今年の選抜決勝は「山梨学院-報徳学園」の対戦になりました。本命と言われた大阪桐蔭、大綱にあげられた広陵の双方とも準決勝で敗れて、大方には予想外の対戦カードになったようですが、これも高校野球にはよくあることです。
両校の決勝までの勝ち上がりは以下の通りです。
◇山梨学院
▽1回戦 3-1 vs 東北
▽2回戦 4-1 vs 氷見
▽3回戦 7-1 vs 光
▽準々決勝 12-3 vs 作新学院
▽準決勝 6-1 vs 広陵
◇報徳学園
▽2回戦 7-2 vs 健大高崎
▽3回戦 5-4 vs 東邦
▽準々決勝 5-4 vs 仙台育英
▽準決勝 7-5 vs 大阪桐蔭
開幕戦に登場し、1回戦から戦ってきた山梨学院。優勝候補を次々に退けてきた報徳学園。県勢初の全国制覇か? 21年ぶりの選抜制覇か?
そこで、思い出されるのが今年1月の高校サッカーでの岡山学芸館の予想を大幅に覆す全国制覇です。初優勝のプレッシャーよりも、ここまで勝ち進んできた勢いが勝るのではないかという気持ちが何となくしました。
試合結果です。
▽決勝
報徳学園 000 200 010│3
山梨学院 000 070 00X│7
(報)間木・今朝丸・星山-堀
(山)林-佐仲
⚾報徳有利に進んだ試合を5回の集中打で一気に逆転した山梨学院が、大会をほぼ1人で投げ切った林の力投で逃げ切りました。山梨県勢としては、春夏通じて初の全国制覇です。何より、6試合を戦っての頂点はくじ運に恵まれなかったチームとしての頑張りが報われたと感じます。
報徳学園はこの試合では「逆転の報徳」となることができず、2002年以来の頂点にあと一歩で届きませんでした。
何かと文句ばかり語ってきた選抜が終わり、夏に向かっての戦いが繰り広げられます。選抜出場を逃した岡山勢にとっては悲願の甲子園、夏制覇に向けて頑張ってほしいものです。大きな期待は・・・していませんが(汗)
春の県大会に向けての地区大会は4月8日(土)から始まります。
まずは甲子園のおひざ元、地下一回戦スタートではないという理由で私は報徳学園勝利と予想していました。結果論ですが、Beトゥギャ崎➡東邦➡仙台育英➡オールジャパン桐蔭と厳しい相手が続いたことによる精神的疲労(?)があったのかもしれません。しかし、星稜と並んで報徳学園は「甲子園出場回数が多くかつ印象的な試合が多い」ですね(浜松商や宇部商もかつてはそうでした。もう少し出場回数が少ない学校ならば上尾や市立船橋、近江八幡商あたりでしょうか?)。
もちろん、山梨初優勝の山梨学院大付の力が上回ったことは言うまでもありません。吉田洸二監督は前任の松浦清峰に続く甲子園優勝ですが、名コンビの清水央彦部長がいない影響か山梨学院大付では苦戦続きでしたが、そのうっぷんを晴らした形ですね。
これで現行の夏四十九代表制度となった1978年以降、山梨含めた関東・東西東京地区で我が千葉県のみ甲子園優勝無しとなりました(涙)。その千葉では「山梨初優勝と言っても県内生は一名だから偽者」とかいう声もさっそく上がっているのですが、私は県外生主体でも千葉県勢の甲子園優勝を見たいです(千葉に県外生主体の有力校はないのですが………)。
この大会とは離れますが、「甲子園優勝投手はプロで大成しない」と言われ続けて来ました。甲子園優勝投手でプロで200勝以上した投手は、野口と平松の2人しかいないことからもそう言われています。(優勝投手でプロで2000本安打以上した選手は王と柴田)
「甲子園で投げ過ぎたことによる弊害」と殊更に言う人々を増長させてきた訳ですが、そもそも甲子園優勝投手は1年に2人しか出ないので、絶対数が少ないだけなのですが。
今大会、山梨学院は林がほぼ1人で投げ抜きました。彼が今後どのような野球人生を歩むのかは分かりませんが、久しぶりに高校野球らしい野球を見れたように思います。プロで大成する投手を目指すかどうかは本人次第であって、高校野球で投げ過ぎたことでそうなれなかった言い訳にはしてほしくないと思っています。
ちなみに余談ですが、200勝以上した投手でプロで優勝経験がないのは野口と平松の2人だけでした(笑)