河童アオミドロの断捨離世界図鑑

ザスドラス博士の弟子の河童アオミドロの格安貧困魂救済ブログ。

シトロエン加速する

2009年10月18日 | 静かな日常編
「結局、ドンブリアン流星もあまり見えなかったなあ」

「見えただけでも幸福だよ。
じゃあ、懐かしのフォーク集でもかけて帰るとするか」

♪イムジン川水清く~♪

「これ知ってるよ。パッチギの曲だろ」

「おまえは未来人か、パッチギと沢尻エリカが登場するのはまだ未来だぜ」

「シトロエンって下りは速いっていってたよな
何キロくらい出るんだい」

「そうだな、次の直線でヘアピンまでブレーキをかけなければ
時速200kmは出るよ」

「じゃあ試してみてよ」

「でもブレーキかけないとそのまま谷底だぜ
じゃあ、行くよ」

ひゅるひゅるひゅる
エンジンを切ったシトロエンは加速していった

「うわーーーーーー」

車はガードレールを越え宙に飛んだ
カーステレオは2曲目を流していた

♪おらは死んじまっただ~♪
♪天国良いとこ一度はおいで、酒はうまいしねえちゃんはきれいだ♪

中空に白髪の老人が現れた

「なあおまえまだそんなことばっかりやってるんでっか
ほなら出てゆけ~」

気が付いた時、シトロエンは崖の直前で止まっていた

「ふうーーーーーびっくりした」

「なんか時間が止まったみたいだったな」

夜明けの光にふもとの景色が浮かびあがってきた

「あれ、淡路島まで大きな橋が出来てるよ
それに異人館がだいぶ減ってるし」

「俺たちタイムワープしたみたいだぜ」

「運よく命拾いしたみたいだね」

「じゃあ、運が続くまでこの未来を生きてみるとするか」

ぶるぶるん

エンジンのかかったシトロエンはゆっくりと坂を下っていった