山形のホリデイマタギ日記

山菜とキノコと魚を採って遊ぶ年寄りの冷や水日記

S川、今年もありがとう

2024年05月26日 | 山菜採り

 1週間空けてのS川入渓である。

 前回、思いがけず大漁になった竹林は、三段構えの地形になっていて、下段から順に成長を始める。

 また、同じ竹林でも外縁部が先で、中心部が後から生えてくる。

 前回が、下段と二段目の外縁を中心に収穫があったから、今回は二段目の中心部と三段目が採り頃になっている予定だ。

 渓に降りると、

       タニウツギが美しい

       フジも花房の下まで花を咲かせています

「今日は、竹林まで直行な。」

などと言っていた本人が、

       やっぱりウドに引き留められてしまいます

       ミズも食べ頃になってきたけど本日は我慢

 途中の竹林は、一応覗いてみたけど、

       先客がいらっしゃるみたいですね

 本命の林も、

       ついさっきまで来訪中だったようです

 我々が鈴を鳴らしながら近づいてきたから、場所を明け渡してくれた模様です。

 それはそれでいいんだけど、タケノコがほとんど見当たりません。

 さすがにクマさんが全部食べてしまったとは思えないので、ここ2~3日の間に人も入ったと考えるべきでしょう。

 ここまで入ってくる人がいるんだ。

 ま、しょうがねえべ。

 一番奥手の(遅れて生え始める)竹林が残っているから、そこで帳尻を合わせましょう。

 そうと決まったら、ターゲットの変更です。

 ここS川は、何と言っても山菜の宝庫です。

 最後の竹林に着く前に、欲しい山菜を戴きましょう。

 まずは、ウルイを調達して(画像なし)、フキももらって帰りましょうか。

       新鮮なフキが採り放題です

       本当に好きなだけ戴きます

 ただ、最後にもう一つの竹林に入るので、無理はしません。

       ここにも先客がいたみたい

 ただ、クマが入っても、人は入っていないようなので、それなりの収穫は、させてもらうことができました。

       このぐらいなら上等!

 OK、満足じゃ。

       最後に残った雪渓からフキノトウ

       今年もたっぷりと楽しませてもらったS川

 山の神様、本当にありがとうございました。

 来年も楽しませてくださいネ。

 山の神様にお礼を告げて渓を離れたら、

       極上のウドが出てる

 これは、山の神様からのお土産かな。

 やっぱり、来年も遊びに来なくっちゃ。

 ありがたく戴いて、S川に別れを告げました。


できるかな?季節の巻き戻し

2024年05月23日 | 山菜採り

 現在、マタギの山菜採りは絶好調。

 この時期としては、過去最高と言ってよい月山筍やウドの収穫を楽しむことができている。

 だったら、それでいいじゃんと言いたいところなのだが、心残りが一つ。

 それは、あまりにも早く春が過ぎ去ってしまったこと。

 あまりにも早すぎて、春山菜の旬があっという間に通り過ぎてしまったのだ。

 この時期、色々な山菜が次から次へと顔を出すのだが、それに遅れまいと山菜の生育状況に応じて採り場を変えながら対応していく。

 しかし、遺恨を残してしまった山菜がコシアブラ

 いい採り場があって、ここ数年、高品質のものを安定して収穫してきたのだが、今シーズンは季節の進みを見誤って、採り損なってしまったのだ。

 コシアブラは既に、固く大きくなって、たわわに茂っている。

 なんとかならないかと考えているうちに、思いついた。

 春山に行けば、採れるはずだよ!

 うん、決めた。

 次の休みは、春山に出掛けましょう!

 考えてみれば当たり前のことなんだけど、秋や冬は高いところから降りてきて、春や夏は低いところから登っていくんですよ。

 だったら、まだ夏が登りついていない高い場所に行けばいいのだ。

 地図を見て、今、山菜採りを楽しんでいるS川よりも海抜の高い場所を探す。

 で、500mほど高いO川の採り場に行ってみることにした。

 夏になってから何度か入ったことがあるんだけど、この時期に入るのは初めて。

 でも、今年の天候なら、丁度いいような気がする。

 ダメならば、それで構わない。

 行けば何かが掴めるはずだと考えて出発することにした。

 そして、辿り着くと、

       新緑の足元は雪の中

       雪の割れ目を沢水が流れる

       水芭蕉が花盛りですね

 間違いなく、春だぜ。そして、山菜も、

       赤コゴミが丁度

       コシアブラは出始めと

       採り頃とが混在してます

 ついでに、

       森の主も目覚めたようですね

 主さんのテリトリーは、なんとなく分かったので、そちらには深入りしないで、こちらの探索を楽しみましょう。

       雪の消え際からは顔を出したばかりのフキノトウ

       コブシが花盛りみたいです

       カタクリと土筆じゃないの

 いやあ、ここは間違いなく、まだ春です。

 おかげ様で、願ってやまなかった春の山菜たちに、再び出会うことができました。

 山の神様、こんな素晴らしい出会いを用意して下さり、ありがとうございました。

 おかげ様で、至福のひと時を過ごすことができました。

 

 ちょっと気が重かったんだけど、神様からのプレゼントを携えて、また、夏のような暑さの下界に帰ることにしました。


心晴れ晴れ、ありがとう山の神様!

2024年05月19日 | 山菜採り

 「ゴメン。」

「ん?何したの?」

「実はよう、・・・」

 本日は、向かいのM氏と山菜採り。

 目的地はS川下流の山菜採り場。

 10日前に入ったときは、頭上の山菜が適期を過ぎていたものの、足元の山菜は、特にタケノコの生育が遅く、本命と考えていた上流の竹林までは行かず、途中で引き返していた。

 で、10日経った本日は、いよいよ、この川で最大の採り場である竹林に入ろうと考えていた。

 ところがだ、3日前にA氏と上流部を探索して下っているうちに、いつの間にかこの林に着いていたんですよ。

 おお、なかなかいい竹林じゃないの。と思ってタケノコを採り始めて、暫くしてからようやく気付いた。

 ええ~!?ここまで来ちゃってたの?という感じ。

 3日後に再訪することは分かっている。

 しかし、目の前には食べ頃のタケノコが並んでいる。

 ここは、”採り”ですね。

 せっかくの食べ頃の山菜を置いて帰るわけにはいかない。

 3日後には3日後の風が吹くさ。

 ・・・

 で、今、その林をめざして車を走らせているってわけだ。

 もし、何も採れなかったら、それはマタギのせい。

 このことをM氏に伝えるべきか。

 ちょっと考えたんだけど、こういう精神衛生上よろしくない事実は、包み隠さず喋った方が良い

 ということで、冒頭の会話になるわけなんです。

「何?上から入って、あの林まで行ったのが。帰り、大変だっけべ。」

「うん。そんで、一昨日雨降って昨日晴れたから新しいタケノコ伸びてっと思うんだけど、採れなかったらゴメン。」

「大丈夫だ。あそこなら、必ず何か採れっから。」

ということで、蟠りが一つ消えた。

ああ~、良かった!

隠し事がないということは、こんなにも心を軽くしてくれるのだ。

 本日は、もう一つの蟠りを解消することも大きな目標だ。

 思いを胸に秘めて渓底に降り立つ。

       フジの花のお出迎え

       いつもながらの美しさ

 ホウの花も咲いていないかなと思って探したが、見当たらない。

 代わりにホウの葉先が茶色く縮れているのは、遅霜のせいかもしれない。

 左岸側で唯一残っていた雪渓も消えている。そこからは、

       やっぱり

       出てくるんだよね

       貰っちゃった

       M氏はウラ折りもしてるから

 一気にリュックが重くなります。

 そんでもって、いよいよ懸案事項のその二です。

 かつて採り過ぎたために、痩せてきたので、3年間休ませた斜面に入ってみます。

       この土崖がいいウドを育てる

       ああ、いいウドだ

「やっぱりいいウド出るねえ。」

「うん。最高級だ。」

休ませてきた甲斐があったというものだぜ。

ただ、困ったことに、タケノコを取る前にリュックが重たくなってきた。

       こちらは2年間休ませているコゴミのジャングル

 ここのコゴミも、来年は解禁ですね。

 こんな風に山菜の育ち具合を確かめながら本命の竹林に向かう。

 そして、・・・

       ムシカリが花盛りを迎えようとしている

       タニウツギが咲き始めました

       ああ、何と美しい緑と空

       本日のウドと

       タケノコです

 ウドについては、ある程度予想もしていたし、期待していた通りでした。

 驚いたのはタケノコの方で、3日でこんなに伸びるのか!?という気持ち。

 『雨後のタケノコ』という言葉も、その信憑性の高さも知っているつもりだったんだけど、まさかこれほどとは思わなかった。

 多分だけど、長く続いた高温と乾燥状態でウズウズしていたタケノコたちが、今回のまとまった雨で、一気に成長を始めたんだと思います。

 山の神様は勿論、天気の神様に感謝です。

 ありがとうございました。

 これは、仲間と声を掛け合いながらウド斜面を休ませてきたことと、正直に自分のフライングを報告できたことに対するご褒美かな?

 さあ、これだけの大収穫。 ここから忙しくなるぞ!


これが5月の山菜採り

2024年05月15日 | 山菜採り

 本日の山菜採りは、S川上流部。

 ちょうど2週間ぶりになる。

 今回はA氏と一緒だ。

 主なターゲットはネマガリタケ

 前回、あまり収穫の多くなかった山菜もあるので、どのくらい成長しているかも楽しみだ。

 日の出時刻も日に日に早くなってきているので、活動の開始も早まって、4時半ごろには渓に降りた。

 渓の状態はというと、

       コゴミとイタドリのジャングル

 これは、山菜ではなくて、山野草ですね。

 地面の山菜はほとんど見えません。

 それでも、ウドガラなどを手掛かりに場所を特定。 探ってみると、

       結構いい状態のウドを発見

       土崖だと見つけやすいです

       これもゲットですね

 ただ、せっかくのいい竹林なのに、全く発生していないところが殆ど。

        無いこともないから潜り込んで探してしまう

 暫く探っていくうちに分かってきました。

 川の右岸側の季節の進みが遅いのです。

 少し進むと、

       雪渓の出現

 これも右岸側です。

 つまり、平等に積もった雪でも右岸側には残り、左岸側は消えているということ。

 左岸側を探るべし!

 我々が狙っている初夏の山菜は、左岸側が採り頃に違いない。

 案の定、

       結構いい感じのタケノコが

       左岸側の竹林には出ています

 ついでに、岩崖の上の方には、ウルイがわんさか。

 ウルイ採りは危険を伴うので、無理のない範囲でいただきましょう。

       このぐらいなら美味しく戴けますよ

 それなりに採れたので満足です。

 あと、いいんねがい。」

「うん。結構採れたからね。」

 時計は、まだ6時半だが、もう十分だ。

 羽虫も飛び交い始めた。

 渓の様子も分かったので、余計なものが出てくる前に引き返すことにする。

       もう初夏と言ってよい渓を引き返す

 林道まで戻ると、

       ガザキ(タニウツギ)が蕾を膨らませていました

 この渓の夏山菜も、もうすぐ最盛期を迎える証です。

 ああ~、楽しかった。

 山の神様、今回もありがとうございました。

「次は、Y川のワラビかな?」

「うん。その時は、またよろしく。」

 収穫に満足しつつ、止まらない季節の歩みに心弾ませる二人でした。

 

 ちなみに、今回のS川の右岸と左岸の違いだけれど、地図を見返して納得。

 本日の採り場周辺では、右岸側が北向き斜面、左岸側が南向き斜面になっていました。

 これでは山菜の成長に大差がつくのも仕方がないですね。

 自然界の理に、改めて納得です。

 日差しが生き物の成長に大きく影響する時期なだけに、日当たり具合も考慮して場所選びをする必要があるということですな。

 勉強になりました。


山菜採りも初夏ですね

2024年05月11日 | 山菜採り

 前回のS川探訪から約1週間。

 今シーズン2回目の下流部への入渓となる。

 この間、気温は高め。夏日は、ほぼ毎日、真夏日もあった。

 これだけの気温なら、動植物の成長も著しかったはず。

 ただ、湿度は非常に低め。降雨は全くなし。カラカラのまま経過している。

 そのためか、県内では山火事が多発。

 それだけでなく、消火がままならない状態が続いている。

 こんな気候の中、渓底の採り場がどう変わっているかドキドキしながら出発した。

 同行者は、向かいの住人M氏だ。

「渓底の竹林が出ていたらサカリなはずだよな。」

渓に降りて最初の竹林は、日陰のためか、発生がこの川全体のほぼ中期ごろ=サカリになる。

さあ、どうでしょう。

早速、竹林に潜り込んでみる。

「ねえなあ。」

「うん。まだ早いか。」

しかし、前回見た通りと言うか、前回以上にコシアブラとタラノメは開いていて、『芽』じゃなくて『枝葉』の状態。

 つまり、タケノコが出る前に木の芽型山菜は終わってしまったということ。

 このアンバランスが、これまで未経験の状態なのだ。

 普通の年なら、これほど成長に差がつかない。

 他の植物はどうだろう。

       フジが咲き始め

 ホウの花もまだみたいだ。

 例年よりもちょっと早いけど、理解可能、許容範囲内の成長です。

 これならば、本日のメインはウドですね。

 ネマガリタケの最盛期は、もう少し先になるでしょう。

       ウド掘り開始

 土崖から伸びている『ウドガラ』を手掛かりに、ウド掘りを始めました。

       土の下から白身の茎が顔を出します

       相変わらず いいウドじゃ

 さて、タケノコの方なんだけど、本命の林はまだ早いと判断できています。

 だとすると、途中にある『早生』の林を探っていきましょう。

 林に潜り込んでみると、

       なかなかいい感じじゃないの

       こちらなんて、既に伸び加減ですよ

 主に、林の外側。日当たりの良い場所のタケノコがいい感じですね。

 一応、持ち帰ったタケノコは、

       こんな状態でした

 まだ最盛期ではないけど、十分に満足できます。

 周囲を見渡すと、

      フキノトウに代わって瑞々しいフキ

       これも、極めて速いサワオグルマの花

 種によって、多少の差があるけど、全体的に、季節の進行は早め。

 終わりかけの山菜や、今が盛りの山菜がある一方で、これからが始まりという山菜も少なからずあることが分かったので、もう暫くは楽しめそうで安心しました。

 渓底から林道に戻り、車に引き返します。

 例年なら雪渓に隠されているはずの土崖から、

       ウドが伸び始めていました

 これは、完全に初夏の山菜採りの様相ですね。

 それならそれで、楽しませてもらいましょう。

「おお、出った!」

「こっちは、根が深いぞ!」

 M氏と二人で、雪の消えた道沿いの土崖から顔を出しているウドの芽を見つけては掘る宝探し大会になった。

 「次は、ウドもウラ折り(伸びた茎を折り採ること)だな。」

「うん。中心はタケノコになるね。」

「来週だべな。」

「その前に、ひと雨降っといいなあ。」

再訪を約束して帰路に就いた。

 山の神様、本日もありがとうございました。