◆「ヤジ」と言えば、国会ではかつて「3大ヤジ将軍」と呼ばれた浜田幸一、松田九郎、鈴木宗男の3人の衆院議員を思い出す。このなかで浜田衆院議員が、「ヤジ3原則」というのを残している。
1.女性をヤジらない。
2.国民の皆さんに生き甲斐を与える。
3.ナイス・ジョークでなくてはならない。
国会では、衆参両院議長は、1人について「3回のヤジ」を許し、4回になると退場を命ずるという暗黙のルールに従っていた。
東京都議会の塩村文夏(あや・か)都議(みんなの党 Tokyo)が6月18日の一般質問中に男性議員の声で、「お前が早く結婚すればいいじゃないか」「産めないのか」などとセクハラヤジを浴びせられた。浜田幸一衆院議員の「ヤジ3原則」に照らせば、「1.女性をヤジらない」に反しており、塩村文夏(あや・か)都議の心をひどく傷つけている。
この問題で、「犯人探し」が行われていたが、問題発生から5日目にしてやっと、鈴木章浩都議が「自分がヤジを飛ばした」と認めて姿を現し、塩村文夏(あや・か)都議に陳謝、記者会見して、弁明した。
犯人探しが行われていた最中、マスメディアの取材に対して鈴木章浩都議は「私ではない。寝耳に水だ。ヤジを行った議員は、自ら名乗り出て、議員辞職すべきだ」とうそぶいていた。だが、「初心に立ち返ってがんばりたい。会派からは離れる」と発言し、会派を離れても党籍は、自民党のまま、議員活動を続けていく意向を表明しており、「議員辞職すべきだ」という考えを翻していた。
しかし、これは、「潔さはなく、女々しい態度」であり、身勝手な態度である。「政治家たる者、ウソをついてはならない」のは、改めて言うまでもない。速やかに「議員バッチ」を返上して、原点に立ち、東京都民有権者の審判を受け直して、「禊」を受け、しかる後に、改めて議会人として出直すのが筋である。
◆また都議会自民党が最もよくないのは、マスメディアが「セクハラヤジ」の声を複数拾っており、「犯人」が、鈴木章浩都議1人ではなかった事実があるのに、鈴木章浩都議だけでこの問題の幕引きを図ろうとしていることである。おそらく、自民党本部の石破茂幹事長が、「傷は最小限に止めるように」と指示したのかも知れないが、こんなことをしていると「大きな禍根」を残すことになる。やはり全員を引きずり出すべきである。そうしなければ、自民党の「モラル劣化」に対する国民批判は、沈静化することはない。国際世論から理解は得られない。いい加減な処分で済まそうとすれば、安倍晋三政権は、「女性活用重視政策」をアベノミクス政策の「3本目の矢」である「成長戦略」の柱の1つに据えている重要政策自体が、多くの国民から信用を失ってしまう。その意味で、安倍晋三政権は、いま危機に瀕し始めていると断じてよい。
セクハラヤジの犯人が、お詫びの記者会見をしていたのと同時併行するかのように、石原伸晃環境相が6月23日、東京電力福島第1原発事故で出た汚染土の中間貯蔵施設建設をめぐり「最後は金目でしょ」と発言して顰蹙を買った問題で、建設候補地の福島県大熊町と双葉町の両町長や福島県の佐藤雄平知事を直接訪れ、それぞれに謝罪していた。
◆ところが、「2度あることは、やっぱり3度ある」という言葉が、大当たりして、今度は、麻生太郎副総理兼財務相が6月21日、不適切な発言を行っていた。宇都宮市であった自民党栃木県連の会合で、集団的自衛権について述べたなかで、「勉強ができない、けんかが弱い、金持ちの子、これが一番やられる」といじめを引き合いに出して話していた。
そこで思い出すのが、麻生太郎副総理兼財務相が2013年7月29日、東京都内で開かれたシンポジウムでナチス政権を引き合いに出して日本国憲法改正に当たっては、「ナチスの手口学んだらいい」と発言したことだ。
「僕は今、(憲法改正案の発議要件の衆参)3分の2(議席)という話がよく出ていますが、ドイツはヒトラーは、民主主義によって、きちんとした議会で多数を握って、ヒトラー出てきたんですよ。ヒトラーはいかにも軍事力で(政権を)とったように思われる。全然違いますよ。ヒトラーは、選挙で選ばれたんだから。ドイツ国民はヒトラーを選んだんですよ。間違わないでください。そして、彼はワイマール憲法という、当時ヨーロッパでもっとも進んだ憲法下にあって、ヒトラーが出てきた。常に、憲法はよくても、そういうことはありうるということですよ。ここはよくよく頭に入れておかないといけないところであって、私どもは、憲法はきちんと改正すべきだとずっと言い続けていますが、その上で、どう運営していくかは、かかって皆さん方が投票する議員の行動であったり、その人たちがもっている見識であったり、矜持(きょうじ)であったり、そうしたものが最終的に決めていく」
ヒトラーは、ワイマール憲法を改正して権力を掌握したわけでなく、麻生太郎副総理兼財務相は、錯覚していたのだが、今後どんな失言が飛び出してくるかわからない。いわば、安倍晋三政権の「地雷原」のような存在だ。
【参考引用】朝日新聞DIGITALが6月23日午後1時36分、「自民・鈴木章浩都議、ヤジ認める 『早く結婚すれば』」という見出しをつけて、以下のように配信した。
東京都議会で晩婚化対策を質問していた塩村文夏(あやか)都議(35)が「自分が早く結婚すればいいじゃないか」とヤジを浴びた問題で、自民党の鈴木章浩都議(51)が23日、自身の発言だったと認めた。吉原修幹事長は「ご迷惑をおかけしました」と謝罪。鈴木都議は会派離脱を申し出た。
同日、都議会自民党の議員総会が開かれ、終了後、報道陣から「名乗り出るのか」と問われた鈴木都議は「はい」と述べた。
18日の都議会では、塩村都議が「女性が一人で妊娠、出産、育児で悩んでいる」と質問したのに対し、「早く結婚すればいい」とのヤジが飛んだ。塩村都議は鈴木都議らの座席近くからヤジが聞こえたとし、自民内からも「鈴木都議のヤジ」という声が出ていた。自民党の石破茂幹事長が21日、「速やかに私ですと言って、おわびをすることが必要だ」と言及していた。
本日の「板垣英憲(いたがきえいけん)情報局」
イランは、「第2次イラク戦争」に介入、「イスラム圏統一」=「ペルシア帝国」復興を図る壮大な計画を持つ
◆〔特別情報①〕
イラク北部や西部で勢力を拡大しているイスラム教スンニ派の武装勢力「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」が6月22日、ますます拡大しつつ、シーア派の多い地域の占領を目指し、西部アンバル州にある対ヨルダン国境のトゥライビル検問所、対シリア国境のワリード検問所も制圧、首都バグダッドに迫っている。「第2次イラク戦争」の様相を強めて緊迫するイラク情勢のカギを握っているのは、シーア派である隣国イランの動きだ。この内戦に乗じて、何やら目論んでいるのが窺える。一体、何を企んでいるのか?
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第31回 板垣英憲「情報局」勉強会のご案内
平成26年7月12日 (土)
「自民党解体と政界再編」
~歴史的使命を終えた自民党とこれからの2大政党政治
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中国4分割と韓国消滅
ロスチャイルドによる衝撃の地球大改造プラン
金塊大国日本が《NEW大東亜共栄圏》の核になる
著者:板垣 英憲
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こちらも好評発売中 「ロスチャイルドの世界派遣奪還で日本の《政治・経済権力機構》はこうなる」(ヒカルランド刊)
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【板垣英憲(いたがきえいけん)ワールド著作集】
◆不信の時代なればこそ『誠』の経営学~『新撰組』の精神と行動の美学をビジネスに生かす
目次
Ⅸ 情報収集を怠らない
元治2年(1865)1月、近江源氏の名門・佐々木六角源氏太夫を編り徒党を組む、不審な浪士たちの情報がもたらされた。織田兵庫介を一味の頭目だとするめ記録もあって、京都と大坂で同時に捕縛作戦が展開される。
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※ご購読期間中は、以下過去の掲載本全てがお読み頂けます。
『忠臣蔵』が語る組織の勝つ成果Q&A
『風林火山』兵法に学ぶ経営学~人は石垣、人は城
『未来への挑戦「坂本龍馬」に学ぶ経営学』
『人生の達人~心に残る名言・遺訓・格言』(2000年6月11日刊)
『細川家の大陰謀~六百年かけた天下盗りの遺伝子』1994年1月5日刊(2000年6月11日刊)
『大富豪に学ぶ商売繁盛20の教訓―商機をつかむ知恵と決断』(2010年1月20日)
『内務省が復活する日』(1995年10月25日刊)
『情報流出のカラクリと管理術』(2003年3月10日刊)
『利権はこうしてつくられる』(1991年3月25日刊)
「『族』の研究~政・官・財を牛耳る政界実力者集団の群像」(1987年3月9日刊)
『愛する者へ遺した最期のことば』(1995年6月10日刊)
『自民党選挙の秘密』(1987年12月15日刊)
『小中学校の教科書が教えない 日の丸君が代の歴史』(1999年7月8日刊)
『大蔵・日銀と闇将軍~疑惑の全貌を暴く』(1995年5月26日刊)
『小泉純一郎 恐れず ひるまず とらわれず』(2001年6月15日刊 板垣英憲著)
『戦国自民党50年史-権力闘争史』(2005年12月刊 板垣英憲著)
『小沢一郎 七人の敵』(1996年2月6日)
『小沢一郎の時代』(1996年2月6日刊 同文書院刊)
『小沢一郎総理大臣』(2007年11月10日)
『小沢一郎総理大臣待望論』(1994年11月1日)
『ロックフェラーに翻弄される日本』(20074年11月20日)
『ブッシュの陰謀~対テロ戦争・知られざるシナリオ』2002年2月5日刊
『民主党派閥闘争史-民主党の行方』(2008年9月16日)
『民主党政変 政界大再編』(2010年5月6日)
『国際金融資本の罠に嵌った日本』(1999年6月25日刊)
『政治家の交渉術』2006年5月刊
『カルロス・ゴーンの言葉』(2006年11月刊)
「孫の二乗の法則~ソフトバンク孫正義の成功哲学」(2007年7月刊)
板垣英憲マスコミ事務所
1.女性をヤジらない。
2.国民の皆さんに生き甲斐を与える。
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しかし、これは、「潔さはなく、女々しい態度」であり、身勝手な態度である。「政治家たる者、ウソをついてはならない」のは、改めて言うまでもない。速やかに「議員バッチ」を返上して、原点に立ち、東京都民有権者の審判を受け直して、「禊」を受け、しかる後に、改めて議会人として出直すのが筋である。
◆また都議会自民党が最もよくないのは、マスメディアが「セクハラヤジ」の声を複数拾っており、「犯人」が、鈴木章浩都議1人ではなかった事実があるのに、鈴木章浩都議だけでこの問題の幕引きを図ろうとしていることである。おそらく、自民党本部の石破茂幹事長が、「傷は最小限に止めるように」と指示したのかも知れないが、こんなことをしていると「大きな禍根」を残すことになる。やはり全員を引きずり出すべきである。そうしなければ、自民党の「モラル劣化」に対する国民批判は、沈静化することはない。国際世論から理解は得られない。いい加減な処分で済まそうとすれば、安倍晋三政権は、「女性活用重視政策」をアベノミクス政策の「3本目の矢」である「成長戦略」の柱の1つに据えている重要政策自体が、多くの国民から信用を失ってしまう。その意味で、安倍晋三政権は、いま危機に瀕し始めていると断じてよい。
セクハラヤジの犯人が、お詫びの記者会見をしていたのと同時併行するかのように、石原伸晃環境相が6月23日、東京電力福島第1原発事故で出た汚染土の中間貯蔵施設建設をめぐり「最後は金目でしょ」と発言して顰蹙を買った問題で、建設候補地の福島県大熊町と双葉町の両町長や福島県の佐藤雄平知事を直接訪れ、それぞれに謝罪していた。
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そこで思い出すのが、麻生太郎副総理兼財務相が2013年7月29日、東京都内で開かれたシンポジウムでナチス政権を引き合いに出して日本国憲法改正に当たっては、「ナチスの手口学んだらいい」と発言したことだ。
「僕は今、(憲法改正案の発議要件の衆参)3分の2(議席)という話がよく出ていますが、ドイツはヒトラーは、民主主義によって、きちんとした議会で多数を握って、ヒトラー出てきたんですよ。ヒトラーはいかにも軍事力で(政権を)とったように思われる。全然違いますよ。ヒトラーは、選挙で選ばれたんだから。ドイツ国民はヒトラーを選んだんですよ。間違わないでください。そして、彼はワイマール憲法という、当時ヨーロッパでもっとも進んだ憲法下にあって、ヒトラーが出てきた。常に、憲法はよくても、そういうことはありうるということですよ。ここはよくよく頭に入れておかないといけないところであって、私どもは、憲法はきちんと改正すべきだとずっと言い続けていますが、その上で、どう運営していくかは、かかって皆さん方が投票する議員の行動であったり、その人たちがもっている見識であったり、矜持(きょうじ)であったり、そうしたものが最終的に決めていく」
ヒトラーは、ワイマール憲法を改正して権力を掌握したわけでなく、麻生太郎副総理兼財務相は、錯覚していたのだが、今後どんな失言が飛び出してくるかわからない。いわば、安倍晋三政権の「地雷原」のような存在だ。
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同日、都議会自民党の議員総会が開かれ、終了後、報道陣から「名乗り出るのか」と問われた鈴木都議は「はい」と述べた。
18日の都議会では、塩村都議が「女性が一人で妊娠、出産、育児で悩んでいる」と質問したのに対し、「早く結婚すればいい」とのヤジが飛んだ。塩村都議は鈴木都議らの座席近くからヤジが聞こえたとし、自民内からも「鈴木都議のヤジ」という声が出ていた。自民党の石破茂幹事長が21日、「速やかに私ですと言って、おわびをすることが必要だ」と言及していた。
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著者:板垣 英憲
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