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“医師の裁量権”の名のまま野放し状態…「がん免疫療法」うたう自由診療に潜む本当の怖さ 日本人は「あやしい医療」の実態を知らなすぎる

2025年01月24日 21時05分41秒 | 医療のこと



“医師の裁量権”の名のまま野放し状態…「がん免疫療法」うたう自由診療に潜む本当の怖さ 日本人は「あやしい医療」の実態を知らなすぎる
11/1(金) 6:41配信


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東洋経済オンライン
がんの免疫療法を行う自由診療の怖さを、がん薬物療法の専門医が語ります(写真:metamorworks/PIXTA)


 先日、大手の新聞などで「がん自由診療で死亡」というニュースが報じられた。筆者も本件で取材を受けた。


 進行がんの患者が「がん細胞を死滅させる」と説明を受け、自由診療でがんの総合医療を行うクリニックで、「ガスダーミン」という物質を投与された。その後、動脈に血栓ができて、がん性腹膜炎という状況になり、死亡したというケースである。


■ガスダーミンという物質とは? 


 ガスダーミンが直接、動脈血栓を起こしたり、死亡した要因になったりしたのかは、詳細がわからないので因果関係は不明だ。


 だが、ガスダーミンについては、最近の医学研究では、がん細胞を叩く免疫のシステムを強化する因子であることが、2020年に科学雑誌『Nature』に報告され、新規の治療薬になる可能性があるとして、注目されていた。


 ただし、このガスダーミンの研究は、すべて細胞レベル、マウス実験レベルのもので、まだヒトを対象にした研究にはいたってはいない。


 世界中の新薬の治験が登録されているClinicalTrials.govで検索しても、ガスダーミンタンパクの発現レベルを研究しているものはあるが、治療薬として登録されたものはない。日本での治験も行われていない。


 ガスダーミンにはAからEまでガスダーミンファミリーと呼ばれる複数の物質があるものの、どのガスダーミンががん治療としての効果を期待できるのかは、まだよくわかっていない。


 反対に、これまでの研究結果を見ると、ガスダーミンは多くの炎症性サイトカインという物質を放出することがわかっている。


 がんの免疫療法薬には、すでにオプジーボやCAR-T細胞療法など、有効性が証明され、製品にもなっているものがある。だが、その一方で「サイトカイン症候群」と呼ばれる、サイトカインが大量に放出されることで起こる副作用が問題となっている。


 このサイトカイン症候群は、ときに重症化して多臓器不全を起こし、死に至ることもある。また、全身に血栓ができる播種(はしゅ)性血管内凝固症候群という、手遅れになると致命的な症状を引き起こすことも報告されている。


 ガスダーミンがまだ臨床開発にいたっていないのは、正確に標的となる物質が同定、精製されていない問題や、サイトカイン症候群の問題点などがあるからだ。そのため、臨床開発まで進んでいない可能性があるのではないかと、筆者は推察している。



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がんの自由診療がはびこる原因


 本来であれば、未知の治療は厳密な臨床試験が行われるべきである。


 だが、このような自由診療が“医師の裁量権”の名のまま野放し状態になり、ほとんど規制されていない。これが非倫理的、非科学的な自由診療がはびこった背景にある。


 患者は藁にもすがる思いで治療を受けるため、“お金はいくらかかっても可能性があるなら“といくらでもお金を出す。筆者の患者にも、このような自由診療に1000万円以上費やした人がいる。


 患者側の弱みにつけ込んで高額の医療費を自由に設定でき、利益率が高いことから、美容系のクリニックががん自由診療経営に乗り出しているケースもある。


 患者側として、あやしい自由診療にだまされないポイントとしては、以下の3つに気を付ける必要がある。


1 健康保険が使えない自由診療
2 「がんが消えた」「治った」などのうたい文句
3 体験談が載せられている


■「あやしい自由診療」見極めのポイント


 日本は世界的にも優れた国民皆保険の国であり、有効な治療はすでに保険適応になっている。現在承認されていない薬でも、有効性が本当に期待される治療であれば、治験などががんセンターなどで必ず行われ、治療薬として承認される。


 医療法の「医療広告ガイドライン」でも、有効性をうたえるのは承認された治療法だけである。わかりやすく、断定的に、「がんが治った、消えた」などとうたっているのは、あやしいと疑ったほうがいい。


 また、体験談はわかりやすいが、医学的エビデンスとしては最も信頼性の乏しい情報であるため、医療広告ガイドラインでも体験談を載せるのは禁止している。効果があった症例などを載せているホームページなどがあったら、あやしいと疑うべきだ。


 がん治療に関してあやしげな自由診療をやっているのは、ほとんどががんの専門医がいないクリニックであり、もともと美容外科が専門であるとか、救急医療専門であるとかの医師がやっているなどということもある。


 上記に気を付けることに加えて、クリニックにがん治療の専門医がいるかどうかも、ホームページなどで確かめてほしい。




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早起きで人生は無敵になる。継続のコツは睡眠時間を削るのではなく…

2025年01月24日 08時03分44秒 | 医療のこと

コロナによるテレワークの導入に始まり、緊急事態宣言解除で出勤する生活に戻った人のなかには、生活リズムが乱れてしまったという人は少なくないはず。早寝早起きを目指していても、なかなか継続できないという悩みも珍しくない。  



6/17/2020 

そこで今回は、3月に出版された『昨日も22時に寝たので僕の人生は無敵です』(小学館)の著者で、これまで500人以上を夜型人間から朝型人間に変えてきた井上皓史氏にインタビューした。朝型の生活を継続するコツを、本の内容と合わせて紹介する。(全4回 第1回) 

(小学館)1540円
早起きではなく「早寝」を頑張る
  肝心要の早起きのコツについて、井上氏は「早寝が大切です」と語る。 「毎朝5時に起きることを頑張るのではなく、毎晩22時に寝ることを頑張ってください。就寝時間を固定することが、もっとも重要になります。22時にベッドに入れれば、あとは7時間しっかり睡眠を取って5時に起きるだけ。5時起きもまったく辛いとは感じないはずです」  

適切な睡眠時間には個人差があるので、7時間睡眠で日中に眠気を感じて辛いと思ったら、起床時間を5時半にするなどして調整。早寝なくして早起きなし。睡眠時間を削って早起きするなんてことは、常人には無理なのだ。  
多くの人にとって、適切な睡眠時間は6時間~9時間の間に収まるだろう。6時間程度の短時間睡眠につい憧れてしまうが、無理は禁物。自分にとって必要な睡眠時間を知り、早寝を目指そう。 

朝と夜の時間の使い方を時間割を書いて洗い出す
 

朝と夜、つまり平日のプライベートの時間をどのように過ごしているかを把握し、時間割を作ることも重要だ。 

画像/Adobe Stock(以下同)
「読書やテレビ、ジョギングなど仕事のあとに夜やっていたことを、すべて朝の時間帯にスライドさせることが必要になります。読書やゲーム、ツイッターやフェイスブックをチェックするのも、朝できます。時間割はできるだけ細かく書くことがポイントです」  

時間割通りに過ごすことは容易ではないが、あくまで目安として捉えるだけでも意味がある。ダラダラとスマホを触っているような時間を見直し、メリハリのある生活を送るには、行動を紙に書き出すことが必要。 「簡単でもよいので、何時に何をしていたか日記のような形で行動記録を付けると、時間の使い方が可視化され、早起きの習慣を付けやすくなります。スケジュール帳は、1週間単位のものがオススメです。スマホでも紙の手帳でも、どちらでもOKです」  

1週間単位で時間の使い方を俯瞰すると、行動パターンが把握しやすく、改善点を見つけやすくなる。週末の飲み会、あるいは週始めの残業など、早起きのネックとなっている行動を振り返ることができるのだ。 

目標を今より“2時間”早く起きることに定める
 これまで夜型の生活をしていた人が、いきなり5時起きにジャンプするのは難しいかもしれない。だが、今までより「2時間早く起きる」という目標なら、現実的に感じるのではないだろうか。今まで7時に起きていた人は5時、8時に起きていた人は6時を目指すのである。 「早起きのメリットを十分に享受するには、1時間では感じにくいのです。2時間の早起きを実行することで、“朝のゴールデンタイム”が生まれます。起業に向けた勉強や副業などの時間にあてるのもよいでしょう。自分だけの時間を毎日2時間捻出できれば、人生そのものが大きく変わるといっても決して過言ではありません」  

夜はメールや電話などの邪魔が入らず、集中しやすいという声をよく聞くが、実はそれは朝でも同じ。一般的なビジネスマンの出社時間は、8時~10時ぐらいだろう。これまで出社時間に合わせて起床していたとしたら、今より2時間早く起きることで、自分の時間が作れる。もちろん、そのぶん2時間早く寝ることにはなるが、充実度は確実に違うはずだ。



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排卵は爆発”…毎回傷つく卵巣 日本人女性、出産減による“多すぎる生理”で卵巣がん増加

2025年01月16日 23時03分38秒 | 医療のこと
【出産減で生理回数10倍に】“多すぎる生理”で「卵巣がん」増加 「低用量ピル」で予防可能!



排卵は爆発”…毎回傷つく卵巣 日本人女性、出産減による“多すぎる生理”で卵巣がん増加


2023/01/01(日) 18:00:43.


生存率の低い「卵巣がん」が、右肩上がりに増加している。その死亡率も年々上昇している。
実は、先進国のなかで「卵巣がん」が増加しているのは、日本だけといってもいいのだ。

なぜ、日本人女性だけ、「卵巣がん」が増加しているのか。
その背景には、昔の10倍に増えた「生理(月経)回数」があった。

排卵は「爆発」…毎回傷つく卵巣
ほとんどの先進国で卵巣がんが減少しているにも関わらず、日本では卵巣がん患者が増加している。
あまり知られていないが、「卵巣がん」の原因に、日本人女性の「多すぎる生理(月経)回数」がある。
「生理は月1回で、それ以上は来ない。多すぎるとはどういう意味?」と思われる方も多いだろう。
実は、女性が生涯で経験する生理の回数は、昔に比べて激増している。

生理(月経)のサイクル
卵巣は毎月の排卵・生理のたびに、大きなストレスを受けている。
卵巣から卵子が飛び出す排卵は、卵巣にとっては一種の“爆発”のようなもの。
そのため、卵子が飛び出すときに、卵巣には「傷」ができてしまう。
卵巣はその「傷」を、毎回「修復」しなければならない。
しかし、毎月毎月「傷」と「修復」を繰り返すと、ガン化のリスクは確実に上がっていってしまう。
つまり、生理のたびに「卵巣ガン」のリスクは高くなるのだ。
逆に言えば、生理の回数が少ないほど、「卵巣ガン」のリスクは減ることになる。

出産が大幅に減り…「生理回数」が10倍に
では、女性はその生涯を通じて、何回くらいの生理を経験するのか。
昔の女性が生涯で経験する月経の回数は、約50回程度だったと見られている。

一方、現代女性はそれよりもはるかに多く、約450~500回と推測されている。

何と、生理回数が9~10倍にも増えているのだ。


続きはソースで
FNNプライムオンライン 2023年1月1日 日曜 午後5:40 



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「頭蓋骨の半分が失われ、左脳の95%が損傷」韓国の元客室乗務員、「勇敢な近況」報告

2025年01月13日 18時03分53秒 | 医療のこと

「頭蓋骨の半分が失われ、左脳の95%が損傷」韓国の元客室乗務員、「勇敢な近況」報告(KOREA WAVE) - Yahoo!ニュース 






「頭蓋骨の半分が失われ、左脳の95%が損傷」韓国の元客室乗務員、「勇敢な近況」報告
1/11(土) 7:03配信




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KOREA WAVE
元客室乗務員で現在はYouTuberとして活躍するウ・ウンビンさん(c)MONEYTODAY


【01月11日 KOREA WAVE】元客室乗務員で現在はYouTuberとして活動するウ・ウンビンさんが、約1年前の事故で頭蓋骨の半分を失い、失語症を患った経験を明かした。彼女の勇敢な生き方が注目を集めている。


9日に放送されたKBS1の番組「朝の広場」で「希望を見つける人々」をテーマにトークが展開され、ウ・ウンビンさんが登場した。パネリストのキム・ジソン氏は「彼女は事故で左脳の95%が損傷するという困難に直面したが、自身の強い意志と家族の愛でそれを克服した」と紹介した。


ウ・ウンビンさんは元客室乗務員で、現在はYouTubeクリエイターとして活躍している。「現在、失語症患者として生活しています」と自身を紹介。この言葉を聞くと、講演を聞く人々の態度が一変し、応援や共感の声が寄せられるという。


ウ・ウンビンさんは2024年1月27日、就職面接の講義に向かう途中、突然の事故に遭遇したという。歩道で転倒して頭部と腰を強打し、その日の記憶はまったく残っていないと振り返った。


通行人によって発見され緊急搬送されたが、脳出血と脳浮腫が深刻で、左脳の95%が損傷し、言語を司る機能に深刻な影響が出た。また嗅覚と視覚の神経細胞も損傷し、腰椎骨折も重かった。


約4時間に及ぶ開頭手術を受け、左側の頭蓋骨の5分の1を摘出する大手術を経験。目を覚ましたときには夫や母を認識できず、覚えていたのは父親だけだった。


母親は「目を覚まして話し、一人でも認識できたことが本当にありがたかった」と語り、父親も「その時を思い出すだけで胸が張り裂けそうだ」と涙ながらに振り返った。


過去には、MBCの番組「講演者たち」で頭蓋骨が一部失われた状態を公開し、「不快だ」「食欲が失せる」といった誹謗中傷を受けたこともある。それでも彼女は、自身の再生のプロセスを共有し、多くの人に勇気を届けたいとYouTube活動を始めたと語っている。


(c)KOREA WAVE/AFPBB News










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掃除機で吸うのは効果ナシ 医師が解説「餅が詰まったとき」の応急処置 2年間で高齢者661人が亡くなる、生存率は17%

2025年01月08日 13時03分51秒 | 医療のこと

掃除機で吸うのは効果ナシ 医師が解説「餅が詰まったとき」の応急処置 2年間で高齢者661人が亡くなる、生存率は17%(東洋経済オンライン) - Yahoo!ニュース 




掃除機で吸うのは効果ナシ 医師が解説「餅が詰まったとき」の応急処置 2年間で高齢者661人が亡くなる、生存率は17%
1/1(水) 6:21配信




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東洋経済オンライン
餅を詰まらせたときの対処法は?(写真:Ayleeds/PIXTA)


 正月で気をつけたいことの1つに「餅による窒息」がある。


 久しぶりに子どもや孫と過ごす一家団欒の最中に突然不幸が襲う。注意すれば予防できるため、残された家族には後悔が残ることが多い。だからこそ、予防法やのどに詰まったときの対策を多くの人に知ってもらい、被害者を減らさなければならない。


【画像で見る】餅を詰まらせたときの対処法の1つ「背部叩打法」


■年間300人近くが「餅」で亡くなる


 わが国では、毎年大勢の高齢者が餅による窒息で亡くなっている。消費者庁の調査によると、死者数(65歳以上)は2018年に363人、19年に298人だ。2年間の合計661人中127人が三が日の間に亡くなっている。65%が75歳以上だった。


 高齢者が餅を詰まらせると、窒息死する確率が高い。


 東京女子医科大学を中心とした研究チームが、2018年に『疫学雑誌』に発表した研究によると、餅によって窒息を起こした場合の1カ月の生存率は、17.2%に過ぎない。


 餅が窒息を起こしやすいのは、粘り気があり、付着性が強い(くっつきやすい)からだ。


 粘り気や付着性はゼリーの約100倍ともいわれている。これは餅米を構成するデンプンのほぼすべてが、アミロペクチンという成分で構成されているからだ。普通の米(うるち米)のデンプンは、アミロペクチン75%、アミロース25%で構成される。


 アミロースは直鎖状の構造であるのに対し、アミロペクチンは枝分かれ構造を持ち、絡みやすい。このため、粘度や付着性が高まる。


 さらに、雑煮などで温めた餅は、口に入れた後に温度が下がり硬くなるため、飲み込みにくくなる。飲み込む力が低下している高齢者ではなおさらだ。この結果、高齢者は餅をのどに詰まらせやすい。
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では、不幸にも窒息してしまった場合はどうすればいいのか。


 ■詰まらせたときに周りの人がまずすべきこと


 窒息した人は苦しいため、のど元に両手をあて、息ができないことを訴えることが多い。顔面蒼白の苦悶症状で、のどが詰まっているので声が出せない。よだれを垂らすこともある。これを専門的には「チョークサイン」という。


 のどを詰まらせて「チョークサイン」が出ている場合に、周囲がまずやるべきことは、呼吸ができているか否かを確認することだ。


 息をしているなら、気道が完全には閉塞していない。まずは、咳をするように促すのがいい。これだけで餅による気道がふさがれた状態が解除されることがある。


 一方、息をしていない場合は深刻だ。気道が完全に閉塞していることを意味するからだ。呼吸が止まると2分程度で脳にダメージが生じ始め、4~6分程度で元に戻らない状態になる。そして多くは7~10分で命を落とす。


 すぐに救急車を呼ぶと同時に、以下の方法を試してほしい。通報するか迷ったら、「#7119」で相談してみるといいだろう。


■餅を詰まらせたときの対処法2つ


 ■餅を詰まらせて、息ができない場合①「背部叩打(こうだ)法」


 この場合、周囲の人がまずやるべきことは、患者を前屈みにさせて、肩甲骨の間を手のひらでパンパンと強く叩くこと。これを専門的には「背部叩打法」という。衝撃により、気道を閉塞していた餅が外れることがある。


 ■餅を詰まらせて、息ができない場合②「ハイムリック法」


 背部叩打法で詰まりがとれないとき、次に試みてほしいのは「ハイムリック法(腹部突き上げ法)」だ。1974年にアメリカの医師、ヘンリー・ハイムリックにより提唱された手法で、腹部を圧迫して異物を除去する。腹部を圧迫するので、妊婦や乳児には行えない

 具体的には、患者をうしろから抱え、みぞおちにこぶしを当てたら内側かつ上方向に強く押し上げる。


 この2つの方法を救急隊が来るまで交互に行う。


 やり方については、YouTubeの「東京消防庁公式チャンネル」の動画がわかりやすいので、ご覧いただきたい。また、掃除機による吸引は効果がないとされているので、やらないでほしい。


 背部叩打法やハイムリック法で窒息が解除されなければ、胸部圧迫など応急処置をしながら、病院に搬送されるのを待つ。胸部圧迫の方法も東京消防庁公式チャンネルの動画を参考にするといいだろう。


■救急搬送しても手遅れのことが多く


 病院での詳しい処置はあとで紹介するが、簡単に説明するとこうだ。


 まず、気道を展開(気道を確保して呼吸を助けるために、頭部を後ろに反らせて、下あごを上げた状態にして気道の通りをよくすること)して、目で見ながら鉗子(かんし:ものをつかむときに使う医療器具)を用いて、餅を除去する。


 慣れた医師なら1分以内で処置は完了するが、病院に到着したときにはすでに手遅れのことが多く、このような処置をしても、患者の回復はあまり期待できない。


 以上が、餅による窒息対策の概要だ。


 実は、筆者も餅を詰まらせた患者を診たことがある。初めて経験した患者は、70代の男性だった。昔の話になるが、その光景が今も忘れられない。


 筆者は医学部を卒業したあと、2年目の研修を大宮赤十字病院(現:さいたま赤十字病院)で行った。当時も今も、埼玉県は医師不足だ。医師は忙しく、当直をしていると毎晩10人以上患者がやってくる。救急車で運び込まれる患者もいる。一睡もできないことも珍しくない。


 一方で、年末年始の病院はがらんとして、普段の病院とはまったく違う。入院患者の多くは外泊して、家族とともに新年を迎えるからだ。とにかく患者さんが少ないので、医師や看護師ものんびりとした気分を味わえる。筆者は、この雰囲気が好きだった。


 正月の当直を迎えるにあたり、先輩医師から必ず指導されることがある。それは餅による窒息への対応だ。迅速な処置が求められるからだ。


 元日の夜8時頃、救急隊から「餅による窒息で心肺停止です」と連絡があった。筆者はどう対応してよいかわからず、一緒に当直していた1年先輩の医師を呼んだ。


先輩医師は患者が救急外来に到着すると、気道確保を試み、その最中に鉗子を用いて、気道に詰まっていた餅を除去した。直径が3センチほどの小さな餅の切れ端だった。その後、心臓マッサージや点滴で血圧を上げる薬を投与したが、心拍が再開することはなかった。


 こうした蘇生措置を30分ほど行ったあとに、筆者は死亡を宣告した。


 患者は、正月に帰省した息子一家と夕食の最中だった。小学校1年生と幼稚園児の孫に、本格的な正月を経験させるため、祖母が手作りのお節料理を準備したそうだ。その中に餅が入っていた。


 楽しい食事の最中に祖父が亡くなってしまった。同行してきた息子は落ち込み、どんな言葉をかけていいかわからなかった。


救命が難しいからこそ予防を


 一度餅による窒息を起こした場合、訓練した医師がいなければ、餅を取り除いて呼吸を再開させることは難しい。そういう医師がいたとしても、高齢者では救命が難しい。



 餅による窒息は予防が重要だ。高齢者の飲み込みの機能をしっかり見極めて、窒息しないような料理、食べ方を心がけてほしい。











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