『音楽之友』昭和31年(1956年)8月号の「ニュース・マンスリー」に、東京交響楽団がシーズン最後の定期で林光(1931-2012)の交響曲ト調(第1番、1953年)を取り上げたことが書いてあります。
この「交響曲ト調」は文部省芸術祭賞(現在の文化庁芸術祭賞)を受賞したそうなんですが、当時の文部大臣は授賞式で「交響曲ト」と続けてしまい、苦し紛れに「しらべ」と読んで笑われたそうです。ちょっとだけ恥ずかし~
それはさておき、この記事には「これほどよくまとまってしかも"聴ける"交響曲はそんなにない、親しめる作品であることは確かだ」とあり、なんだか聴きたくなってYouTubeやNMLで探したんですが無かったのでAmazonでCDを衝動注文してしまいました。
↑ 本名徹次指揮オーケストラ・ニッポニカ、2008年11月30日紀尾井ホールでのライブ録音。
比較的最近の録音なのに、もう「一時的に在庫切れ; 入荷時期は未定」だって。こういうあんまり売れそうもない(?)CDは発売されたらすぐ買っておく必要がありますね!?
(追記 第4楽章がいくらなんでもプロコすぎるのがナイス)
↑ 作曲家、林光。
「ぼくは、是が非でも作曲家になろう、そして、新しい境地を切り拓いてゆこう、なんていう、格式ばったこと、考えたことないんです。何というとこなく....本当に自然とそうなっちゃったんですね」
父は医学博士で音声学の泰斗・林義雄氏、母は羽仁もと子の自由学園で、いわゆる進歩的な教育を受け、姉は言うまでもなく東京交響楽団の首席フルーティストで今は阿部富士雄夫人のリリ子さん、という恵まれた環境に育ったが、彼も自由学園小学部に在学中から父君のウィーン留学時代からの友人である故・尾高尚忠氏に就き、作曲を学んだ。
(『音楽之友』1956年1月号より)