中国語学習者のブログ

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中国語文法・標点符号(文章記号)の作用と使い方(2)

2010年06月11日 | 中国語
                  三、標点符号と文の構造

 “標点符号”と文の構造との関係は、だいたい三つの情況に分けられる。一つ目はある文章構造の中では、ある“点号”(句読点やコロン、セミコロンを総括してこう呼ぶ)は使えない。二つ目はある文章構造の中では、必ずある“点号”を使わなければならない。三つ目はある文章構造の中では、ある“点号”を使うことができるが、一定の条件がある。注意する必要があるのは三番目の情況である。ここで言う条件は、構造上のものもあれば、修辞上のものもあるが、ここでは前者を重点的に話をする。

(一)文の各部分の間の“点号”

 文の各部分の間に使用できるのは、“逗号”(コンマ。読点。句読点。“,”)、“分号”(セミコロン。“;”)、“冒号”(コロン。“:”)である。“逗号”を使う機会が最も多く、“冒号”がそれに次ぐ。

 主語と述語の間には“逗号”を使うことができる。もし述語を前に持っていく場合は、必ず“逗号”を使わなければならない。例えば:
(1)出来呀,你!

 主語が前にあり、後ろに“逗号”を用いるのは、しばしば主語を突出させるためである。述語を前に置き、後ろに“逗号”を用いるのも、述語を突出させる作用がある。もし主語が長すぎたり、述語の構造が複雑である場合、閲読を便利にするため、“逗号”を使わなければならない。例えば:
(2)推広全国通行的普通話,是関係到建設物質文明和精神文明的必不可少的措施。

 動詞と賓語の間には一般に“逗号”は用いないが、賓語が比較的長い主述句(主謂詞組)の場合、“逗号”を用いて間を空ける場合がある。例えば:
(3)我們高興地看到,上海市五百多个青年科技団体,在人才培訓、経済建設、学術交流等方面都発揮了重要的作用。

 賓語を突出させたい場合は、“逗号”の代わりに“冒号”を用いる。例えば:
(4)近十多年来的実践証明:我們的文化教育工作是取得很大的成績的。

 このような用法の“冒号”は、動詞“是”の後ろ、及び総合的な提示成分の語句の中間に用いることができる。例えば:
(5)八股文章的第一条罪状是:空話連篇,言之無物。
・空話連篇 kong1hua4lian2pian1 無意味な言葉を際限なく並べたてる
・言之無物 yan2zhi1wu2wu4 文章や言葉の中身が空っぽである

(6)先頭部隊按原定計劃兵分両路:一路向東,一路向南。

(二)結合句(聯合詞組)の中の“点号”

 結合句の(“聯合詞組”)各成分の間に顕著な停頓が無ければ、間に“点号”を使わない。例えば、“工農業”は“工、農業”とは書かないし、“貧下中農”は“貧、下中農”とは書かず、“青紅白”は“青、紅、、白”とは書かない。
・ zao4 黒色。“白”:黒と白。是と非。“不分白”:是非をわきまえない

 もし間に明確な停頓がある場合、“頓号”(読点。“、”)或いは“逗号” (コンマ。“,”)を使うことができる。“頓号”を使うか“逗号”を使うかは、主に並列する各項の語句の長短、停頓の大小に基づく。例えば:
(7)獅、虎、豹、狼是公园中猛獣類的主要品種,是很多人想看看的動物。
(8)回家去看望自己的爹爹、媽媽、爺爺、奶奶。
(9)刀子,叉子,玻璃酒杯,大大小小的花瓷盤子,都放出晃眼的光。
・晃眼 huang3yan3 まぶしい。まばゆい

(10)水果攤上有桔子、蘋果、香蕉。
(11)水果攤上有桔子啦,蘋果啦,香蕉啦。

 例(7)と例(8)は、結合句の中の並列する各項が比較的簡単で、“頓号”で間を空けている。例(9)は並列する各項が比較的長く、したがって“逗号”を用いている。例(10)と例(11)の並列する各項は比較的簡単で、例(11)の並列する各項の間には比較的大きな停頓があり、そのため“逗号”を用いている。

 並列する各項に階層がある場合、いくつかの“頓号”は“逗号”に昇格する。例えば:
(12)米、麦、棉花、化肥、煤炭,這些都是要加緊生産的。

(三)クローズ(“分句”。節)の間の点号

 クローズの間には多く“逗号” (コンマ。読点。句読点。“,”)が用いられ、“分号”(セミコロン。“;”)が用いられることもある。セミコロンの使用の主な目的は、段落を明確にするためで、時には字義の誤解を避けるため、或いはあるクローズの独立性を強調するためである。具体的に言うと:

 第一、二層以上の複文で、第一層が並列関係にあるが、この並列関係を接続詞により表示しない時、セミコロンを用いなければならない。例えば:
(13)掌柜是一副凶臉孔,主顧也没有好声气,教人活撥不得;只有孔乙己到店,才可以笑几声,所以至今還記得。
(14)但他在我們店里,品行却比別人都好,就是従不拖欠;雖然間或没有現銭,暫時記在粉板上,但不出一月,定然還清,従粉板上拭去了孔乙己的名字。

 第二、段落が一つだけの並列の複文では、クローズの中でコンマが使われ、接続詞により並列関係を表示しない場合、セミコロンを用いなければならない。例えば:
(15)他們的宣伝,乏味得很;他們的文章,没有多少人歓喜看;他們的演説,也没有多少人歓喜聴。
(16)白天,戦士們堅決守住已得的陣地;夜里,戦士們向敵人進行新的、無情的攻撃。

 第三、偏正関係(修飾+被修飾関係)の複文で、修飾句(偏句)の独立性が強く、修飾句、或いは正句(被修飾句)の中でコンマが使われている場合、修飾句の後ろにセミコロンを用いることができる。例えば:
(17)趙七爺本来笑着旁観的;但自八一嫂説了“衙門里的大爺没有告示”這話以后,却有些生気了。
(18)她久已不和人們交口,因為阿毛的故事是早被人家厭棄了的;但自从和柳媽談了天,似乎又即伝揚開去,許多人都発生了新趣味,又来逗她説話了。

 これらのクローズの中には対を成す接続詞が無い。もし“雖然……但是”、“因為……所以”等を用いると、修飾句(偏句)の独立性は弱くなり、後ろにセミコロンを用いることはできない。

                  四、標点符号の相互関係

(一)“点号”の等級と使用範囲

 “点号”が表す停頓(ポーズ)は四クラスに分けられる。第一級は、句号(句点。終止符。“。”または“.”)、問号(疑問符。“?”)、嘆号(感嘆符。“!”)。第二級は分号(セミコロン。“;”)。第三級は逗号(コンマ。読点。句読点。“,”)。第四級は頓号(読点。“、”)である。冒号(コロン。“:”)は停頓の伸縮性が大きく、“句号”に相当する時、“分号”に相当する時、“逗号”に相当する時がある。*①
 ① ここでの等級は一般的な情況を言っており、“逗号”は感情上の停頓を表す時があるが、その時はこうした等級の制限を受けない。

 “点号”の等級は相対的なものである。例えば、同じ逗号(コンマ)でも、単文の中の停頓(ポーズ)を表すことができ、分句(クローズ)の間のポーズを表すこともできる。人によっては、文章を書く時、しばしば句号(終止符)はあまり用いず、逗号(コンマ)を頻繁に使う。こういう人は意味のつながった場所は、終止符で間隔を空けるのは好くなく、最初から最後まで、コンマしか使えないと理解している。点号を代表とする停頓(ポーズ)は相対的であるので、終止符を使ったからといて意味が途切れることはないことを知らねばならない。最初から最後までコンマを使うと、段落は混乱し、前後の文の関係が却ってはっきり表現できない。

 “点号”を代表とする停頓(ポーズ)は相対的なものであるが、それぞれの“点号”は自らの使用範囲を持っている。頓号(読点。“、”)は並列成分の間にしか用いることができず、逗号(コンマ。読点。句読点。“,”)は文中でのみ用いられ、句号(句点。終止符。“。”または“.”)、問号(疑問符。“?”)、嘆号(感嘆符。“!”)は文末にのみ用いられる。 冒号(コロン。“:”)は多少特殊である。これは時には単文、或いはクローズ(分句)の中間に用いられることがあり、代表する停頓(ポーズ)は、逗号(コンマ)とよく似ている。時にはクローズ(分句)の間に用いられることがあり、代表する停頓(ポーズ)は分号(セミコロン。“;”)に近い。しかし、“冒号”は“逗号”、“分号”、“句号”とは異なり、以下の文に対する提示の作用を持っている。時には以下の文が重要な部分であることを強調することがあり、時には下記のクローズが部分的に説明する、或いは総括的に説明する部分を表示することもある。例えば:
(1)她一手提着竹籃,内中一个破碗,空的,手里拉着一支比她更長的竹竿,下端開了裂:她分明已経純乎是一个乞丐了。

 中国語の手紙で、“××先生”の後ろに“冒号”を加えるのも、相手を提示するのではなく、下記の文が自分が話したい内容であると説明しているのである。

(二)“標号”と“点号”の連用

1、“引号”(引用符号)と“点号”の連用

 “引号”(引用符号。クォーテーション・マーク。“”、‘’、『』、「」)と“点号”の連用では、引用文の終わりの“点号”は、“引号”(引用符号)の内側に置くのだろうか、外側に置くのだろうか。およそ、他人の話を完全に引用する場合は、終わりの“点号”は、“引号”の内側に置く。引用文が作者の話の一部分になっている場合は、終わりの“点号”は“引号”の外側に置く。例えば:
(2)俗話説:“到什麼山上唱什麼歌。”又説:“看菜吃飯,量体裁衣。”
・到什麼山上唱什麼歌 dao4shen2meshan1shang4 chang4shen2mege1 実際の状況に合わせて物事を行う
・看菜吃飯,量体裁衣 kan4cai4chi1fan4 liang4ti3cai2yi1 おかずに合わせて飯を食べ、体に合わせて服を着る。何事も実際の状況に基づいて対応すべきだ

(3)我們有些同志歓喜写長文章,但是没有什麼内容,真是“懶婆娘的裹脚,又長又臭”。
・裹脚 guo3jiao3 (guo2jiao) 纏足の時に足に巻く長い布。醜悪なものの代名詞として使われる

 下記の二つの情況は気を付けるべきである。
 第一、引用文の前に“冒号”(コロン)を用い、引用しているのが一つの文の一部分、すなわち原文が引用文の終わりで文が終了していない場合は、“句号”(句点)は“引号”(引用符号)の外側に置いた方がよい。例えば:
(4)魯迅在《門外文談》里説:“然而做〈易経〉的人(我不知道是誰),却比較的聡明,……他不説倉頡,只説‘后世聖人’,不説創造,只説掉換,真是謹慎得很”。

 第二、“冒号”の後に作者の話があり、そのあとすぐに引用文がある場合は、引用文の終わりの“句号”は、“引号”の外側に置いた方がよい。例えば:
(5)他説:主導権“是要有意識地争取的東西,不是現成的東西”。

2、“括号”(かっこ)と“点号”の連用

 “括号”(かっこ。小括号()、中括号[]、大括号{})は文章の中の注釈の部分を表す。注釈部分は、文章全体を注釈していることもあれば、文中のある一部分を注釈していることもある。前者を“句外括号”と呼び、後者を“句内括号”と呼ぶ。
 “句内括号”は注釈される部分のすぐ後ろに置かれ、もし本文がここで“点号”を用いなければならない場合、“点号”は括号(かっこ)の外に置かれ、かっこの中にはコンマ(逗号)やセミコロン(分号)があってもよいが、たとえ一つの文になっていても、“句号”(句点、終止符)を置いてはならない。“句外括号”の前の本文の“点号”はかっこの前に置かなければならない。かっこの中が文になっておれば、“句号”を用いることができる。例えば:
(6)這就是説,将群衆的意見(分散的無系統的意見)集中起来(経過研究,化為集中的系統的意見),又到群衆中去作宣伝解釈,化為群衆的意見,使群衆堅持下去,見之于行動,并在群衆行動中考験這些意見是否正確。

(7)全国各族人民間的大団結万歳!(長時間的鼓掌)偉大的、光栄的祖国万歳!(全場起立。熱烈的経久不息的鼓掌,轉為歓呼。)

3、“破折号”、“省略号”と“点号”の連用

 “破折号”(つなぎ符号。ダッシュ。“―”)、“省略号”(省略記号。リーダー。“……”)は何れも“標号”(“点号”が句読点やコロン、セミコロンの総称であるのに対し、“標号”は引用符号、括弧、アンダーライン、中黒などの総称)である。停頓(ポーズ)のあるところに用い、文中であれ文末であれ、本来“点号”を用いなければならない場合、“点号”を用いて更に“破折号”或いは“省略号”を加えることができる。例えば:
(8)我竟不料在這里意外的遇見朋友了,―― 假如她現在還許我你他為朋友。
(9)他的妻子大概死了三四年吧,没有続娶。―― 否則,便不肯将余屋租給我似的単身人。
(10)阿Q,你以后有什麼東西的時候,你尽先送来給我們看,……
(11)那是朋友的,本来不多。他們買了些。……

 “破折号”と“省略号”は書面形式では各々二枡を占め、この符号のあるところまで来ると自然に読むのが止まるので、これらは“点号”の作用も発揮している。上記の例で言うと、“破折号”と“省略号”の前の“点号”を省略しても、元の意味の表現を妨げることはない。このような情況下で、きっぱり“点号”を省略してしまう人もいる。しかし、省略できない場合もある。例えば:
(12)早些定了親,也許不会出這岔子?―― 商会会長是不是肯真心幇忙呢,只有懇求他設法 ―― 可是林大娘又在打呃了,咳,她這病!
・岔子 cha4zi 事故。まちがい、しくじり

(13)他?…… 他景况也很不如意 ……
 ここで、疑問符を省略すると、意味が変わってしまう。

 “省略号”の後ろにも“点号”を用いる人がいる。論理的に言うと、この“点号”は必要ない。なぜなら文字が省略されている以上、標点符号は省略できるからである。しかし、疑問文や感嘆文の中には、“省略号”の後に依然として疑問符や感嘆符を使うものがある。
例えば:“難道你以為……?”“這未免太……!”
 この他、省略した部分が段落となり、以下の文と省略した意味が直接の関連が無いことを示すため、“省略号”の後ろに句点を使うこともできる。

【原文】胡裕樹主編《現代漢語》重訂版・上海教育出版社1995年より翻訳

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