朝からとてもいい日和であった。
カメラを背負い、おびき出されるように車に乗った。自然公園へ。
気持ちが逸るほど被写体が整っていたわけではなかった。
空に雲はなし。まるまる青空だ。無愛想と言えばとても無愛想。
池に数羽の鴨。これから帰るのか残ったのか。
足元で微かな音。蜥蜴だった。動きは良くない。(ように思う。蜥蜴に聞いたわけではない)
近づくとさっと逃げた。しかし、逃げ切るわけでもない。こちらの魂胆を窺っている気配だ。
更に進むと、また逃げる。
もともと蜥蜴は、真夏でもそんな動きをする。こちらの様子を窺いながら逃げる。
今日の蜥蜴は、日頃よりも動きが鈍かった。逃げ足はせいぜい20~30センチ。
執拗に追ったら、姿を消してしまった。穴に逃げ込んだのだろうか。
かく言う私も同じようなもので、対処策はすべて小出しだ。抜本的なことはしない。これでいいはずはないのだが………。
先行きは知らぬがほとけ蜥蜴出づ ひよどり