追悼 植木等 「ニッポン無責任時代」

植木等さん死去　８０歳　「無責任男」で一時代(朝日新聞) - goo ニュース

昨年の青島幸男の後を追うように植木屋が逝った。
名言「わかっちゃいるけどやめられない」と青島幸男が作詞をしてそれを歌う植木等。

この映画では平均（たいらひとし）。平均的サラリーマンとはおよそかけ離れたキャラクターのC調ぶりは痛快でめちゃくちゃ、見ていて元気が出る。そう、あの頃の日本は本当に元気だったんですね。
お茶の間のシャボン玉ホリデーやかくし芸で子供の頃から親しんではいたけれど、20代になってリバイバル上映で見た、この「ニッポン無責任時代」に尽きます。
日本喜劇映画の金字塔。

実際の植木等は役柄からは想像も出来ないマジメ人間で、無責任男を演じる事に苦悩があったという話は有名。
それなのにあそこまで無責任で、それでいて愛すべきナイスガイという役所は植木等のイメージそのものになった。稀有な天才ではないだろうか。
植木等の喜劇人としての価値はやはり歌にあると思う。本格的な音楽バンドだけに歌は見せ所だ。美声と両手を広げてジャンプするなどの振り付けはこの映画でも十二分に楽しめる。
「無責任一代男」、「スーダラ節」、「はい、それまでよ」、「五万節」、「どんと節」・・・
どれもカラオケで歌いまくってたもんです。

あまりの傑作ぶりにβではあるけれどビデオソフトを所有しているくらい大好きな映画。クレイジーのPVとしても楽しめる。取引先の社長、由利徹と芸者をあげる後半も圧巻！
その後も「ニッポン無責任野郎」などクレージー映画は作り続けられるが、1作目を超える事はなかった。

また、観たいものです。どこかで追悼放映しませんか。

「会社は何時から始まってると思っておるんだ」
「おおむね、9時頃でしょうかね」

この「おおむね9時頃」って言うのが大好き。

1962年　監督：古沢憲吾　東宝

しめっぽくならずに・・・ご冥福を祈ります・・・