浄土真宗本願寺派 法徳寺ブログ

神奈川県厚木市にある浄土真宗本願寺派(西)のお寺です。
永代供養墓10万より受付中です。

柔軟心が大事

2023-06-10 10:57:59 | 日記

私が、副住職となった、30年程前、夫婦間で、「同じ墓に入りたくない」というのは、笑い話のような扱いでした。そんなこと、いくら、生前、仲が悪くても、許されるわけないだろう。ところが、今は、それほど、珍しいことでもありません。ご主人は、実家の先祖の墓、奥様は、樹木葬や永代供養墓がいい。その逆もあります。樹木葬や永代供養墓は、個人のお墓であります。特に、永代供養墓は、将来、どのようなことになっても、柔軟性があります、樹木葬は、土に埋葬しますので、柔軟性に優れているとは限りません。永代供養墓は、一体のお骨を入れる事に、費用が発生するのです、そして、そこで、完結します。例えばの話、その後、子供さんが、一緒に入ることも出来るし、入らなくても良いのです。そして、もし、事情が変わったら、永代供養墓より、お骨を出して、他に移すことも可能です。これからの時代、何がおこるかわかりません。私が、一つ、心配するのは、苦労して多額のお金をかけて、故郷から、都会の霊園にお墓を移す方が多いのですが、ところが、その後、お墓を守ってくれると期待していた子供さんが、どこにいくのかわかりません。外国に行くかもしれないし、もしかしたら、逆に、故郷の近くに転勤になるかもしれません。そうしますと、せっかく、お墓を移したのに、また、移すことも考えなくてはいけなくなります。皆さんに、心配をさせてしまい、申し訳ないのですが、事実です。コロナ過となり、葬儀のあり方もひっくり返りました。少しでもそのようなリスクを避けるためにも、柔軟心(にゅうなんしん)が大事なのです。よく、柳の木に喩えられます。頑丈な木の枝は、強風には弱いものです。柳は、強風に、ただゆらゆらと、揺られるだけで折れたりしません。心が柔軟でないと、視野が狭くなり、心が折れやすくなります。大切な家族を亡くされて、これからの事を考えると、あまりに、やることが多すぎて、心を病んでしまう方が多いのです。でも、一つ一つゆっくりと、片付けていけばよいのです。お骨を数年、自宅に置いておかれるのだって、まったく、問題ありません。考えて、考えて答えが出ないことは当たり前です、私たちには、何がベストな選択など、分からないのですから、そんな時は、しばらく、ほっときましょう。「どうにかなる」という柔軟心は、リスクや困難を乗り越えるカギです。


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