成人の日、娘は友人達とお夕食を食べて帰宅しました。
早朝から不馴れなお着物ですが、「ちょっと疲れちゃったけど大丈夫、行く!」と言うので義父母宅に電話を入れたら、まだ起きていると。
着崩れと帯結びをグイグイちゃちゃっと直し、すぐ向かいました。
義母はベッドを状態の良い時の角度4度にして眠りについていましたが、娘は「おばあちゃん、お着物着て来たんだよ」と話しかけました。
そして、「手、どこ?」とひつじに聞き、固く肘を折り畳み胸の前にあった手にそっと触れると振り袖の袂を義母の手に触れさせました。
穏やかではあるものの、一日中ずっと眠っているような義母へ、はっきりと聞き取りやすいテンポで語りかけます。さすが元放送部で演劇部。
ベビーマッサージで育てただけあって、非言語コミュニケーションも上手です。
「聞こえてるかな」と朗らかに、いろいろと語り続けていました。
優しい娘に育ってくれて、本当にありがとう。
義母の声にもならないかすかな吐息の乱れは、聞こえていた証拠だと感じました。