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映画『東京家族』について

映画 『東京家族』 (その30)  「東京の戦争」

2013年06月28日 | 映画『東京家族』
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2013062802000134.html  『2013.6.28 東京新聞 筆洗』








『新潮日本文学 第7巻 武者小路実篤集』





“憲兵と言えば、こんなことがあった。
 終戦の年の初夏の頃、荒川放水路にかかった千住新橋を渡り終えた時、橋のたもとの交番から出てきた体の逞しい下士官の憲兵に呼びとめられた。
 私は、徴兵寸前の十八歳で、そのような若い男が軍需工場で働くこともせず日中歩いているのを不審に思ったのだろう。なぜこんな所を歩いている、ときかれ、長兄の経営している木造船所で働いていて、その社用で通行している、と答えた。
 憲兵は納得したようだったが、私のかかえている日本文学全集の『武者小路実篤集』に眼をとめ、渡すよううながした。
 それをひるがえした憲兵は、
「お前の先輩たちは、戦場で銃を手にして戦っているのに、こんなものを読んでいていいのか」
 と、激しい口調でなじり、目次に記されている小説の題を指でたたいた。
 それは、記憶が定かではないが、たしか「お目出たき人」という小説であった。かれは、険しい眼をして本を没収し、交番に引返していった。”



   『東京の戦争』「歪んだ生活」 吉村昭












http://www.youtube.com/watch?v=5rXPrfnU3G0&feature=youtu.be

   『Collateral Murder - Wikileaks - Iraq』 (閲覧注意)


    →『IWJウィークリー 第8号』





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映画 『東京家族』 (その29)  音楽(4) 「イメージの詩(うた)」 吉田拓郎 詩・曲

2013年06月28日 | 映画『東京家族』

これこそはと信じられるものが  この世にあるだろうか

信じるものがあったとしても  信じないそぶり

悲しい涙を流している人は  きれいなものでしょうね

涙をこらえて笑っている人は  きれいなものでしょうね

男はどうして女を求めて  さまよっているんだろう

女はどうして男を求めて  着飾っているんだろう

いい加減な奴らと口をあわせて  俺は歩いていたい

いい加減な奴らも口をあわせて  俺と歩くだろう

戦い続ける人の心を  誰もがわかってるなら

戦い続ける人の心は  あんなに燃えないだろう

傷つけあうのが怖かった昔は  遠い過去のこと

人には人を傷つけるちからが  あったんだろう

吹きぬける風のような  俺の住む世界へ

一度はおいでよ  荒れ果てた大地に

チッポケな花をひとつ  咲かせておこう

俺もきっと君のいる  太陽のあるところへ行ってみるよ

そしてきっと言うだろう  来てみてよかった 君がいるから

長い 長い坂を登ってうしろをみてごらん  だれもいないだろう

長い 長い坂をおりてうしろをみてごらん  みんなが上で手を振るさ

気取った仕草がしたかったあんた  鏡をみてごらん

気取ったあんたが写ってるじゃないか  あんたは立派な人さ

空を飛ぶのは鳥に羽があるから  ただそれだけのこと

足があるのに歩かない俺には  羽根もはえやしない

はげしい はげしい恋をしている俺は 一体 誰のもの

自分じゃ言いたいのさ 君だけの俺だと 君だけのものだよと

裏切りの恋の中で  俺は一人でもがいている

はじめからだますつもりでいたのかい  僕の恋人よ

人の命が絶える時が来て  人は何を思う

人の命が生まれる時には  人はただ笑うだけ

古い船には新しい水夫が 乗りこんでゆくだろう

古い船を 今 動かせるのは 古い水夫じゃないだろう

何故なら 古い船も 新しい船のように 新しい海へでる

古い水夫は知っているのさ 新しい海のこわさを

一体 俺たちの魂のふるさとってのは どこにあるんだろうか

自然に帰れっていうことは どういうことなんだろうか

誰かが言ってたぜ 俺は人間として 自然に生きるんだと

自然に生きてるってわかるなんて なんて不自然なんだろう

孤独をいつのまにか 淋しがりやとかん違いして

キザなセリフをならべたてる そんな自分をみた

悲しい男と悲しい女の  いつものひとりごと

それでもいつかは いつものように なぐさめあっている
  






 ※コードネームを付けようとしたが、ソフトが勝手にスペースを調整してしまい、うまくいかなかった(笑)。自動機能も、いいようで悪い。

 ※しかしこの曲は、3つのコード(トニック, サブドミナント, ドミナント)だけで構成されているので、ギターのできる方は、ぜひ曲を聴いて、伴奏を付けてみてほしい。
  そして、家庭で、学校で、職場で歌ってほしい(笑)。
  

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