほう、額側は
伸びないで、というよりはげてきて、うしろ側ばかりが伸びてくるという
かたよった状況だ。なぜ平均して生えてくれないのだろう?
「生えないよりましよ。まだ黒いし」と妻は私の心を見透かしたように
なぐさめの言葉を頭の上から投げかけてくる。

そうこうしているうちに作業は終わったようで、髪の毛をはらい濡れたタオル
でていねいにふき取ってくれた。床屋さんでもしてくれない。
「いい床屋さんだな」と私。
「特別なお客さんだけのスペシャル・サービスよ」と妻はどきりとするような
ことを言いながら散らかったものをかたづけていた。

私は短くなった後頭部をなでながら「さっぱりしたよ」と言いながら感謝とねぎらい
の言葉を口にする。

夫婦はもちつもたれつというが、ありがたいことである。