食の旅人

~ 食べることは生きること、生きることは旅すること、そうだ食べることは旅すること~
  野村洋文

イクラ

2009-05-03 18:10:21 | 日記
「食の旅人」という題にして、すべてが食に関連する内容ではない。その都度、頭の中に逗留した景観の破片を書きつづっていこうと思う。計画性のなさもまた、旅の醍醐味であるのだから。

 イクラ、、、について少し書いてみよう。なぜ、初回がイクラなのか?、、わからない。胸中に、最初にイクラが入り込んできたから、、、
 市場に出回っているイクラは、かなりの率をもって人造である。海草からとったアルギン酸ナトリウムで、うまみ成分を球状に包み込んでいるだけである。中心に透けて見える小さな球体がリアルにイクラ感を演出しているが、これは、サラダ油である。アルギン酸ナトリウムとは、歯医者で型をとるときに、口の中に入れるぬるっとした材料の成分である。
 アワビと称し、ロコガイを使用し、赤貝と称し、サルボウガイを使用する。現在、ほとんど常識的な代用であるが、まかりなりにも生物間での代用である。しかし、イクラはどうであろうか?化学合成物を生物として代用している。JAS法や、不当表示防止法などにふれないのであろうか?魚とその卵では、法的な取り扱いが違うからなのであろうか?
 天然との簡単な見分け方は、熱湯をかけてみることである。天然は、タンパク質が変性して表面が白濁するが、人造においては変化しない。
 イクラについてダラダラと愚痴ってしまったが、所詮、イクラである。プチッと食べてしまえばそれで終わりである。
 イクラは明治にロシアから伝えられたもので、向こうでは、イークラ、と発音するそうで、魚の卵はすべてイークラなのだそうだ。
 ちなみに日本人は、大正まで、イクラをキャビアと勘違いしていた。
 まっ、いずれにせよ、天然は高~いご時勢である。


 旅の続きは連休あけから。

cest la vie

2009-05-02 19:27:33 | 日記
cest la vie というフランス語が好きだ。これが人生~、という意味で、これが人生だ、と生を謳歌するときや、幸せな一生だったと歓喜するとき、または絶望の淵にたたされ、これが人生さと、あきらめの吐息をはくときなどさまざまなニュアンスで使われる。フランス人が非常に好む言葉でもあるらしい。四十路にあしをふみいれたばかりの僕は、どちらの意味合いにしろ、享受できる人生の幻影すらなしえていない。ただ、いずれ確実に訪れる死を前にした時、どちらかの意味をもって cest la vie というだろう。どちらの心境でそれをさけんだとしても、すばらしいと思う。すべては cest la vie なのだから。ブログをはじめるにあたり、いささか、陰鬱で幸先の暗い内容に感じられるとおもうが、生前蔡は縁起がよいというし、僕の旅もきっとすばらしいものになると思う。
 今日から、アラカルトのない旅に出発だ~