ルリハタに敬礼?
先日、兵庫県下の国道171号を原付ミニバイクで走行中、県警 交通機動隊の
白バイ10台余りの集団と平行して走る緊張感を味わ いました(バイクで検挙
されることが多いので緊張ですワ)。
その時、手を伸ばせば触れるほどの間近に見た県警白バイ隊員さんの 紺色
ズボンに走る1本のゴールドストライプが目に入り、僕は「あっ! ルリハタ
や」と思わず声を上げたのです。
というのは、明治時代の巡査さんの制服は紺地で、ズボンにはアクセ ント
に黄金色の線が一本縦についていたそうです。
このため、漁業の 町、和歌山・雑賀崎ではその色と模様から「ルリハタ」を「ジュンサ パッチ(巡査パッチ)」と呼んでいたということを、とっさに思い出し たからです。
明治は百年の昔、そのような方言名は、地元でもとっくに廃れたかも 知れ
ませんが、間近に見た白バイ隊員さんの紺色ズボンに、黄金色のス トライプ
が、百年の時空を経て今なお生きていることに、なにやら、ほのぼのとうれ
しさを感じるのでした。
平成の海でも紺地に金色線を染め抜いた美しいルリハタが釣れること がた
まにあります。ただ、粘液に毒があるため、釣魚としては招かれざる客なの
が残念ですが…。
でも、もし、ルリハタが釣れたら、僕は「お役目、ご苦労様!」と敬 礼するでしょう。
(八木禧昌・イラストも)