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旧加納町役場取壊し

2016-01-11 21:16:22 | スタッフ日記
 大正時代の洋風建築で、国の登録有形文化財に指定されている岐阜市加納本町の旧加納町役場の建物が、本年度中に取り壊されることになりました。

老朽化が著しく倒壊の危険がある上、改修には多額の費用がかかることから、市が決めた。旧中山道沿いに発展した加納地区の象徴的存在が、姿を消す事になります。

 鉄筋コンクリート二階建てで、延べ床面積五百平方メートル。アーチ型の窓や左右非対称の外観など、欧州の建築様式を取り入れています。

 国会議事堂のデザインで知られる旧京都帝大の武田五一教授(一八七二~一九三八)が設計し、一九二六(大正十五)年に完成。かつて中山道の加納宿としてにぎわった加納地区の中心にあります。


 旧加納町が四〇(昭和十五)年に岐阜市と合併すると、市加納支所に。戦時中の岐阜空襲でも、焼失を免れた。終戦後は一時、進駐軍が使用。八五年からは、市学校給食会が事務所として使いました。

 二〇〇五年に登録有形文化財となりましたが、耐震強度が不足していることから、〇七年五月からは使用禁止となっていました。

 地元住民でつくる団体は、加納地区の歴史を伝える貴重な建物として保存、活用を市に求めていました。ただ、市によると、鉄筋の腐食は進み、外壁の一部は崩落している。修復には数億円の費用がかかるといわれ、取り壊しが決まりました。

 跡地利用の詳細は決まっていませんが、市は地域住民の交流や、観光案内の拠点となる施設整備を検討しています。

 本年度中の取り壊しが決まった旧加納町役場前で十二月三十日夜、「さよならイベント」がありました。ライトアップされた建物の前で、住民五十人が「ほたるの光」や「ふるさと」を歌いました。

 地元の加納まちづくり会が企画した。玄関前には、ろうそくのほか、加納特産の岐阜和傘も飾られました。近くにスクリーンが置かれ、かつて撮影された外観や内装の写真が紹介されました。