オバマさん、こっちに向ってますねー。TPPをまとめる気がないとか、このアジア歴訪で最重要地はフィリピンだとか、いろいろ書こうと思たんやけど、もうちょっと待って書いた方がいいですねー。いろいろと「だーいどんでんがえしぃー」があるかもですから・・ないでしょうけど。w とりあえず、日本政府が彼を銀座の寿司屋に誘ったのは功を奏したようです。今、韓国とマレーシアはフェリーと航空機の事故で暗い雰囲気でしょうから、美味しいもの食べてそれなりの政治交渉が出来るのは日本くらいだもんなぁ。
別に新しいニュースじゃないんですが、最近少し話題になったので酵母の遺伝屋としては無視できませぬ。ビール酵母のお話♪
Scientists firm up origin of cold-adapted yeasts that make cold beer (PHYS.ORG)
ビール酵母の故郷(サイエンスあれこれ)
ビール酵母の話しなんですが、下面発酵酵母(独逸)と上面発酵酵母(英国)の二種ありますけど、独逸タイプSaccharomyces carlsbergensisの方。名前の通り、カールスバーグのビールで見つかった酵母です。500年前くらい前まで遡れそうなんですが、僕はもっと前だと思います。根拠ないですけど。500年はちくと短いと感じる。特徴としては低温で醗酵できるというところ。ラガーの醸造では重要な性質です。本来の出芽酵母はSaccharomyces cerevisiaeと言うんですが、carlsbergensis君はcerevisiaeとbayanusの雑種、つまりハイブリッド・・・と、このブログでは以前から語ってきました。それが、最近の記事を見るとeubayanusと記述されてたんです。自分が学んだことが間違ってたのかとショックだったのですが・・・bayanusを最近はeubayanusと呼ぶなんて知らんかったとです。しかも、carlsbergensisも偉大な微生物学者ルイ・パスツールにちなんでpastorianusという学名になってることに気がつきました。分類学の世界って、けっこう保守的なのにころころ変化が大きいのです。
んで、eubayanus君は欧州の酵母かというと、そんなこと無くて南米はパタゴニアの酵母なんです。サイエンスライター神無久さんのブログ『サイエンスあれこれ』によると、eubayanusのゲノムはcarlsbergensisのゲノムのうち、cerevisiae由来ではない部分と実に99.5%一致。異なっていた0.5%の部分は、主に糖の発酵に関わっており、ビール発酵に最適化される中で変異した部分と考えられるらしい。糖の醗酵に関わる遺伝子群はどれも染色体の端っこにあるから組み替えられやすいんでしょう。たぶん。問題はパタゴニアの酵母eubayanus君がどういうルートで欧州に渡ったかですが、欧州はもとより、北米や日本でも天然には見つかっていないんで、よくわかりません。コロンブスより前の南米大陸と欧州の交流を解明する鍵になるかもです。
近縁種との雑種は微生物だけの話しかというとそうではありません。我々のゲノムにも太古の昔に交雑したネアンデルタール人の遺伝子配列が残っています。
ネアンデルタール人は小集団で生活か(ナショナルジオグラフィック 公式日本語サイト) - goo ニュース
人類の祖先はアフリカを出てユーラシア大陸に出た時にネアンデルタール人と出逢ったそうでして、ネアンデルタール人のことを調べると今の人種のこととかが分かってくるかもしれません。近代の我々人類の歴史には、人種差別という忌まわしい『キズ』が残っているので微妙なんですが、科学は科学として受け止めて研究すべきです。現代のホモ・サピエンスは一属一種で分類学上、興味深い大型ほ乳類であることは事実なんです。ゲノムデータも大量にあるし♪
世界のいろんな地域のネアンデルタール人でゲノム配列を比較すると多様性が現生人類よりも少なく、比較的孤立した集団でいたらしい。また、心臓の健康や代謝、肌や髪の色を左右する遺伝子も欠如していて、このような変異を獲得した結果、 多様な人種が生まれたのかもかもしれないそうです。さらっとした直毛なんか、どっちかというとネアンデルタール人側からきたとか・・・どっかで書かれてたと思う。ちゃんと覚えてないけど。
本日のお酒:KIRIN 一番搾り STOUT + 菊正宗 梅冷酒 + 菊姫 淳
別に新しいニュースじゃないんですが、最近少し話題になったので酵母の遺伝屋としては無視できませぬ。ビール酵母のお話♪
Scientists firm up origin of cold-adapted yeasts that make cold beer (PHYS.ORG)
ビール酵母の故郷(サイエンスあれこれ)
ビール酵母の話しなんですが、下面発酵酵母(独逸)と上面発酵酵母(英国)の二種ありますけど、独逸タイプSaccharomyces carlsbergensisの方。名前の通り、カールスバーグのビールで見つかった酵母です。500年前くらい前まで遡れそうなんですが、僕はもっと前だと思います。根拠ないですけど。500年はちくと短いと感じる。特徴としては低温で醗酵できるというところ。ラガーの醸造では重要な性質です。本来の出芽酵母はSaccharomyces cerevisiaeと言うんですが、carlsbergensis君はcerevisiaeとbayanusの雑種、つまりハイブリッド・・・と、このブログでは以前から語ってきました。それが、最近の記事を見るとeubayanusと記述されてたんです。自分が学んだことが間違ってたのかとショックだったのですが・・・bayanusを最近はeubayanusと呼ぶなんて知らんかったとです。しかも、carlsbergensisも偉大な微生物学者ルイ・パスツールにちなんでpastorianusという学名になってることに気がつきました。分類学の世界って、けっこう保守的なのにころころ変化が大きいのです。
んで、eubayanus君は欧州の酵母かというと、そんなこと無くて南米はパタゴニアの酵母なんです。サイエンスライター神無久さんのブログ『サイエンスあれこれ』によると、eubayanusのゲノムはcarlsbergensisのゲノムのうち、cerevisiae由来ではない部分と実に99.5%一致。異なっていた0.5%の部分は、主に糖の発酵に関わっており、ビール発酵に最適化される中で変異した部分と考えられるらしい。糖の醗酵に関わる遺伝子群はどれも染色体の端っこにあるから組み替えられやすいんでしょう。たぶん。問題はパタゴニアの酵母eubayanus君がどういうルートで欧州に渡ったかですが、欧州はもとより、北米や日本でも天然には見つかっていないんで、よくわかりません。コロンブスより前の南米大陸と欧州の交流を解明する鍵になるかもです。
近縁種との雑種は微生物だけの話しかというとそうではありません。我々のゲノムにも太古の昔に交雑したネアンデルタール人の遺伝子配列が残っています。
ネアンデルタール人は小集団で生活か(ナショナルジオグラフィック 公式日本語サイト) - goo ニュース
人類の祖先はアフリカを出てユーラシア大陸に出た時にネアンデルタール人と出逢ったそうでして、ネアンデルタール人のことを調べると今の人種のこととかが分かってくるかもしれません。近代の我々人類の歴史には、人種差別という忌まわしい『キズ』が残っているので微妙なんですが、科学は科学として受け止めて研究すべきです。現代のホモ・サピエンスは一属一種で分類学上、興味深い大型ほ乳類であることは事実なんです。ゲノムデータも大量にあるし♪
世界のいろんな地域のネアンデルタール人でゲノム配列を比較すると多様性が現生人類よりも少なく、比較的孤立した集団でいたらしい。また、心臓の健康や代謝、肌や髪の色を左右する遺伝子も欠如していて、このような変異を獲得した結果、 多様な人種が生まれたのかもかもしれないそうです。さらっとした直毛なんか、どっちかというとネアンデルタール人側からきたとか・・・どっかで書かれてたと思う。ちゃんと覚えてないけど。
本日のお酒:KIRIN 一番搾り STOUT + 菊正宗 梅冷酒 + 菊姫 淳