山本直純さんの「オーケストラがやって来た」という本(1972年、実業之日本社)はウラ話満載で面白いです。古本屋で500円、安すぎる。
この中では、オーケストラでのオーボエ奏者に関する記述がまず目をひきました。
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外国には、こんなことわざがある。それは「オーボエの二番」ということわざで、「あいつは実にパッとしないやつだ」というような表現のときに、「やつは二番オーボエだ!」というのだ。それほど、二番オーボエはめでたくない存在なのだ。
古今東西の名曲を通じて、ぼくの知っているかぎりでは、二番オーボエのソロ・パートは、ビゼーの第一シンフォニーの中にほんのちょっと顔を出す程度のものだ。同じ二番でも、ファゴットの二番などは、木管楽器群の最低音を受け持つから、おもしろい進行を任せられることもあるのだが、二番オーボエは、よいところはみんなフルートやクラリネットに持っていかれちまって、彼は、大勢でいっしょに演奏するときに「ポーッ」とか「ピーッ」とか、ただハーモニーの一音を奏でるしか能のないパートとされている。
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40年前の話としても、オーボエの二番の方には失礼な発言では!?
オーボエの二番は、たった一人だけなんだから欠席できないしドジこいたら目立つ!
小学校の音楽の授業で、先生の「みなさん、オーケストラではどの楽器をやりたいですか~?」という質問に対しては「バイオリンがいい!たくさんいるから間違っても自分だってことがわからないし」ってな情けない答えをする生徒が多かったような?
それに比べオーボエ二番は決して華やかではないけど責任の重いパートですよね。そんな玄人好みのオーボエ二番を、コンサートではガン見するよう心がけます!