Strawberry Fields Forever
「大丈夫かなあ、きっとお百姓さんに怒られるよ」
「大丈夫、大丈夫、痛んでるのとか、虫が食ってるのだけ選んで食べる
見回りに来るまでに出て行くから
これだけ苺があるから許してくれるって」
「こらー、毎日、苺を盗んでるのはおまえらか
どこ中の生徒や」
「まだ苺盗んでません、今日が初めてです
先生だけには言わんといてください」
畑のあぜ道で5人並んで1時間ほど説教された
サリンジャーにまつわるほろ苦くも甘酸っぱい思い出である
「大丈夫、大丈夫、痛んでるのとか、虫が食ってるのだけ選んで食べる
見回りに来るまでに出て行くから
これだけ苺があるから許してくれるって」
「こらー、毎日、苺を盗んでるのはおまえらか
どこ中の生徒や」
「まだ苺盗んでません、今日が初めてです
先生だけには言わんといてください」
畑のあぜ道で5人並んで1時間ほど説教された
サリンジャーにまつわるほろ苦くも甘酸っぱい思い出である
「おっと、『カサブランカでお茶会を』が『ティファニーで朝食を』に
なっちゃったねー、なんか古き良き時代って感じで
この帽子屋、泣けてきて、ティッシュ一箱使っちゃったよ
1960年で科学の進歩は止まっても良かったんじゃないかなあ
カラーテレビなんて無くてもよかったよ
できれば原子爆弾も不要だったけどね
帽子屋はそう思うよ
もっとも帽子屋は頭おかしいけどね
ここ数日、室温が30度越えてるからねー
科学者はもっと頭おかしいね
頭おかしいから科学者やってんだろうけど」
なっちゃったねー、なんか古き良き時代って感じで
この帽子屋、泣けてきて、ティッシュ一箱使っちゃったよ
1960年で科学の進歩は止まっても良かったんじゃないかなあ
カラーテレビなんて無くてもよかったよ
できれば原子爆弾も不要だったけどね
帽子屋はそう思うよ
もっとも帽子屋は頭おかしいけどね
ここ数日、室温が30度越えてるからねー
科学者はもっと頭おかしいね
頭おかしいから科学者やってんだろうけど」
Breakfast at Tiffanys(1961) - Moon River
Casablanca (1942) As Time Goes By
Crosby, Stills & Nash Marrakesh Express
「じゃ次は『マラケシュエクスプレス』
カサブランカからちょっと遠いけど行ってみよう
またニールヤングはいないよ」
カサブランカからちょっと遠いけど行ってみよう
またニールヤングはいないよ」
Crosby, Stills & Nash - Suite, Judy Blue Eyes
「君の瞳に乾杯!」
「エイリアスちゃん来ないから先に始めちゃおう
今日は2049回目の三月ウサギのお茶会だ
昨日は1501回目だったから、ずいぶん間が飛んじゃったよ
司会はいつものように、このサワディの帽子屋でござい」
「エイリアスちゃんは今どこに居るんだい」
「居るところに居る、居ないところには居ないよ」
「それもそうだな
今日のお茶は何かな」
「今日は特別にレディグレイにしたよ
レディグレイはトワイニングの商品名だけどね
矢車菊の青は素敵さ
君の瞳のような青だから、もう一度乾杯!
三日前のスコーンもどっさりあるよ
昨日はこれ食べて3人窒息したけどね」
「僕の目は真っ赤だよ、白ウサギだから」
「じゃあ、最初の曲はCSN&Yで『青い目のジュディ』
いってみよう!
おっと、ニールヤングは欠席だ」
「エイリアスちゃん来ないから先に始めちゃおう
今日は2049回目の三月ウサギのお茶会だ
昨日は1501回目だったから、ずいぶん間が飛んじゃったよ
司会はいつものように、このサワディの帽子屋でござい」
「エイリアスちゃんは今どこに居るんだい」
「居るところに居る、居ないところには居ないよ」
「それもそうだな
今日のお茶は何かな」
「今日は特別にレディグレイにしたよ
レディグレイはトワイニングの商品名だけどね
矢車菊の青は素敵さ
君の瞳のような青だから、もう一度乾杯!
三日前のスコーンもどっさりあるよ
昨日はこれ食べて3人窒息したけどね」
「僕の目は真っ赤だよ、白ウサギだから」
「じゃあ、最初の曲はCSN&Yで『青い目のジュディ』
いってみよう!
おっと、ニールヤングは欠席だ」
・・・まず、お父様、お名前は何とお呼びすればよろしゅうございますか?
「えーと、名前はバックナンバーに有ったかもしれんが、忘れた
山岡宏とでもしてくれ」
・・・では、山岡様、河童になられた理由はどのようなことからですか?
「えーと、あれは、朝の通勤電車の中だった
なんか少しだけ自分が死んでる気がした
42歳の夏だった」
・・・死んでるといいますとお体の具合が悪かったとかですか?
「いや、違う、これだけの人が一つの電車の中で全員無言でいることが
冷房の寒さと重なって、死んでるような気がした
で、その年の夏季休暇を長めに取って、インドの高地に行った
自分は死んでるのか生きてるのか自分で確かめたかった」
・・・インドの山奥で修行なさったわけですね
「山は4000メートルあった、私はいきなり高山病になり
とにかく水が欲しかった、食べ物は胃が受け付けなかった
一週間もの間、私は水だけを飲み、頭痛と闘い
雑巾のような毛布にくるまり寝続けた」
・・・それは大変でしたね山岡さんなのに山には弱かったと
「高山病というのは脳が膨れ上がったようになり
頭痛、吐き気、動悸がする、とにかく水が欲しかった
喉が渇き、悪夢のような悪夢を見続けた」
・・・悪夢のような悪夢とはそうとうバッドな状態ですね
「で、一週間目の朝だった。突然気分が軽くなり
病み上がりの子供が天使を見たような朝だった
窓を開けて、ウルトラマリンブルーの空を見た時、風が頭を通りすぎ
『自分は少し生きている』と感じた
この生きている感覚が物事のすべてだと思った
満員電車の中と真逆の感覚だった
私はスキップをしながら階段を転げ落ちた」
・・・天使を見たけれど死んでなかったわけですね、そして空なのにマリンブルーだった
「それで、やけに頭が涼しいと思ったら、頭が皿になっていた
正確に言うと丸くハゲていた
そして、水を飲みすぎたせいか、手に水掻きが付いておった
朝食のおかずはキューリのキューちゃんだった
ごはんは2杯おかわりした」
・・・当然、背中は甲羅になっていたと
「いや、背中は、普通の少し猫背のままだった
甲羅はあとからモルジブでウミガメを殺して自分で作った」
・・・せっかくのいい話ですから、最後のところは削除しておきましょうか
「えーと、名前はバックナンバーに有ったかもしれんが、忘れた
山岡宏とでもしてくれ」
・・・では、山岡様、河童になられた理由はどのようなことからですか?
「えーと、あれは、朝の通勤電車の中だった
なんか少しだけ自分が死んでる気がした
42歳の夏だった」
・・・死んでるといいますとお体の具合が悪かったとかですか?
「いや、違う、これだけの人が一つの電車の中で全員無言でいることが
冷房の寒さと重なって、死んでるような気がした
で、その年の夏季休暇を長めに取って、インドの高地に行った
自分は死んでるのか生きてるのか自分で確かめたかった」
・・・インドの山奥で修行なさったわけですね
「山は4000メートルあった、私はいきなり高山病になり
とにかく水が欲しかった、食べ物は胃が受け付けなかった
一週間もの間、私は水だけを飲み、頭痛と闘い
雑巾のような毛布にくるまり寝続けた」
・・・それは大変でしたね山岡さんなのに山には弱かったと
「高山病というのは脳が膨れ上がったようになり
頭痛、吐き気、動悸がする、とにかく水が欲しかった
喉が渇き、悪夢のような悪夢を見続けた」
・・・悪夢のような悪夢とはそうとうバッドな状態ですね
「で、一週間目の朝だった。突然気分が軽くなり
病み上がりの子供が天使を見たような朝だった
窓を開けて、ウルトラマリンブルーの空を見た時、風が頭を通りすぎ
『自分は少し生きている』と感じた
この生きている感覚が物事のすべてだと思った
満員電車の中と真逆の感覚だった
私はスキップをしながら階段を転げ落ちた」
・・・天使を見たけれど死んでなかったわけですね、そして空なのにマリンブルーだった
「それで、やけに頭が涼しいと思ったら、頭が皿になっていた
正確に言うと丸くハゲていた
そして、水を飲みすぎたせいか、手に水掻きが付いておった
朝食のおかずはキューリのキューちゃんだった
ごはんは2杯おかわりした」
・・・当然、背中は甲羅になっていたと
「いや、背中は、普通の少し猫背のままだった
甲羅はあとからモルジブでウミガメを殺して自分で作った」
・・・せっかくのいい話ですから、最後のところは削除しておきましょうか