JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「エノケンのとび助冒険旅行」

2007-03-02 | 映画(DVD)
エノケンが昭和45年この世を去った時「エノケンなんか知らないよ」という一文を書いたのは小林信彦氏だが、私のように若い(笑)人にてとっては本当に「知らないよ」だ。
病気で足を切断、義足となったおじさんがかつては日本の喜劇王と言われ人気を博した事を親から聞かされてもピンとこない。
映画もずいぶん残っているのだろうけど、なまじ残っているだけに喜劇王の悲劇があるのかもしれない。

とにかく古い映画です。1949年 監督:中川信夫

人形遣いのとび助。無銭で人形劇を見ていたお福という少女。彼女は母親と生き別れ、その母親は富士に居ると聞き、とび助とお福の旅が始まるが、行手にはさまざまな妖怪が立ちはだかり・・・

現在の怪奇、妖怪映画の原点という見方も出来るかもしれないけれど、エノケンのちょんまげがおっ立つというギャグが繰り返され、古いと言ってもやはりお寒い。
この映画だけではエノケンの凄さはわからないんでしょうね。少なくとも私には・・・

現代にも通用(?)するエノケンはやはり歌い手としてのエノケン。
独特な息苦しそうな発声による名曲の数々はCDになって発売されているので、是非じっくり聞いて、そして覚えて自分で歌ってみたいとまで思わせます。(昨年聞いた前田隣のステージは良かったなぁこれ
この映画でも歌を披露してくれていますが、うーむ、これも魅力満点とまでは行かない。

しかし、調べるとこの映画、子供達には無縁だった映画の世界に「子供たちのために夢と冒険とロマンを」とエノケンが製作した作品だそうです。
日本のファンタジー映画の元祖と観れば貴重で価値も見えてくる。
なにしろスタジオセットは美術さん大活躍の書割中心でチープな中にも良い雰囲気。後半続々と登場する妖怪、魑魅魍魎。俄然冒険活劇の様相を呈してきて面白い。

今では子供向けの映画はディズニーを始め実に多くなって、何時の時期でも幾つかの中から選択できる。ちょっと迷ってしまうので困り物。元はといえばエノケンさんが製作したこの子供向けファンタジーから始まったのですね。

雲をつくような鬼さん登場。しかし、その後エノケン、お福ちゃんとの追っかけになる際には何故か人間大になっていて笑えました。

エノケン。映画で観るなら「ちゃっきり金太」「どんぐり頓兵衛」あたりだそうです。

ずいぶん前に友人から借りっぱなしになっていたビデオにて。




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