JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「三三 三十三歳 三夜 三席 三宅坂」 第三夜

2008-06-05 | 落語
記念すべき三づくしの独演会の第三夜。最終日

場内に入ると渡されるパンフレット

今日の「三」其の参

何やら意味深でもったいぶった言葉が・・・

「もっと大きな感謝は・・・、あとで」
「理由は・・・、あとで」

サプライズは中入り後
緞帳が上がると、前座なしの独演会で「柳家三三」のままめくられる事がないはずのメクリに書かれた名前

「立川談春」

場内どよめきから大喝采。

実はこの三夜の企画発案者は談春との事。
「33歳にちなんだイベントをやらない手はないだろう。三三 三十三歳 三夜 三席 何か三の付く噺をやれ!」
自信なさそうな三三にチケット完売を請け負ったとか。
このあたり、まさに談志家元譲りで嬉しくなります。

三三のゲスト出演依頼を快諾。条件は当日まで秘密のサプライズにする事。理由は、「場内のどよめきを聞きたいから」
ここらは談春らしい。

最近、めっきりチケットが取りにくくなって、面倒くさいのでご無沙汰していた談春の出演。今日はとっても得をした。
談春師ちょっと見ないうちにすっかり風格が備わったように思えました。

「だくだく」
「三味線栗毛」

中入り

「おしくら」 立川談春
「笠碁」

冒頭の先生との会話、泥棒が目を擦る所が面白い「だくだく」を楽しく聞かせ
「三味線栗毛」
この噺は滅多に聞く機会がありません。先代の柳朝で1回聞いた事があるけどまったく憶えていません。内容は書物などから得たほんのわずかな知識のみ。
栗毛の馬に乗る地口の落ちをプロローグに持ってきてから、酒井雅楽頭(さかいうたのかみ)という大名の末子の角三郎と按摩の錦着との話へ。
病魔に冒され、「今日から検校だぞ」という角三郎の言葉が届いたか届かないか命果てる錦着・・・と、悲劇の話になっている。
それだけにラストシーンが効いている。パンフレットによると兄弟子の喜多八師の発案だとか。
この噺は最近の噺家さんたちがいろいろな演じ方で高座に掛けているようです。

談春はお馴染みの三人旅から「おしくら」
「伝統を現代に」と言っても向き不向きがある。伝統を守るやつも居なきゃいけない。と師匠に言われた時はショックだったと。早くその分野を後輩の三三に譲りたいって・・・
今日もじょうごの娘がめんこい。

「笠碁」と言えば先代柳家小さんだった。その頃は碁仇の楽しい噺という印象だけだったこの噺。実に良い噺ではないかと思えたのは立川談志の「笠碁」を聞いてから。以来、好きな噺になりました。
33歳の三三の演じる隠居の碁仇。子供の頃からの友達で、碁になるとまるで子供に帰ってしまう。普段は隠居で番頭や嫁、孫、に小言を言っている老人の様子が良い。このサゲがまた実に秀逸。もっと納得性のあるサゲに改良したがる動きもあるけど、本来のこのサゲの方が好き。
奇しくも初日に梅雨入りしたこの会。雨男三三、三十三歳のトリネタに相応しい噺でもありました。

下がる緞帳を再度上げさせて、スタッフ、観客その他に感謝の言葉を述べる三三。
「またこのような満足いただける企画を演ります。」と、
「でも、もう三席は止めておきます。七日連続でやる方の気が知れません。」



落語の世界はいつしか談春の時代になった。それを追う三三。
柳家三三のこれからは間違いなく楽しみ。

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