常陸大宮里山日記

茨城県の北西。久慈川と那珂川に囲まれた、常陸大宮市のなんだか暖かい里山の暮らし。

第16回庭園フォーラム現地見学会その1「喜雨亭」

2019-06-16 21:02:17 | 歴史
文化庁が造園技術の継承のため、毎年全国の名園で開催する「庭園フォーラム」
なんと、常陸大宮市見和地域高部地区の「養浩園」が選ばれた。
一般参加できる見学会に参加してきました。
たった2時間くらいだったんですが、とっても面白くて何回か分けて紹介します。
高部地区のランドークとなっている「花の友」の管板がかかる望楼。
これは、養浩園を眼下に望むために造られたそうです。

初めて敷地の中から喜雨亭を見ました。
大雨で写真が暗くてよくわかりませんが、2階の様子を覘くことができました。
市の職員さん、ずぶ濡れになりながらの熱心な解説。
建築士さんの調査結果の報告もあって、
とても興味深いお話で、参加者も熱心に聞き入っていました。
「喜雨」とは、杜甫の詩「春の夜、雨を喜ぶ」から名づけられたこと。
3階は色ガラスが格子状に嵌められたオシャレなもの。
壁に、ちいさな桜模様の穴があって、光が漏れることを計算していたらしい。
水戸の好文亭をまねたのではないか、などなど。
喜雨亭は明治20年ごろ、当時、高部地区が街道の宿場町として、
和紙、材木、こんにゃくの産地としてたいへん栄えていたころに建てられた。
山奥のこの地域が高い文化を誇っていたことがわかります。

でも、なにより驚いたのは、今回の調査の結果、
喜雨亭を建てた大工さんが判明したこと。
そしてその大工さんは、いつも私に山の話をしてくれるおじさま、O氏の
ひいおじいちゃんだったこと!
O氏もほとんど毎日喜雨亭の前の道を通りながら、
ご先祖様が建てたと知らなかったそうです。
越後から杜氏と一緒に当地に来て、名士の娘さんと結婚して養子になったらしい。
当時の美和地域の繁栄が、高い文化が、
全国から才能ある人を呼び込んだのではないかと思います。
そして、私は、若く才能ある大工の棟梁と名士の跡取り娘のロマンスがあったんじゃないかと、勝手に想像しています。







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マルシェ 森の中の

2019-05-26 21:54:04 | 里の話
先週のことでしたが、とても良かったので。
山方地区のパークアルカディアのイベント「マルシェ 森の中の」。
5月のさわやかな風にのってオーシャンゼリゼのコーラスが聞こえてきて。
そよそよとシンボルツリーの葉が揺れて。
丁寧な手づくりのクラフトショップ。
お昼ごはんも美味しかった。
走り回る子供たち、ダックスフントのご一行、地元の人たち、県外からのお客さん。
さわやかな風のなか、笑い声。
こういうイベントがあるなんて、
パークアルカディアはいいところだなあと改めて思いました。


来年も行こうっと。
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クラフトと猪と森

2019-05-19 20:10:55 | クラフト
今日は山方地域のパークアルカディアのイベントに出かけてみた。
気持ちのいい風にさわさわと森の樹々がそよぐなか、
手作りのクラフトのブースが並ぶ。
その中にあった城里町からきたsangrie(サングリエ)。
城里町に移住した女性が取り組んでいる猪の皮を使ったレザークラフト。
新聞で何度か紹介されていたので記憶にあった。
猪の皮なんてたいしたことないんじゃないの、と思っていたら、
そんなことない、なかなかおしゃれ。
ペットボトルホルダーを買ってしまいました。
猪の農作物被害は最近とても多くなって、農家さんは困り果てている。
猟師さんの高齢化だとか最近の猪の繁殖力が強くなったとか、
原因はいろいろある。
とにかく捕獲していくしかないんだろうけど、
一方で命あるものをできるだけ無駄にしたくないという気持ちもある。
猪の皮のペットボトルホルダーは、私のその気持ちに響く。

処分されるしかない猪の皮からかわいいレザークラフトを作る彼女。
森や猪の話を、お若い女性とできるなんて思わなかった。
楽しい時間でした。
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那珂川も久慈川も

2019-05-02 19:01:46 | 里の話
熊の山の山頂から杉の森のなか、
沢を一気に下るとそば道場が目の前。
そこから国道118号の赤い橋の橋脚の下を通って
下小川橋に降りていく。
見上げると、大きい橋です。車で渡るときはわからない。
下りきると下小川橋。ここからの久慈川の眺めはすばらしい。
水郡線が通らないかなと期待して少し待ってみたけど、あきらめて下小川駅に向かう。
途中、畑仕事がえりという地元のおじいさんに呼び止められた。
おじいさんはついこないだまで日本百名山にチャレンジしていたという。
そこそこの山装備だった私につい声をかけたらしい。
おじいさんは、下小川橋からの久慈川のながめが大好きだ、
那珂川もいいけど久慈川もいいだろう、と言ってた。
私もそう思う。
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熊の山

2019-04-30 21:11:28 | 山の話
雨っぽいゴールデンウィークの晴れ間に「熊の山」に登ってみた。
また、常陸大宮の面白いところを見つけてしまった。
下小川駅の駐車場から出発。
欄干のない平山橋で久慈川を渡り、
急坂の上にある美しい集落を抜け、お地蔵様にご挨拶。
森の入り口に手作りの杖が準備してあって、地域の方々の気遣い。

登り始めは気持ちのいい雑木林。
芽吹き始めた樹々の新緑のちょっと手前の淡い緑。里山のほんの一瞬の色。

のんびり歩いていたら、すぐに急登。里山歩きと思っていたら甘かった。
でも少し登ると展望が開けるところもあって、
さらに満開のツツジの森のなか。疲れなんか吹き飛ぶ。

まるで別世界に迷い込んだよう。ムラサキヤシオツツジとオレンジ色のツツジ。
夢見心地で歩いていくと、何度かアップダウンがあって、静かな桧の森に入る。
山頂には神社があると聞いていたので、近づいてきたのかな、と思ったら、
目の前に突然、これ。聞いてないよ~

先が見えない、急な石段。これを登るのか、と思う前に、
これだけの石を誰かが運び上げた、という事実に感動。
そして登り切った先の絶景。
この山、面白すぎる。
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