Dr. WAKASAGI at HEI-RIVER(閉伊川ワカサギ博士)

森川海をつなぐ学び合いの活動を紹介します

アメリカ合衆国での「津波と水圏環境教育」市民対話

2011-06-26 | 水圏環境教育
本日より,アメリカ海洋教育者学会の参加・発表と水圏環境教育の教育研究を目的に滞在している。「津波と水圏環境教育」のワークショップをバークレー市民と実施した。もちろん,アメリカ滞在は研究が大きな目的であるが,研究とともに大切な事は研究のプロセスを市民と分かち合うことである。

今回の参加者は,バークレー市周辺に住む,弁護士,アーティスト,大学院生,テラピスト等総勢10名ほどであった。

私の方からは,「水圏環境教育」の理念と,震災クライシスを乗り越えていくためにいかに水圏環境教育の理念が大切であるかを説明をした。その後,震災について意見を交わした。

アメリカの市民は日本の被害状況と政府対応の一挙手一投足を具体的に理解していた。口々に,今回の政府対応が問題なのではなく,一番の問題は市民がどれだけ認識を高めることが必要である,という視点が欠落していたということである。

日本の伝統的な教育のスタイルや組織のあり方はそのままで,平成政治改革以降,弱い立場に立ったもの見方が欠落してしまったこと,したがって歪みが生じ様々な問題が発生した。これを解決するためにはボトムアップ型のガバナンスの体制を作ることが必要であると意見が出された。

地域住民の一人ひとりが身近な地域の課題や連帯意識を高め,地域の問題について話し合い考える事,正しい理解をした上で責任ある決定や行動をすること,そしてこれらのことを訴えていくこと,そうしたシステムを構築していくことこそが,これからの日本に一番求められるものであるという水圏環境教育の理念に賛同の声があがった。

アメリカの市民は日本の原発問題を大変心配しているようである。今回集まったバークレー市民は,何とか,日本人の皆さんが健康でいられるように,政府の対応を待つのではなく,自分たちが自ら観察することはもちろん,世界からの情報を取り入れて行動してほしい,強く語っていた。