新・ほろ酔い気分

酔っているような気分のまま、
愚にもつかない身辺雑記や俳句で遊んでおります。
お目に留めて下されば嬉しいです。

昼顔の似合う歌人

2011年07月09日 07時38分00秒 | 身辺雑記

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 歌人・河野裕子さんの遺歌集「蝉声」を読んだ。

 歌集の「あとがき」で、夫君・永田和宏氏が、「これ以降の歌集はもう決して出ることはないのだということに、あらためて無念の思いが強い」と書いている。

 かねてより密かな愛読者だった私としても、とても残念でならない。

 亡くなったのは平成22年8月12日。享年64歳であった。

 昭和47年(26歳)のころの歌に、

   「青林檎与へしことを唯一の

             積極として別れ来にけり」 

 があった。   

 なんと初々しいことであろうか。 この頃、夫君永田氏と結婚した。

   「明日になれば切られてしまふこの胸を

             覚えておかむ湯にうつ伏せり」

 乳癌を切除するにあたっての慟哭であったろうか。

 永田氏の「あとがき」によれば、最後の頃は鉛筆も持てなかったようだ。

 次の歌は、夫君による口述筆記(平成22年8月11日)とのこと。

   「手をのべてあなたとあなたに触れたきに

                   息が足りないこの世の息が」

 ご冥福をお祈りします。

   別館として、写真俳句ブログの「ひよどり草紙」を開いてます。

 ご覧いただけると嬉しいです。

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コメント (2)
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