中国語学習者のブログ

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温家宝首相、2009年を総括

2010年01月07日 | 中国ニュース
 あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
 さて、新春第1回は、12月末に人民日報が行った温家宝首相への取材の記事を取り上げたいと思う。温家宝さんの話は、含蓄があり、故事成語や古典のことばをうまく使って、非常に勉強になる。この記事も、短い中にいろいろなことばが使われ、おもしろかった。

人民時評:温総理“年終小結”,房価物価最牽民心  郝 洪
 2009年12月29日 来源:人民網-観点頻道
~人民時評:温総理「年末総括」、不動産価格と物価が民心の最大の関心事

 12月27日下午,中共中央政治局常委、国務院総理温家宝在中南海紫光閣就当前経済形勢、明年経済工作和其他問題接受了記者採訪。歴時100分鐘的訪問,総結一年政府工作。無論是分析中国応対全球金融危机之策,還是医改、戸籍改革、房価、物価等民生問題,温総理一年“小結”背后,是中央政府的“執政為民”的理念和思路。

● 小結 xiao3jie2 中間のまとめ。中間総括(をする)。
● 背后 bei4hou4 背後。陰(で)
● 思路 si1lu4 (文の)構想。考えの筋道

[訳]12月27日午後、中国共産党中央政治局常務委員、国務院総理、温家宝は中南海紫光閣で当面の経済情勢、来年の経済対策、その他の問題について、記者の取材を受けた。100分間にわたる訪問で、一年の政府の仕事を総括した。中国のグローバル金融危機への対応策を分析するにせよ、医療改革、戸籍改革、不動産価格、物価等の民生問題にせよ、温総理の一年の「総括」の背後にあるものは、中央政府の「人民のために政治を執り行う」という理念と考えである。

 執政為民,首先是要了解民情,直面現実。温総理説,応対金融危机一攬子計画,大部分従基層得来。這句話説起来容易,做起来難。中央政府一直唱導官員要沉到基層去,但是,官員下基層調研容易流于形式 ― 一些基層干部安排好訪問路線和人群,官員所聴非所問,民情民意伸手可及,却可能隔着層毛玻璃。温総理説政策従基層来,怎麼来?首先是要腿勤,金融危机以来,温総理到外地考察次数有36次,而且常常是利用周末和節假日;其次,是要打砕這層毛玻璃,是要“聴真話”,楽于聴民衆訴苦,聴企業談困難。政策措施本来就是為了応対問題,如果“形勢一片大好”,不存在危机和風険,我們何必調整政策,又為何要出台応対措施?

● 一攬子計画 yi1lan3ziji4hua4 一括した計画。一攬子:なにもかもごちゃまぜにする。一括する。[用例] 一攬子交易:抱き合わせ取引。一攬子拿:つかみ取り。まとめてひと山いくらで売ること。
 ※応対金融危机一攬子計画は、金融危機に対し、中国政府が矢継ぎ早に打ち出した、家電や自動車の農村普及策など、内需拡大を狙った経済政策を指す
● 基層 ji1ceng2 (組織の)末端。現場
● 伸手可及 shen1shou3ke3ji2 手を伸ばせば届く
● 毛玻璃 mao2bo1li =磨砂玻璃 すりガラス
● 腿勤 tui3qin2 足まめである

[訳]人民のために政治をするには、先ず人民の状況を理解し、現実に直面しなければならない。温総理によれば、金融危機に対応する一括計画は、大部分が現場から得たものだという。これは言うのは簡単だが、行うのは難しい。中央政府はずっと役人は現場に行けと提唱してきたが、役人の下層や現場の調査研究は形式に流れやすい―何人かの現場の幹部が訪問路線や訪問者を手配してしまい、役人が聞くのは問うところではなく、民情民意は手を伸ばせば届くのに、すりガラスで間を隔ててしまう可能性がある。温総理が説く政策は現場からのものだが、どうしたのか。先ず、足まめでなければならず、金融危機以来、温総理の外地への考察回数は36回に及び、しかも常々週末や祝祭日を利用している。その次に、すりガラスを打ち破らなければならず、「本当の話を聞か」なければならず、民衆の苦しみの訴えを聞いたり、企業が困難を訴えるのを聞くことが好きでなければならない。政策措置は本来問題に対応するためのもので、もし「情勢が全て良く」、危機やリスクが存在しないなら、私たちはどうして政策を調整したり、出向いて措置を講じる必要があるだろうか。

 執政為民,当属民生問題最重,是強調衆生平等,尊重民生権利。温総理接受記者採訪的100分鐘里,毎一個問題的回答都是囲繞民生問題展开,這既是一年来中央政府工作之重,也是国家発展的立足点。民生問題,千頭万緒,帰結成四個字,就是“公平、公正”― 応対房価上漲,政府応做到四件事;医改的五個環節;戸籍改革的意義和思路等等,皆是在保障低收入人群生活基礎上,平衡好社会各階層的利益訴求。

● 衆生 zhong4sheng1 衆生。生きているものすべて。芸芸yun2yun2衆生:生きとし生けるもの
● 立足点 li4zu2dian3 立脚点。立場。足がかり
● 千頭万緒 qian1tou2wan4xu4 [成語]考えや物事が雑然としているさま。事柄が入り乱れているさま。
● 帰結 gui1jie2 まとめる。総括する

[訳]人民のため政治を行うとは、民生問題を最も重要とし、生きているものすべての平等を強調し、民生の権利を尊重することである。温総理が記者の取材を受けた100分間に、ひとつひとつの問題の回答は民生問題をめぐって展開され、これはこの一年の中央政府の仕事の重点であっただけでなく、国家発展の足がかりである。民生問題は、いろいろごちゃごちゃしているが、四文字に総括できる。つまり、「公平、公正」である ― 不動産価格の値上がりに対応するのに、政府は四つのことを行わねばならない。医療改革の五つの部分、戸籍改革の意義と考え方等、皆、低収入の人々の生活を保障する基礎の上に、社会の各階層の利益の訴求に対しバランスをとるようになっている。

 執政為民,不是自我鑑定,需要歴史検験和人民評価。在談及一年来中国応対金融危机的成績時成,記者問温家宝総理,您対中国応対国際金融危机能打多少分?您最満意的是什麼?最遺憾的又是什麼?温総理用了“心里感到慰藉”這一句相当平淡的評価。因為,雖然“我們穏住了経済、穏定了就業,保持了社会安寧”,但是“金融危机還没有過去,許多工作還没有結束”,対這“驚心動魄”的一年,“現在打分還為時過早”。温総理這句話不是謙虚之詞,而是対社会発展規律的清醒認識。政府是為民衆服務的,只有得到最広大民衆認可的成功,才是豊功,只有経得起歴史的反復検験的成績,才是偉績。一個負責任的政府,不僅能在危机来臨時処変不驚,有胆識、有智慧、有勇气直面困難,還能在面対成績時不驕不躁,不迷失于賛揚之声,不沉湎于頌歌的海洋。

● 慰藉 wei4jie4 慰謝(慰藉)する。慰める
● 平淡 ping2dan4 (事物や文章が)変化に乏しい。平板である。恬淡(てんたん)とした
● 驚心動魄 jing1xin1dong4po4 [成語]手に汗を握る。はらはらする
● 豊功 feng1gong1、 偉績 wei3ji4 豊功偉績:[成語]偉大な功績。只有~才是豊功、只有~才是偉績と、ふたつの繰り返しのフレーズに分けひとつの成語を使い、強調する効果を出している
● 胆識 dan3shi2 胆力(度胸)と識見
● 沉湎 chen2mian3 おぼれる。耽溺(たんでき)する
● 頌歌 song4ge1 頌歌(しょうか)。賛歌。ほめたたえる歌

[訳]人民のために政治を行うことは、自己評定ではなく、歴史の検証や人民の評価が必要である。この一年の中国の金融危機への対応の成果に話が及んだ時、記者は温総理に、あなたは中国の国際記入危機への対応に何点をつけられるか、あなたが最も満足していることは何か、また最も遺憾に思っていることは何か、と質問した。温総理は「心では(よくやったと自分を)なぐさめたい」ということばを用いたが、これはかなりあっさりした評価である。なぜなら、「私たちは経済を安定させ、雇用を安定させ、社会の安定を維持した」けれども、「金融危機はまだ過ぎ去っておらず、たくさんの仕事がまだ終わっていない」、この「手に汗にぎり、はらはらした」一年を、「現在点数をつけるのはまだ時間が早すぎる」。温総理のこのことばは謙遜ではなく、社会発展の法則に対する冷静な認識である。政府は民衆のために奉仕するものであり、最も幅広い民衆に認められた成功こそ、大きな功績であり、歴史上何度も繰り返し検証された成果こそ、偉大な業績である。ひとつの責任ある政府として、危機に臨んで突然の変化にも驚かず、度胸と見識を持ち、勇気を持って困難に直面できるだけでなく、成果に対し驕らずあせらず、賞賛の声にも自分を見失わず、賞賛の大海原に溺れてしまわないでいることができる。

 温総理年終答記者問,算是一年里的政府“小結”,篇幅不長,言語間却飽含深情。従這些平実的話語間,我們聴得見政府責任的承諾,聴得見対未来的信心。“勝非為難,持之為難”,這句話既是対民衆的鼓励,更是政府的自我鞭策 ― 執政為民,確立思路易,為之鞠躬尽瘁、殫精竭慮難,而這,在新的一年和更長遠的未来里需要政府持之以恒、堅持不懈地努力。

● 平実 pingshi2 素朴である
● 鞠躬尽瘁 ju1gong1jin4cui4 [成語]献身的に力を尽くす
● 殫精竭慮 dan1jing1jie2lv4 [成語]精力や思慮の限りを尽くす
● 持之以恒 chi2zhi1yi3heng2 [成語]根気よく続ける。あくまでもやり通す
● 堅持不懈 jian1chi2bu4xie4 うまずたゆまずやる。

[訳]温総理の年末の記者の質問への回答は、一年間の政府の活動の「総括」といえるが、ことばの長さは長くないけれども、言間に深い気持が溢れている。これらの素朴なことばの間から、私たちは政府の責任への承諾を聞くことができ、未来への自信を聞くことができる。「勝利することは難しくないが、それを維持することは難しい。」このことばは民衆への励ましであるだけでなく、政府自らの鞭撻である。― 人民のために政治を行うことは、その考えを確立することはたやすいが、そのため献身的に力を尽くし、精力や思慮も限りを尽くすのは難しい。そしてこれは、新たな一年やもっと先の未来に政府が根気よく続け、倦まずたゆまず努力しなければならないことである。

 「勝非為難,持之為難」。「持之以恒、堅持不懈地努力」。私もこれからの一年、このことばのように、地道に目標に向け、努力を続けたいと思う。


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