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マーケティング研究 他社事例 749 「利益が出る植物工場」 ~培養液を使った水耕栽培の可能性~

2021-02-10 09:53:19 | マーケティング
マーケティング研究 他社事例 749 「利益が出る植物工場」 ~培養液を使った水耕栽培の可能性~


建屋の中で原材料をつくる先例となっているのが、LEDを使って野菜を育てる植物工場です。

今の所、建屋や設備の投資がかさみ、採算が乗りにくいと言えます。

2019年度の国内市場は84億円と、わずかな規模にとどまります。

それがここにきて広く定着する兆しが見えてきました。

千葉県で食品スーパーが運営する中小企業が突破口を開きました。

福井県小浜市にある、木田屋商店(千葉県浦安市)の植物工場は2013年稼働とこの分野の老舗です。

2018年に新設した第2工場の面積は約800㎡で、培養液の入ったパレットを棚に積みあげることで、「作付面積は1500㎡まで広がる」とアグリ事業部の島田部長は話します。

現在は毎日300kgほどのフリルレタスやグリーンリーフが収穫できています。

計3拠点のうち2つは県の建設補助を受けたもので、事業は4年目から単年黒字となっています。

近年も10~15%の利益率を確保しています。

1kg当たりの取引価格は800~1000円と露地栽培の3倍ほどですが、安定供給が確保されて上、異物が混入していないので食品加工に使うと検査の手間が省けるというメリットがあります。

コンビニなどに販路が広がり、7年間の積み重ねで運営コストが下がって来ました。

建屋を作る工場ほど大げさな仕掛けではありませんが、テクノロジーで農作物の生産力を引き上げるスマート農業と呼ばれる分野で、日本の大手企業が次々に実験に入っています。

温室ハウスに機器を張り巡らして収量や品質を高めていて、各社は日本が得意とする制御の技術を活かそうとしています。

オムロンは中国江蘇省の無錫市で野菜などを生産する実証実験を続けています。

日照量、温湿度、二酸化炭素(CO₂)量を自動で計測しハウスの窓の開閉や太陽光の遮断、かん水、CO₂の管理をし、農作物の潜在力を最大限に引き出します。

「糖度を高める栽培も可能」と言います。

プラント建設のJFEエンジニアリングは2014年から北海道苫小牧市などに生産工場を構え、トマトなどの作物を育成して来ました。

「アグリ事業」として目下進んでいるのは、ロシア・モスクワ近郊での大規模イチゴ工場の建設プロジェクトです。

JFEエンジニアリングは温室の資機材供給、運営の支援を行っています。

温室内の環境制御にはオランダのプリヴァ社の機器を使い、JFEエンジニアリング技術を生かします。

スマートアグリ事業部は「温室内の環境をどう制御するかで植物の出来が決まる」と話します。

高緯度のロシアは夏季の日照時間が長く、黒いカーテンで遮光して調整する必要があり、逆に冬季はLEDで補光真しなければなりません。

作物ごとに最適な設備活用を助言するサービスのきめ細やかさは、日本のプラント会社ならではと言えます。

今後は、中東などでも受注活動を本格化し、温室の水耕栽培は水を循環させるため「基本的に少量の水でつくることができる」とし、乾燥地帯には商機があると読んでいるようです。

(続く)


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メール info@irodori-pro.jp

HP https://www.fuudokaikaku.com/

お問合せ https://www.fuudokaikaku.com/ホーム/お問い合わせ/

成長クリエイター 彩りプロジェクト 波田野 英嗣 

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