1回目のワサビ採りから10日余り。
ようやくフスベ漬けを1パック食べ切ることができた。
採ってきて、最初に漬けたときは、
こんな感じです
そんなにバクバクと食べられる代物ではないので、少しずつ食べていくうちに、ようやくなくなったというところです。
そんでですな、フスベ漬けを食べ切った後には、必ず『つゆ』が残るんです。
大きな理由の一つが、ワサビの辛味が揮発性だから。
根ワサビだったら、おろしたてが一番辛くて美味しい。
フスベ漬けも同様、と言いたいところだけど、辛味が出てくるまでのタイムラグがある。
その間、空気にさらしておいたら、せっかくの辛味が飛んでしまうから、密封できる容器に入れて待つ。
更に、空気に触れさせたくないから、いっぱいの『つゆ』に浸して万全を期すのだ。
そうして、フスベ漬けにしたワサビの葉や茎を食べ切ると、大量の『つゆ』が残る。
これが、旨いんだわ。
ワサビの風味と辛味が乗り移っていて、捨てるに捨てられない。
そういう訳で、ここ数年間は、残ったつゆを、他のおひたしにかけて使っている。
これはこれで、大変美味しいんだけど、ひとつ心に引っかかっていたことがあるのだ。
それは、ざる蕎麦のつゆに使えないかということ。
実は、だいぶ前に試してみたことがあるんだけど、思っていたような旨さではなかったので封印してきた。
しかし、ここにきて、ようやく気付いたのだ。
かけ蕎麦のつゆで、ざる蕎麦を食べたって、美味しいわけないじゃん。
そうだよ。ここに残っているフスベ漬けのつゆは、かけ蕎麦レベルの濃さだ。
これでざる蕎麦を食べたって、美味しいはずがない。
なんで今まで気づかなかったんだろう。
フスベ漬けのつゆを、ざる蕎麦の濃さに合わせればいいんじゃないか。
で、さっそく始めるんだけど、これって数学ですね。
残ったフスベ漬けのつゆは、水:出汁醤油 = 3:1 です。
これは、かけ蕎麦レベルの濃さ。
これを、ざる蕎麦レベルの 1:1 まで濃度を高めます。
さて、出汁醤油をどれだけ足せばいいでしょう
答えは、全体量の半分だけ足せばOKなはずです(上の写真だと90gほど)。
早速、入れてみました。
あとは、揮発性なので、密封して冷蔵庫で待機。
一応、薬味も準備しましょう。
刻み海苔を準備
いるかどうか分からないけれど、ネギも準備
蕎麦を時間通りに茹でたら、冷水で締めて
さあ、出来ました!
ひと口目、恐る恐る食べてみると、!!!!!
これは、凄いっス!
口の中に、ワサビの旨みと辛味とが一度に押し寄せてくる感じ。
この美味しさの津波が、極めて心地よく体中に染みわたっていきます。
「これ、すごいわ!」
妻も驚きながら、喜んで箸を進めています。
強いて、近い所を言うと、蕎麦のつゆにおろしワサビを入れたもの。それから、辛味ダイコンのつゆあたりだろうね。
でも、この風味は、全然違う。
繰り返しになるけど、ワサビの辛味+旨みなのだ。
やっぱりそうだったのか。
出汁醤油の濃度を調整しただけで、これだけぴったりとハマるんだ。
・・・あっという間に蕎麦は食べ終わったけど、このつゆの残りも捨てがたい。
蕎麦湯は捨てちゃったから、ポットのお湯で少し薄めて、心底余韻に浸ろうと思います(普通は飲まないんだけど、今回は特別)。
今度は、香りが立ってきました。 これは、辛味+早春の風味。
はあ~。 甘露甘露。
ご馳走様でした!
珍味と言うか、美味の大発見に超満足のマタギです。
山の神様、ありがとうございました。
これから何回か、お世話になりますね。
山の方に自生のワサビがあると聞いたことがありますが・・・・・・。
おそばがおいしそう・・・・・お味想像してしまいましたよ。
コメントありがとうございます。
どう書くと、この感動が伝わるかと思っていたんですけれど、なんとか伝わったみたいですね。
チャンスがあったら、是非お試しください。