都会の夜の底には、夢や希望や恋が、ひそやかに息づいていていじらしい。
一方では、暴力と金と邪悪が、隙を狙って蠢いていて、こいつには油断禁物。
女の細腕で夢を叶えた例もあれば、命がけの恋が無惨に散った例も多い。
それが都会の魅力なんだな、きっと。
短夜や都会の底の夢語り ひよどり 一平
都会の夜の底には、夢や希望や恋が、ひそやかに息づいていていじらしい。
一方では、暴力と金と邪悪が、隙を狙って蠢いていて、こいつには油断禁物。
女の細腕で夢を叶えた例もあれば、命がけの恋が無惨に散った例も多い。
それが都会の魅力なんだな、きっと。
短夜や都会の底の夢語り ひよどり 一平
ピーマンは少々騒々しいが、腹の中は空っぽだから安心だ。
胡瓜は神経質そうだが、周囲を攻撃するほどの悪意は感じられない。
南瓜はどんな見方をしても、まるでお人好し。
トマト?この頃小粒になり、ますます存在感が薄くなった。まったく気にしなくていい。
その点、茄子は悪相だ。表情は暗いし、腹の底が見えないから更にまずい。
あの形だけならまだしも、紫紺で身を飾ったから、かえってよくなかった。
もっとも、紫紺の茄子だからこそ、糠漬けが美味いんだよねェ。
悪相を恥じたる茄子の紫紺かな ひよどり 一平
私は眠るのが苦手。苦手というより、好きでない。
もちろん、寝不足の弊害は承知の上だ。だから、時間が来たら蒲団にもぐる。
そんな私でも、何かがあって眠れないと、これはこれで大問題。
そんな朝、よろよろ散歩に出たりする。いったい何をしているものやら……。
そのような朝に出合う月見草は、この上なく懐かしい。
寝不足のこんなところに月見草 ひよどり 一平
「梅雨明けした模様」という気象庁の発表。
「戻り梅雨」があっても困るので、いろいろと考えたのでしょうか。
さすがに雲は、カーブミラーからおん出て、奔放に夏を謳歌している様子。
「自由奔放に生きたい!」と言っていた若い女性の言葉が、私の頭をよぎった。
私の場合、「ふるさと」や「我は海の子」を、ふるえる小声でハミングするだけ。
夏の雲ミラーを出でて奔放なり ひよどり 一平