チュエボーなチューボーのクラシック中ブログ

人生の半分を過去に生きることがクラシック音楽好きのサダメなんでしょうか?

ハインツ・ホリガー初来日(1970年)

2015-10-22 23:03:16 | 来日した演奏家

スイス生まれのオーボエ奏者・作曲家・指揮者であるハインツ・ホリガー氏(Heinz Holliger, 1939年生まれ)が奥様とともに1970年に初来日しました。



奥様はやはりスイス生まれの有名なハープ奏者、ウルズラ・ホリガーさん(Ursula Holliger, 1937-2014)。きれいなかたですね。昨年1月21日に76歳でお亡くなりになりました。

ホリガーは愛妻家であり、だからこそブラームスとクララのあるまじき関係がショックだったんでしょうね。(クララが焼却したロベルト・シューマン「ロマンス」とホリガー「ロマンセンドレス」)


さて、ホリガーはこの初来日の記者会見で次のように述べたそうです。

「バロック時代におけるオーボエは、ヴァイオリンと同じように重要な楽器でしたが、19世紀に入ると、ほとんど独奏楽器としては使われなくなってしまいました。しかし、この楽器にもう一度光を当てるのが、私の仕事だと思っています。オーボエという楽器は、この200年来ほとんど変わっていません。リードも肝心ですが、呼吸や指使い、唇のコントロールなどで、いかに美しい音を出すかに問題があります。私は、どれという流派に属してはいませんし、私自身これと思った音を出すように努力しています。」

信念に満ちたコメントですね。

「わたしは、オーボエという楽器が、彼の演奏するように演奏されるものだとは夢にも思わなかった。彼は偉大な芸術家であり、信ずべからざる名手だ。」

。。。これはパブロ・カザルスがホリガーを評して言った言葉です。

(参考:『教育音楽』1970年4月号、1975年8月号)