公園に遊具を!

2014-10-03 09:24:23 | Bicycle
ここ最近、新潟県で話題になっている加茂市の『自転車自粛要請文書』。
その内容はリンク先の加茂市の HP から確認していただきたいのだが、ネット上では大ブーイングが起きている。
彼の自転車ツーキニスト・疋田智氏や、自転車活用推進研究会・小林成基理事長がコメントするほどの大事件。(疋田氏コメント小林氏コメント

各マスコミからも記事で取り上げられ、ウチが定期購読している朝日新聞でも、県内版にこの記事が載った(2014.10.2)。



基本的においらは自転車乗りで、自転車への理解が一般の方より高い方だと思っていただきたい。
今回のこの件では、初めはおいらも『自転車乗りとして』ブーイングに加わっていたのだが、落ち着いて考えて、今は『親として』この文書を悲しく思って見ている。

数年前、おいらは自転車乗りの『意識の高い親』として、子どもに自転車に乗る時にヘルメットを被らせようと色々努力していた。

自転車は道路の左側を走る、基本は車道通行。
キープレフトの大原則を守れば、安全に走れる…でも、安全とは『ルールを守ることと併せて自分の身を守る努力をすること』で、ルールを守れば 100% 安全だとは言い切れないと思っていた。
だから、大切なわが子にはヘルメットを…。

結果は、みんな被らない。
友だちも被らないから、そんなダサいものは被らない。
特に娘らは年頃的に『格好重視』で『髪型命』。

『自転車乗りの意識が高いことが、必ずしも社会の中心的な考えではない』…子どもらの反抗は明らかにその世代を代表する行動であって、一般的な発想。
そして、その一般的な子どもたちの親のほとんどは、自転車乗りではない。

おいらがどんなに子どもを諭しても、社会一般の認識が変わらないと、自転車に対しての理解は進まない。
そう思うに至る。

おいらがまだ滋賀にいたころ…今から 10 年くらい前だろうか?
公園の回旋塔が撤去されたのを覚えている。
理由は『危ないから』。

おいらが小さい頃は、この『危ない遊具』で危ない遊びをした。
落ちて擦り傷を拵えて…なんて、しょっちゅうだった。
どこぞの親がそんな場面を見かけると『そんな乗り方したら怪我するぞー!』って叱られたけれど、大人の目を盗んで危ない乗り方をした…そっちの方がスリリングだから。
それで、このくらいならば大丈夫…とか、このスピードはヤバい…とか、小さい子がいるから手加減しないとなぁ…とか、覚えて行ったワケ。

それは…今考えれば、遊具で怪我したことを『自己責任』だと大人が指導していた時代の話。
『あんた、危ない乗り方して落ちたんでしょ?あんたが悪い!』ってね。
その大前提は『危ない』と、いつも大人に言われて、その目を盗んで危ない遊びをしていたっていう負目があること。
自転車だって、ノーヘルで坂道を下る競争してたもん…時効だから白状するけどさ。

公園の遊具が撤去されるに至るのは、大人が子どもを叱れない時代が来たからだと今は思う。
他所の子を叱れば『ウチの子に!』って、親が乗り込んでくる。
『それはダメだ!』と言えないから、危ないと分からずに、力任せに危ないことをして大怪我をする。
使い方を指導できない状態で公園に放置された遊具は危険…。

今、自転車で、キープレフトの乗り方指導ができる親御さんは…ハッキリ言ってほとんどいない。
加茂市の自転車自粛の一件は、公園の遊具撤去に良く似ている。

自転車ばかりが今回話題になっているが、この背景は『指導できない大人の存在』が大きいとおいらは思う。
まず、大人がルールと危険性を良く理解し、身を守るとはどういうことかを良く考えなければならない。
『危ない!』と思うことを理解し、それを子どもらに伝えること。

まず、擦り傷を拵える程度の遊具を公園に復活させること。
そのそばで、大人たちは『危ないぞー!』と声を出し続けること。
そして、怪我する子どもたちに『だから、危ないって言ってただろ!』って、自己責任を伝えること。

自転車は、その先にあるもっともっとレベルの高い話。
公道で接触があれば、『それ見ろ!危ない乗り方しているから、ぶつかったじゃないか!』なんて言うレベルでは済まされない大事故が待っている。
大人が『公園レベル』で指導できないようでは、『公道で怪我しない』なんてムリ。

ついに自転車自粛まで話が進んでしまった。
その根っこは、社会が子どもを育てる感覚の欠如。

だからさ、おいらは公園に遊具を…と思う。
あえて怪我させる環境を、それを見守り、叱ることができる世の中を…と思う。

理想論かもしれないけれど、今回の一件を、おいらはこんな風に苦々しく見ているのだ。

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