河童アオミドロの断捨離世界図鑑

ザスドラス博士の弟子の河童アオミドロの格安貧困魂救済ブログ。

リエフー変換 ALIAS IN WONDERLAND 8

2010年01月14日 | Next Time/Next Place
「じゃ、お父さん、ダブリン行きのチケット買ってよね」

「父さんは倒産したからビザカードも貯金も無い
地方裁判所には3回も出頭した
今時、カードが無いとイーチケットも買えんのだぞ
そのかわり特別のルートがある
裏山にダブリンまで続いている穴を掘ってあるんだ
正確にはまだロンドンまでしか到達してないけどな」

「すごいじゃない!それお父さん一人で掘ったの?」

「いや、実は三月ウサギが掘った穴だ、それをたどってみたら
カサブランカまで続いておった
その先からはわしが手で掘った」

「お前の歌は音域が狭くて低音も高音も出ていない
ロンドンで絵の修行してリエフー変換して波形を見てきなさい」

「それって『フーリエ変換』じゃないの?
リエフーさんのブログに書いてあったわよ」

「そんなこたあどうだってよい

あなたが今ここにいる理由は

この夕空が知ってる

のだから」

黄金色の日々 ALIAS IN WONDERLAND 7

2010年01月14日 | Next Time/Next Place
「エイリアスったら、そんなに不機嫌だと
所属事務所をクビになるぞ
もっと愛想良くしなさい」

「いいのよ、あたし、ロンドンの事務所経由でダブリンに行くから」

「じゃあ、お父さんが歌を唄ってあげよう
レパートリーは2曲しかないがな

1.夏は来ぬ

2.フナムシ音頭

どっちがいいかな?」

♪~卯の花の、匂う垣根に~♪
♪~ほととぎす、早も来鳴きて~♪
♪~しのびねもらす、夏は来ぬ~♪


「卯の花って本当は夏咲くのね!
大人はみんなウソツキよ
大人なんて大っきらい」


大人だって、好きこのんでウソをついているのではないのです
エイリアスにとって、この黄金色の日々が続くよう
ずっと守っていたい。それが父の願いでした
そしてエイリアスが大人になった時
あの木漏れ日の中で過ごした黄金の日々を
時々思い出してなつかしんでくれるよう
一生懸命ウソをついていたのでした