goo何気無い日々が心地よい安寧

何気無い日々が続く様に。生きていく事の大変さがカナン。ある種空気の様な存在になりたいもの。

定期的な「性的な刺激」がカラダに必要な理由|脳科学と性④ 202111

2021-11-05 23:25:00 | 健康関連

定期的な「性的な刺激」がカラダに必要な理由|脳科学と性④
 ターザン より 211106


⚫︎テストステロンは性欲のスイッチを入れる重要な存在。
 性と脳の関係について語るうえで欠かせないのが、「テストステロン」という男性ホルモンの存在。『ターザン』読者であれば筋肥大に関わるホルモンとして認知しているかもしれないが、それだけでなく、人間の“やる気”にも影響を及ぼすのだ。

 この分泌量が多いほど、決断力や行動力などが高まると言われており、“エロい気分”にさせることにも大きく関わっているらしい。

「性欲がたかぶるのは交感神経が優位になっている証拠ですが、そのスイッチを入れる役割を果たすのがテストステロンです。男性は主に精巣から、女性は副腎や卵巣から分泌され、脳の視床下部にある受容体でキャッチされます。
それがきっかけとなり、ドーパミンやセロトニンといった快楽ホルモンの分泌を促すわけです」(岡山大学・坂本浩隆准教授)

⚫︎健康な性欲の土台は心身にあり。
 何らかの原因によってテストステロンの分泌量が減少すると,当然ながら性欲は減退する。そのなかでも大きく影響を及ぼしているのが生活習慣だ。

 テストステロンの分泌を制御する 視床下部−下垂体系のコンディションは,生活リズムに左右される。よって,不規則な生活をしていると、テストステロン値の低下を招いてしまう。

「脳は特別な器官ではないので、心身の健康を保つことが第一です」 。つまり、栄養バランスの整った食事、質の高い睡眠、適度な運動の3つは基本のキ。
「健康な性欲は、健康な身体に宿る」というわけだ。
 どれかひとつでも蔑ろにしている自覚がある人は、生活面の改善から考えてみたほうが良いだろう。

⚫︎テストステロン値のキープには適度な性的刺激も大切。
 また、性的な刺激を定期的に脳に与えることも、テストステロンの分泌量をキープするうえで大切だという。
「脳が不要だと判断した機能は、どんどん退化していくと一般的に言われています。つまり、日頃のテストステロンの分泌が少ないと受容体の機能も低下してしまうわけです」。

 性行為にかぎらず、ドキドキしたり、ムラムラしたりすることは、性欲を減退させないために良いという。
 先ほど紹介した生活習慣の3つの基本に加えて、脳に刺激を与えることも意識して習慣化するといいかもしれない。



ー教えてくれた人
坂本浩隆/岡山大学大学院自然科学研究科准教授。専門は神経内分泌学。特に神経ペプチドホルモンやステロイドホルモンの神経系への影響や、行動レベルで作用している神経内分泌系の仕組みに関心を持ち、研究をしている。また、科研費研究課題を対象とした先端バイオイメージング支援事業(ABiS)にも携わる。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

⚠️ COP26開幕 → 地球温暖化問題で知っておきたい基礎知識 202111

2021-11-05 23:18:00 | 📚 豆知識・雑学

COP26開幕 → 地球温暖化問題で知っておきたい基礎知識
  EduA より 211105 一色 清

 日々のニュースの中に「学び」のきっかけがあります。新聞を読みながら、テレビを見ながら、食卓やリビングでどう話しかけたら、わが子の知的好奇心にスイッチが入るでしょうか。ジャーナリストの一色清さんが毎週、保護者にヒントを教えます。(国連が発表したコンピューターグラフィックス動画のワンシーン。国連総会議場に恐竜が現れ、世界のリーダーたちに「絶滅を選ぶな」と温暖化対策の強化を訴えかける=から)

⚫︎二酸化炭素で温暖化が進むしくみ
 地球温暖化対策を話し合う国連気候変動枠組み条約の第26回締約国会議(COP26)が10月31日、イギリスのグラスゴーで2週間の日程で開幕しました。
 開幕式でイギリスのシャルマ議長は、「世界の平均気温上昇を産業革命前に比べて2度よりかなり低く、できれば1.5度に抑える」と決めたパリ協定を守ることができるかどうかについて、「(COP26が)最後の希望だ」と言いました。
 スウェーデンの環境活動家のグレタ・トゥンベリさん(18)もグラスゴーにやってきて、世界の国々が取り組みをもっと強めるよう訴えかけています。

 地球温暖化は、人類の未来に関わる大きな問題ですから、小中学生にも関心を持ってもらいたいテーマです。この機会に地球温暖化問題についての基礎知識を身につけるといいと思います。

 まず、地球の気温はなぜ上がっているのか、です。
わたしたちは生活の便利さを求めて、いろいろなものを生み出してきました。
 石油や石炭を燃やして電気をつくり、様々な電気製品に囲まれて暮らしています。石油からできる燃料を使った自動車、船、飛行機などに乗って移動しています。
 生活に欠かせないプラスチックや鉄鋼なども石油や石炭を使って作られます。

 ただ、石油や石炭を燃やすと、二酸化炭素が出ます。地球を取り巻く大気の中の二酸化炭素などの濃度が高くなると、温室の中に地球があるようになり、太陽からの熱がこもって気温が上がります。こうしたことから二酸化炭素などのガスを温室効果ガスといいます。

 地球の気温が上がると、地球上の氷が溶けだして海面が上がって水没する土地が出てくるとか、猛烈な雨や風や干ばつといった気象災害が増えるとか、農作物の栽培適地が変わるとか、住みにくい地球になってしまいます。

 COP26で話し合われているのは、温室効果ガス,中でも二酸化炭素の排出量を減らしていく各国の方策についてです。では,二酸化炭素の排出量の多い国を知っておきましょう。 
 2018年の国際エネルギー機関(IEA)のデータでは、一番多いのは中国で、世界の28%を排出しています。人口が世界で一番多いのですから当然といえば当然でしょう。
 2番目がアメリカで中国の半分ほどです。3位はインド、4位はロシアときて、5位が日本です。日本は世界の3%ちょっとの排出量です。以下、ドイツ、韓国、イラン、カナダ、インドネシアと続きます。

 これを人口1人あたりでみると、順位がちがってきます。アメリカが断然多くなります。大きな自動車に乗って、冷暖房をきかせた大きな家に住んでいるアメリカ人の生活をイメージすると、うなずけます。1人あたりでは中国に比べると2倍強、インドに比べると約9倍、アフリカ諸国に比べると約15倍も二酸化炭素を多く出しています。

⚫︎産業分野別に見ると…
 二酸化炭素を出す量が多いのは、どんな分野かもみてみましょう。
環境省によると、日本の場合、最も多いのは発電の分野です。約40%を占めています。石炭や天然ガスなどの化石燃料を燃やして発電する割合が高いためです。
 次に多いのは、工場などの産業部門で、約25%になります。中でも鉄鋼をつくる製鉄業は、石炭を加工したコークスを燃やすことが必要なため、排出量が多くなっています。
 3番目が運輸部門で、約18%です。自動車にしても飛行機にしても船にしても、人やモノを運ぶためには石油から作った燃料を使うため、排出量が多くなります。
 わたしたちの生活の場である家庭分野は約5%になります。電気やガスを使って生活しているからです。

 3番目の運輸部門ですが、乗り物によって二酸化炭素の排出量は違うのでしょうか。まず人を運ぶ場合の二酸化炭素排出量を比べてみましょう。
 国土交通省によると、自家用自動車、航空機、バス、鉄道で比べると、旅客1人あたりの排出量が圧倒的に少ないのは鉄道です。たくさんの人を乗せて滑らかなレールの上を多くは電気で走るので、いかにも少なそうです。
 次はバスで、鉄道の約3.5倍の排出量になります。乗客数が鉄道に比べて少なく、石油系の燃料で走るので多くなります。
 航空機は2番目に多くなっています。機体や燃料が重く、それを浮かせて運ぶのですから多くの石油系燃料が必要になります。鉄道の6倍近い排出量になります。
 最も排出量が多いのは自家用車です。乗せられる人数が少ないため、1人あたりにすると多くなります。鉄道に比べると約8倍になります。
 貨物を運ぶ場合も最も排出量が少ないのは鉄道です。次に少ないのは船です。一隻で大量の貨物を運ぶことができるので、比較的少なくなっています。

 グレタさんは陸上を移動するときには鉄道を、海をわたらないといけないときにはヨットを使います。それは鉄道やヨットが、自動車や航空機や船より排出量が少ないためです。 
 ヨーロッパでは、環境への意識の高まりにより鉄道を利用する人が増えているそうです。

 牛や羊のげっぷやおならが地球温暖化に関わっていることも知っておきましょう。国連食糧農業機関(FAO)の2013年の報告書によると、温室効果ガスの世界の排出量の14.5%を畜産業が占めています。
 これは、牛や羊のげっぷやおならに含まれるメタンガスに温室効果があるためです。牛や羊のようないったん食べたものを口に戻してまた食べる「反芻(はんすう)動物」は、胃でエサを分解する際にメタンガスを発生させ、そのほとんどをげっぷとおならで出します。
 メタンガスは二酸化炭素の約25倍の温室効果があるとされています。世界には牛が約15億頭、羊が約12億頭いるとされ、げっぷやおならといってもバカにできない量になっているのです。
 今、大豆などから作る代替肉や細胞から作る培養肉の研究開発が盛んになっていますが、それも環境意識の高まりと連動している面があります。

 地球温暖化問題について、今知っておいてほしい基礎知識を紹介しました。こうした基礎知識がわかると、石油や石炭をできるだけ燃やさないようにしないといけないとか、中国やアメリカのような大国がより努力しないといけないとか、畜産業のあり方を考え直さないといけないとか、大まかな方策がわかってきます。
 でも、本当に難しいのは実行すること、させることです。技術の進歩なしに実行しようとしても、人々は豊かさや便利さを犠牲にすることに抵抗するでしょう。
 それより地球のほうが大事だというのは正論ですが、それではなかなか人は動きません。人々の環境問題への危機意識を高めると同時に、技術の進歩に力を注ぐことがとても大事なのではないでしょうか。

(ジャーナリスト/一色 清)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

 16時間断食 202111

2021-11-05 23:07:00 | 健康関連

  OurAge より 211105

◆16時間断食 Point 1

⚫︎生活リズムに合わせて空腹の時間を作る
 人により実行しやすい時間帯は異なるので、1日のうち16時間空腹の時間を作るのは、やりやすいときでOK。

「食べない時間に睡眠時間を組み込むのが最も無理がなく、サーカディアンリズムにも合っているので理想的です。

 毎日8時間寝る人なら、それに加えて、寝る前4時間、起床後4時間を断食にあて、計16時間食べない時間を作ればいいのです。自分のライフスタイルに合わせて行なってみてください」

 例えば朝7時頃に起きて、12時まで断食し、12〜20時は自由に食べていい時間帯に。20時からはまた断食に入り、就寝するという方法なら無理なくでき、平日でも実践できます。

⚫︎16時間断食 Point 2
 毎日が難しければ、週末や週1回でもOK
16時間断食は、毎日行うのが理想的。

「毎日行うのが最も効果が高いので、短期間で体重を落としたい人は、毎日続けるのがおすすめです。難しいようなら、まず週末だけ取り入れてみては。
 例えば、前夜20時頃に夕食をとり、0時頃に就寝して、翌日正午くらいまで食事をしなければ、それだけで16時間断食になります。土日のどちらか1日でもいいので始めてみてください。慣れたら徐々に頻度を増やしましょう」

⚫︎16時間断食 Point 3
 必ず筋トレを行なって筋肉の減少を防ぐ
16時間断食をすると内臓脂肪が落ちますが、同時に筋肉量も落ちてしまうのが唯一のデメリット。
「これを防ぐため、必ず筋トレを並行して行なってください。筋トレといっても、スクワットや腕立て伏せ、腹筋運動など、家で簡単にできるものを、自分のできる回数だけ行えば十分です。
 階段を上り下りするだけでもかまいません。過度な運動は活性酸素を発生させるので、無理のない範囲で」



※※※※※※※※※※※ NewPostセブン より 211111
◆精神・神経科学教室特任講師の早野元詞さんはいう。

「老化はその人の生活環境や食べたもの、運動や生活リズムに大きく左右されます。昔は遺伝子によって決められていると信じられてきましたが、遺伝子がまったく同じはずの一卵性双生児でも片方が老けているケースがあることから、外的要因が大きいことがわかりました。また、意図的にDNAに損傷を与えると老化が加速することもわかっています」(早野さん)

 DNAの損傷は、強い紫外線や放射線を受けるなどのほか、喫煙や環境中の化学物質、活性酸素、そして食物の中の発がん性物質などが原因だ。体に悪い物質が含まれていなかったとしても、食事は寿命に大きな影響を与える。淡海医療センター病院長の古家大祐さんはいう。

「まずはカロリー制限です。毎日食べる食事量を2〜3割減らすことです。お腹いっぱい食べすぎるとサーチュイン遺伝子の働きが鈍くなります」(古家さん)

 さらに、空腹時間の長さも重要だ。

「ここ数年で言われ始めたことですが、空腹のときにサーチュイン遺伝子を活性化する酵素が増えます。理想は、12~15時間、何も食べない時間をつくること。食べていい時間帯は、満腹にならなければ何食でも食べて構いません。

 この食事法は、毎日やらなくてもいい。動物実験では、4週おきに5日間、それを2年間継続したことで、高脂肪高カロリー食を摂っても肥満にならず、血管系機能などが改善したという報告がある」(古家さん)

 肉などの動物性たんぱく質に含まれるメチオニンという成分を制限することで、さらに長寿になれる。
「メチオニンを制限すると、体内に硫化水素が増え、それが長寿に働きかけます」(早野さん)

 カロリー制限よりも効果を発揮するという見方もある。

「体の老廃物を掃除してくれる『オートファジー』という機能は、メチオニンを制限することで高い効果を発揮できるようになります。食事内容は、肉より野菜中心にして、油が少ない和食がいいでしょう」(古家さん)

 運動も欠かせない。食事量を減らすのが嫌な人は、運動量を増やすことでサーチュイン遺伝子を活性化できる可能性がある。

「1日30分程度の有酸素運動と、20分程度の筋トレを行いましょう。筋トレと言っても、つま先立ちやスクワットのような簡単なことでいい」(古家さん)

「サプリさえのんでいれば若返る」といった安易な長寿法はないことを肝に銘じたい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

量子コンピューターが変えるマーケティングの未来  202111

2021-11-05 22:38:00 | なるほど  ふぅ〜ん

量子コンピューターが変えるマーケティングの未来
  JBプレス より 211105萩原 伸悟

 昨年、今年とクラウドサービス最大手のAmazon Web Service、Google Cloud、Microsoft Azureが、こぞって提供を開始した領域がある※1。
 それは量子コンピューターだ。量子コンピューターと聞くと、まだまだ先の話と考えている読者も多いかもしれない。しかし、手元のコンピューターでクラウド環境を経由して量子コンピューターを操作できる未来が、既に来ているのだ。
※1 AWS Bracket、Google Cloud Marketplace、Azure Quantum

 株式市場もこの未知の領域に熱視線を送っている。経営コンサルティングファームのボストン コンサルティング グループ(BCG)によれば、2020年の量子コンピューターへの投資額は前年のほぼ3倍になり、2021年にはそれを上回る予定だ。
 また、量子コンピューターは今後15年から30年で4500億ドルから8500億ドルの価値を生み出すと想定している※2。
 実際に今年の10月には量子コンピューターのスタートアップ「IonQ」が、特別目的買収会社(SPAC)との合併を通じてニューヨーク証券取引所に上場を果たした※3。

※2BCG「What Happens When ‘If’ Turns to ‘When’ in Quantum Computing?」
※3IonQ「IonQ Becomes First Publicly Traded, Pure-Play Quantum Computing Company; Closes Business Combination with dMY Technology Group III.」

 そんな注目を集めている量子コンピューターは何がすごいのか。それは一言でいえば、膨大な計算が必要な場合に、そこから最適なものを見つけ出すスピードである。
 そもそも量子コンピューターとは量子力学の原理を応用したコンピューターで、その量子の特徴である重ね合わせ状態を利用することで、少ない処理回数の中でもさまざまな状態を計算し、“最も確からしい”解を出すことを可能にしている。

 なぜ、やや回りくどい言い方をしているかというと、量子コンピューターは万能ではないからだ。ここがビジネスへの応用を考えるポイントとなる。
 量子コンピューターが得意な領域は、あくまでも膨大な計算量が想定される際に、より最適なものを取り出すようなケースである。

 一方で、既に通常のコンピューターでも実施されているような一回一回の計算が早くなるわけではない。例えば、給与計算のように決まった計算を重ねて解を一意に決めなければならないような場合には量子コンピューターには向いていない。

 そのため、応用が期待されるような領域としては、創薬や金融関係(ポートフォリオの最適化など)、機械学習、新材料の開発、暗号化といった分野が挙げられることが多い。本記事では、これらに加えてマーケティング面での応用の可能性を深掘っていく。

⚫︎提供価値、出店場所、価格、個別のメッセージ、広告の配置などに活用できる
 マーケティング面での応用分野について、マーケティングの代表的なフレームワーク4Pに沿って考えていく。

 まず、プロダクト(商品開発)。組み合わせが多く、それによって提供価値が変わっていく分野には応用が期待できる。
 例えば、さまざまな素材の組み合わせによって価値が変わってくるような材料系の分野では、量子コンピューターを用いてシミュレーションを行い、最適な価値を創出する組み合わせを見つけられる可能性がある。

 続いて、プレイス(出店戦略・チャネル最適化)では、出店場所ごとの売り上げをシミュレーションする機械学習モデルがあった場合に、それを使って売り上げが最大化するような出店場所の組み合わせを見つけることに応用ができる。
 また、本記事では詳細は割愛するが、元々の機械学習モデルを構築する際にも量子機械学習という手法で応用が期待されている。

 プライス(価格設定)でいうと、ダイナミックプライシングにおいて、さまざまなパターンの価格設定が考えられる場合に、最も売り上げが最大化するような組み合わせを見つけることも可能だ。

 最後に、プロモーション(広告・コミュニケーション戦略)では、膨大な組み合わせのメッセージ(文言だけではなく画像なども含め)から一人一人に効果の高いメッセージをはじき出す出すこと可能だ。
 また、広告の分野においては、限られた広告枠に対して効果が最大化するような広告の配置や、その際の単価計算にも応用できるかもしれない。

 実際に筆者も昨年、某メディアと協力して量子コンピューターを使った広告枠の最適化シミュレーションにおける実証実験を行った。
 結果としては、後述する量子コンピューターの課題にも関わるが、量子ビット数の制約などから適用できる問題サイズや精度に問題があり、通常のコンピューターによるアルゴリズムの方が有用となった。
 しかし、技術の進歩により、今後、発展していく可能性は十分にあると考えている。

 上記のようにさまざまな分野において応用が期待される量子コンピューターであるが、また別の側面でも注目を集めている。
 それは消費電力の削減である。量子コンピューターはその特性から、通常のコンピューターよりも使われるエネルギーは少なくて済む可能性がある。そのため、消費エネルギーの増加による気候変動への懸念が高まる今、注目を集めているのである。

⚫︎5年、10年スパンで事業戦略を考える際のキーワードになる
 ここまで量子コンピューターの良い面について述べてきたが、もちろん、課題もまだまだある。
 まずは量子コンピューター自体のハード面の課題である。
 具体的には、量子を安定した状態に保つことが難しく計算エラーが発生してしまう点や、一つのマシンで利用できる量子ビット数に制約があり、解決できる問題のサイズが小さい点などだ。世界中で各社が開発を競っているが、なかなか難しい課題となっている。

 こうした中で、今年の5月にGoogle は、2029年までに有用でエラーが訂正可能な量子コンピューターを開発すると発表した※4。
 もちろん、これは現段階での見通しにすぎず前後していくであろうが、世界中の過熱ぶりから資金が投入されていき、開発が加速していくことを考えれば、そう遠くはないことが予想できる。

 その次に課題となってくるのが、開発環境や人材も含めたソフト面である。量子コンピューターを活用した処理アルゴリズムを書くには、量子力学も含めて非常に高度な知識が必要になってくる。
 そういった人材を企業が集めるのは現実的ではないため、量子コンピューター上で動作するソフトウエアの整備が普及への必須条件として待ち望まれている。

 具体的には、通常のコンピューターで使われる言語や書き方を用いてプログラミングが行えるような環境である。
 さらに、こうしたソフトウエアの開発以外にも、IBMでは量子コンピューターに関する認定資格を開始していて※5、今後、人材育成に関わる分野への取り組みも盛んになっていくであろう。
※4Google「Unveiling our new Quantum AI campus」
※5IBM「Fundamentals of Quantum Computation Using Qiskit v0.2X Developer」

 ここまで量子コンピューターの展望を紹介してきた。今年や来年で劇的に変化があるというわけではないが、5年、10年というスパンで事業戦略を考える際には、念頭に置きたいキーワードであることには間違いないだろう。

 考えようによっては、自社の強みを生かす方向にも捉えられるが、同時に競合他社が活用したことによって、自社の競争優位が脅かされることも想定する必要があるかもしれない。いずれにせよ、今後の量子コンピューターの動向を注視し、不足の事態への備えは必須と言えよう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

⚠️ 日本の機密情報が「アマゾンから丸見え状態」をデジタル庁はどう考えているのか | 202111

2021-11-05 22:26:00 | なるほど  ふぅ〜ん

日本の機密情報が「アマゾンから丸見え状態」をデジタル庁はどう考えているのか | 
【Eye Spy】日本人の個人情報が筒抜けになる可能性も
 クーリエジャパン より 211105

 日々報じられるニュースの陰で暗躍している諜報機関──彼らの動きを知ることで、世界情勢を多角的に捉えることができるだろう。
 国際情勢とインテリジェンスに詳しい山田敏弘氏が旬のニュースを読み解く本連載。今回は、日本のデジタル庁が導入するアマゾンのAWS(アマゾン ウェブ サービス)について深堀りする。

⚫︎デジタル庁が国内ではなく米企業のシステムを導入
 菅義偉首相の退陣から行われた自民党総裁選と、それに次ぐ衆議院選挙が終わった日本。政界は少し落ち着きを取り戻すことになるだろう。

 菅前首相の功績としては、デジタル庁の創設がある。「デジタル敗戦」(デジタル化の失敗)したとされる日本の公的サービスにおいて、これからはデジタル庁が日本をデジタル化に導いていくことなるという。

 その中でも特に大掛かりな事業が、全国の自治体がそれぞれ管理している国民のデータベースを中央で一括管理できるようにする「ガバメントクラウド」のシステムの構築だ。
 これにはデータを安全に保管できるサーバーが不可欠になる。そしてデジタル庁では、米アマゾンのAWS(アマゾン ウェブ サービス)が導入されることに決まった。

 この決定には一部批判が出ている。データ保全を考えると、日本人のデータを外国製のサーバーに入れることにはリスクが伴うからだ。
 というのも、たとえばアメリカをはじめとする緊密な同盟国は、データ保全と安全保障の面から中国メーカー製のサーバーを使うことを許さない。日本も、デジタル庁で中国製を導入しない理由はそこにある。

 だが、そもそもなぜ、日本メーカーのものを導入しないのか──そんな疑問が出るのは当然だろう。投入される予算の大きさもさることながら、安全保障の面でも、サーバーにある情報が相手(第三者)に渡ってしまう可能性がある。少なくとも、データにアクセスできてしまう可能性があるのだ。

 かくいうアメリカも、自国の重要な機密データを扱うのに国外製品は決して導入しない。米サイト 「ブルームバーグ・ガバメント」は2020年11月、以下のように報じている。

「CIA(中央情報局)は極秘で数十億ドル規模のクラウド契約を、アメリカのいくつかのクラウド企業に与えた。それらの企業は、ストレージだけでなく、データ処理、そのほか機械学習など追加サービスを今後15年にわたって米インテリジェンス組織に提供することになる」

 そこで契約を獲得した企業は、「アマゾン、マイクロソフト、IBM、オラクル、グーグルの5社」であり、これら5社がアメリカに17ある情報機関のクラウドを担うことになる。

 言うまでもなく、機密情報などの重要な情報を扱う契約はすべてアメリカの企業と結んでいる。インテリジェンスの世界から見れば当たり前のリスク対応だ。CIAは徹底した調査を行い、アマゾンのAWSなどを選んでいる。

 たしかに、こうした背景を考えると、日本が導入するAWSは信頼がおけると言えるのかもしれない。

 アマゾンを使う情報機関は他にもある。英 「ロイター通信」の10月26日の記事によれば、「イギリスのいくつかのスパイ機関が、アマゾンのAWSと契約したことが判明し、スパイ活動で使うデータ分析やAIの利用を強化する目的で、機密情報を扱う契約がアマゾンに与えられた」と報じている。

「通信などから情報を収集する情報機関のGCHQ(政府通信本部)は、セキュリティが強固なクラウドシステムの調達を支持し、そのシステムは、共同作戦で、GCHQと関係が深いMI5やMI6、さらにそのほかの国防省などの情報機関と共有することになる」

 つまり、AWSは世界のトップクラスのスパイ機関に信頼され、セキュリティが万全であるとのお墨付きを得ている。日本政府がAWSの導入を決めるのも納得と言えそうだ。

⚫︎「デジタル敗戦」どころではない
しかしである。実はそんな単純な話ではない。
英紙 「フィナンシャル・タイムズ」はこの状況に警鐘を鳴らしている。
「契約が明らかになってすぐ、英議会のインテリジェンス・セキュリティ委員会が、このクラウドについて調査を開始すると発表した」

 扱う情報が極秘なものであることから、アメリカのIT企業が関与することをそのまま許すことはできないと、議会からも意見が出ているのである。

 記事ではこんな懸念が取り上げられている。

 まず、システムの修理やアップデートなどの必要があれば、アマゾンはAWSのデータにアクセスできるのかどうかという点だ。もしできるなら、イギリスのスパイが莫大な税金をかけ、命も危険に晒しながら入手したインテリジェンスに、アメリカ企業の関係者などからアクセスされてしまいかねない。その背景にはアメリカの情報機関もちらつく。

 別の懸念としては、データのプライバシーの問題もある。情報活動で集められたデータが、他の目的で政府などに使われてしまわないか、という点があげられる。

 機密情報に焦点を当てると、イギリスは、アメリカと「ファイブ・アイズ」の協定で、お互いのインテリジェンスをある程度共有できるようにしている。そんな合意が両国にはあっても、民間のアマゾンが入ってくるとなると、イギリスは明確に議会などで懸念を示し、調査を求めるのだ。

 実はアマゾンに対する懸念はアメリカ国内の別の組織からも出ている。先に述べた通り、CIAが決定した米インテリジェンス・コミュニティのための大規模なクラウド契約の一つとして、アメリカのサイバー攻撃能力を支えるNSA(米国家安全保障局)のデータを扱うクラウドとしてAWSと契約することが決まっている。

 だが防衛関係に特化した米サイト 「ブレーキング・ディフェンス」の10月29日の記事は、米政府説明責任局はその契約が適切だったのか、NSAに「再検討」するよう要求したと報じた。説明責任局は、AWSを選ぶには不合理な点(細かいことは不明だが)があると指摘し、アマゾンとの契約の正当性に疑問符をつけている。

 とにかくアマゾンのAWSにも課題があるということで、それをきちんと検証すべきだとイギリスもアメリカの一部も考えているのである。

⚫︎では、翻って日本はどうか。
 日本の場合は、アメリカとイギリスのようなファイブ・アイズ協定などはなく、重要な機密情報をアメリカと共有するメカニズムはない。
 ただこれまでも、米情報機関が日本の政治家や官僚、大手企業関係者などを自国の利害のために盗聴などしてきた事実があるだけに、ガバメントクラウドに集められる日本人の個人情報は筒抜けになる可能性がある。

 今回のデジタル庁のAWS導入決定に、日本の国会は何か動きを見せているのだろうか。
今のところ何も聞こえてこない。

デジタル庁の関係者に話を聞くと、クラウドだけではなく、これからデジタル化に向けて同庁では相当な数の政府調達や契約が行われていくという。
 きちんと検討や検証がされているのかもわからないまま、アメリカやイギリスのように第三者的に調査が行われることもない状態で、日本人のデータを扱うシステムや機器が決められていく。

これについては、ぜひともきちんと検証をしてもらいたいものだ。さもないと「デジタル敗戦」では済まない、国家として外国からデータにアクセスされてしまうといった大失態になる可能性すらある。



一番残念なのは、この問題を、国を率いる国会議員などで問題だと思っている人が見当たらないことだろう。 




💋更に野党はスキャンダル専門で…国事無関心…
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする