山形のホリデイマタギ日記

山菜とキノコと魚を採って遊ぶ年寄りの冷や水日記

もっけだのお!イタドリ料理!!

2023年04月29日 | 山菜料理

 「庄内衆はよう、イタドリも食うんだと。イタドリだぜえ!」

「あの固いイタドリば食うのか。たまげたもんだ!」

 内陸衆の会話である。

 島国根性の日本人と揶揄されることが多々あるが、そんな中でも『陸の孤島』と言ってよい山形県民には、独特の文化と変なプライドとが混在している。詳しく語り始めると、文化人類学みたいになりそうなんで、ここでは割愛。

 そんな山形の中にも、文化の分断が存在していることが、上の会話から読み取れるのではないだろうか(何てったって、豚肉で芋煮会をするなんて許せん!)。

 さて、しかしですな、ここは、心を入れ替えて・・・。

 庄内衆もすなるイタドリ料理といふもの、マタギもしてみんとてするなり。

       はっきり言って、どこにでも生えてるんです

希少価値は、全くなし。でもね、朝日を浴びたイタドリの新芽からは、オーラが湧き出していて、何だか無性に食欲をそそられてしまったわけなんですよ。

 未だかつて食べたことのない山菜だけど、時々、『美味しく戴きました』みたいな文章に出逢うことがある。やっぱり、島国根性をかなぐり捨てて試してみる必要があるんじゃないかな。それでも、不味かったら仕方がない・・・。逆に、美味しいことが分かれば儲けものってもんだ。

 帰宅してから、いろいろと調理方法を調べてみたけれど、どうもイタドリ料理の場合、『酸味を楽しむ』タイプと『酸味を抜いて楽しむ』タイプとがあるらしいことが分かった。

 どちらも、なんとなく想像がつくんだけど、マタギとしましては、『酸味を抜いて楽しむ』方が初回としては良さそうな気がするので、そちらに挑戦してみることにしました。参考にしたのは、『マミヤ』さんのレシピです。

 作るのは、≪イタドリの炒め煮≫です。

 下ごしらえの部

 ・イタドリの葉っぱをとって、洗ったら

 ・ピーラーで薄皮を剥きました

 ※アスパラに近い感覚。でも、中空なので剥き過ぎに注意

 ・食べやすい長さに切ったら、掌で押し割っていきます

 ※先端部は切り捨てました

 ・沸騰直前ぐらいのお湯を用意したら

 ・イタドリを入れて湯がいていくと

 ・色が変わってきます(ここまで5分)

 ・冷水に入れ替えて一昼夜さらしておきます

 調理の部

 ここからは、フキの炒め煮とほとんど変わりません。

 ・水気を切ったイタドリをごま油で軽く炒めます

       調味料投入!

 ※イタドリ200gに対して醤油みりん大さじ2と、砂糖20g、顆粒出汁少々を加えて炒め煮に

 ※酒とか水とかは、一切使わないそうです

 ・水分があらかた飛んだら白ごまを適量投入

 ・軽く混ぜたら消火して出来上がり

 この味付けなら、フキだったら十分に美味しいはずです。さあ、イタドリはどうか?

 うおおおおおおおおおおおおおおお!!

 うんめえ!!!

 味自体には、特別な癖もないけど、確かに春の気配が感じられます。それよりなにより、この食感ですよ。適度な弾力を帯びたコリッとした歯ごたえ、舌触り。山形弁では、『しなっこい』というやつでしょうか。それが、硬すぎず柔らか過ぎず、丁度いい案配です。

 これは、おかずにもつまみにも、文句なく嬉しい料理ですね。

 やっぱり、あれですね。変な思い込みよりも、思い切りです。自分自身に絡みついている思い込みを、一旦切り離して、試してみることで世界が広がる気がします。長く生きてきても、この精神は、忘れてはいけない成長の原動力になるという気がします。ああ、試してみてよかった。

 

 もっけだのお(ありがとうな)、T川の山の神様。まだ、来るさげな。



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