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「イーロンは間違っている」「リストラが続くやり方では絶対にうまくいかない」元Twitterジャパン社長が語った「アメリカ型経営の限界

2024年08月25日 15時05分11秒 | 雇用と職のこと


「イーロンは間違っている」「リストラが続くやり方では絶対にうまくいかない」元Twitterジャパン社長が語った「アメリカ型経営の限界」 (msn.com) 




〈 「自分には能力がなかった」どれだけ助言をしてもイーロン・マスクは聞く耳持たず…元Twitterジャパン社長が語った「退職の真相」 〉から続く


8/14/2024


「経営者と現場の乖離があまりにも大きすぎる。この20年ぐらいで特にアメリカで進んでいる状況ですが、これは問題だと思います」

――元Twitterジャパン社長が、世界的経営者イーロン・マスク氏と働いて感じた「アメリカ型経営の限界」とは? 新刊『イーロン・ショック 元Twitterジャパン社長が見た「破壊と創造」の215日』(文藝春秋)より一部抜粋してお届けする。(全2回の2回目/ 前編を読む )


元Twitterジャパン社長が語る「イーロンの問題」とは? ©文藝春秋(左)、Getty(右)

◆◆◆
イーロンの周辺が気を使ってくれた
 イーロンのまわりの人たちは、実はけっこう私に気を使ってくれました。評価してくれていたのかはわかりませんが「もう一度イーロンと話してみたら?」と提案してくれたんです。「イーロンは決断を変えることがあるから『残ってくれ』という話になるかもしれないよ」と。


 でも私は、一度決めたら前に進むしかないと思いました。後ろを振り向くのが嫌だから、イーロンに撤回を頼みたくはなかった。そうしてしまうと「イーロン教」に入ったことになる。洗礼を受けてしまうことになる。だから私の中では、すごく偉そうに言うと「イーロンにゴマをする必要はないな」と思ったのです。


 もしイーロンが私を必要として「どうしてもやってほしい」ということだったら喜んでやります。でも、今のイーロンのやり方では絶対にうまくいかないと思っていました。だから私は抜けてしまった。


 仮にTwitterにいたところで、何もできないと思うのです。「こうやるべきだ」という彼の価値観と、私の考え方は相反している。


 どういう人を残して、どういう人は辞めてもらったほうがいいのか。そういう細かい話を彼はしたくない。そういうスタンスです。ならば、誰に辞めてもらうのか、選ぶのは任せてほしいとも思っていましたが、そこは任せられないという。


 意味のわからないリストラが続く状態では、誰もうまくやっていける人間はいないわけです。大本を直さないと、絶対に直らない。同じことを繰り返していくだけです。


 みんなのボーナスや、報酬内容も相当変わってしまいました。


 そこに対してイーロンは「未来に期待してね。今は耐えてね」と社員に言い続けるのですが、それは都合が良すぎると思いました。


 売り上げが大きく落ちた責任はイーロンにあるわけです。もしくは彼の周囲にある。それはシリコンバレーの経営者、みんなに言えることだと思っています。


 たとえばマーク・ザッカーバーグも「メタバースだ」とぶち上げたのに、ぜんぜんうまくいっていない。そのため大きなリストラを繰り返していますが、やはりおかしい。


 経営者と現場の乖離があまりにも大きすぎる。この20年ぐらいで特にアメリカで進んでいる状況ですが、これは問題だと思います。


「イーロンは間違っている」
 いまになって、その歪みがいろんなところで噴出している。大本である経営陣が姿勢を正さないと、いくら現場で頑張っても改善できないと思うのです。



 そう考えると、短期的には従業員を守る「昭和型の経営」がドライブしていくかもしれませんが、状況はまたすぐに変わっていくでしょう。


 たとえば、AIを中心に産業が盛り上がっていけば、すぐにTwitterの社員は自分から辞めていくかもしれない。


 そうなるまでに、いまのTwitterが人を必要としない自動化されたプラットフォームになっていればいいですが、さすがのイーロンでも1年やそこらでそれを達成するのは難しいように思います。ましてや、今のエンジニアの数では到底無理。


 私はやっぱり間違っていると思うのです。


(笹本 裕/ノンフィクション出版)







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中高年ヒラ社員の70%が「職場に不満なし」。リストラされない4つの特徴とは

2024年06月18日 10時05分38秒 | 雇用と職のこと
社内サバイバルが激化するなか、大多数のサラリーマンは“出世”という一つの目標を諦めなければならない。せめてリストラされずに、ヒラ社員で会社員人生を終えるにはどうすればいいのか。人事コンサルタントの曽和利光氏に聞いた。 

ミドル世代のヒラ社員の実像と、彼らに必要な生き残り戦略とは?

イラスト/ドテ山ススム

 会社員である以上、出世は一つの目標だ。しかし、管理職削減時代が到来し、死ぬまでヒラ社員で終わる覚悟が必要になっている。

  そこで、今回は全国の45~54歳正社員男性の中から、役職に就いていない300人を抽出し、アンケートを実施(調査期間は’21年1月29日~2月2日)。実像をあぶり出す。  

2/17/2022



Q1の出世を諦めた時期だが、45歳未満が66.7%。多くの人が45歳未満で、出世への見切りをつける。



Q2「出世できなかった要因は?」という問いに、「出世欲がなかった」(50.7%)と答えれば、自己否定せずに済むからだろうか。 「セルフハンディキャップという心理学用語もあるのですが、やる気のなさを見せることで、失敗しても仕方ない、そもそも成功欲求がなかったと自分自身に思い込ませたい欲求が働きます」(曽和氏) 




ヒラ社員が会社に残るには「サポートタイプに徹することが重要」

 また、Q3「職場内での居心地」を問う設問では、「良い」「良くも悪くもない」との回答が70%を占める。

ヒラ社員である状況に危機感を覚えている人は少ないが、実のところ中高年ヒラ社員のリストラリスクは高い。彼らが会社に残るには、「サポートタイプに徹することが重要」と曽和氏は説く。

 「特に、若手の悩みに耳を傾け、心のケアをしてくれる、メンタルサポートタイプは会社にとって重宝されます。本来、上司の役割ですが、現在の管理職は忙しく、スキル面での指導で手いっぱい。そこをフォローする先輩ヒラ社員は、実は貴重な存在なのです」 

 ヒラ社員が会社に残るには、ほかにも相応の努力が必要だ。


生き残るヒラ社員の4つのタイプはこれだ!


・空気に溶け込み存在を消す、人畜無害な忍びタイプ 年をとるとその経験から、ヒラ社員といえど余計なひとことを言ってしまいがち。その点、忍びタイプは無駄な主張をせず、空気のように存在を消して会社に溶け込む。「手間のかからないマネジメントフリーな人材は貴重。結果さえ残せば、組織のバッファとして生き残れます」(曽和氏) 

・自ら減給を申し出る、志願兵タイプ 40代以上のヒラ社員がリストラされやすいのは、高すぎる給料が原因だ。若手と同程度の働きしかしない高給取りは、経営陣の頭痛の種となっている。それを察して、自ら減給を志願するタイプは生き残る。会社の業績が好調な時は忍びタイプ、雲行きが怪しくなったら志願兵タイプに変化するのも手 

・同期の上司と大の仲良し、釣りバカ日誌タイプ 40~50代の中の一番の出世頭と仲良くなるタイプ。「出世頭と目される40代以上の課長・部長は、昇進の可能性が高い一方、年下の部下たちからは遠巻きにされやすい。課長・部長と同期のヒラ社員が出世頭にうまく取り入り、下の世代と上司をつなぐパイプ役になれば重宝されますよ」(曽和氏)



最も理想的な方法は?

 ・後輩のメンタルをサポート、ひとり応援団タイプ 長年ヒラ社員として働いてきた経験を生かして後輩たちをサポートする、生き残り戦略の中でも最も理想的な方法。場合によっては、実務面においてのサポート役に回ることもある。「ただし、若者にむやみに共感して、上司に楯突くのはNG。真っ先にリストラ対象となります」(曽和氏)


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新卒で入った会社を1日で辞めた男性を直撃「配属ガチャに不信感」「自分の希望は全く考慮されていない」 “退職代行サービス”の利用も急増

2024年06月13日 09時08分37秒 | 雇用と職のこと


新卒で入った会社を1日で辞めた男性を直撃「配属ガチャに不信感」「自分の希望は全く考慮されていない」 “退職代行サービス”の利用も急増(ABEMA TIMES) - Yahoo!ニュース 





新卒で入った会社を1日で辞めた男性を直撃「配属ガチャに不信感」「自分の希望は全く考慮されていない」 “退職代行サービス”の利用も急増
5/2(木) 7:22配信





ABEMA TIMES
イメージ


 入社初日で辞める「スピード離職」が話題となっている。実際に入社日に退職代行に依頼した新卒の男性を直撃した。


【映像】配属ガチャ?新卒男性が1日で辞めたワケ


 辞めた理由について男性は「4月1日に入社して、配属先発表という時に、自分の希望が全く考慮されていない配属先になっていて、不信感が頂点に達して辞めた。配属ガチャかなと思っていて…」と語った。


 スピード離職の多くの理由は、“配属ガチャ”だという。そんななか、退職代行サービスの利用が急増。退職代行「モームリ」の谷本慎二代表は、「4月なので、新卒の方から入社前と入社後で話が違った、ギャップがあったという声が多い。依頼は初日から、4件ほどあった」と説明した。4月1日から19日までに退職代行サービスに寄せられた依頼は871件、そのうち新社会人は135件。また、東京商工会議所によると、この春の新入社員を対象にした調査で、「定年まで働きたい」と答えたのは21.1パーセント。「チャンスがあれば転職」と答えた割合は26.4パーセントとなり、18年ぶりに定年までを逆転した。


 スピード離職に歯止めをかけたい企業側は新入社員のケアを徹底している。なかには離職予測AIを用いてより精密なケアを実施する企業も。離職予測AIとは、これまでの全社員に関する勤務状況や特性などのデータを入力して、企業ごとの離職者モデルを作成するもの。その精度は脅威の87.3パーセントだという。


 データサイエンス・人工知能の専門家である東京都市大学・白鳥成彦教授は「“上司ガチャ”みたいなものがあって、察しがいい上司、ケアしてくれる上司だったら、ちょっと休みがちだったら、例えば『リフレッシュしてみたらどう?』『休憩してみたらどう?』という形になるが、上司を選ぶとか、なかなかできない」と、上司に不満を感じる新人社員を見つけてケアすることができると解説した。


 この話題に注目した『週刊SPA!』元副編集長の田辺健二氏は、「特にコロナ禍以降、会社への帰属意識がほぼなくなったのと同時に、いわゆるZ世代は、お金よりも承認欲求を優先するので、『定年まで勤めるなんてもうダサい』みたいな考えの人が多い」と前置きした上で「それは間違いではないが、僕らは就職氷河期世代なのでしがみつく人をいっぱい見てきたし、自分も気づいたら20年いた」と述べた。さらに、「そもそもスピード離職しておいて円満を求めるのって、ちょっと話がおかしい。無神経というか、わがまますぎると思う。10年以上働かないと円満って無理なんじゃないかと僕は思う」との見方を示した。


 さらに、依頼が急増している退職代行サービスの利用理由について「リクルーターやいろんな人との向き合いが面倒で気まずいから、『モームリ』に頼むとアンケートで答えている人が多くいた」と語った。


(『ABEMA的ニュースショー』より)







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「お祈りメール」で内定獲得? 「最終面接まで進んだ」にスカウト

2024年06月07日 21時09分14秒 | 雇用と職のこと

「お祈りメール」で内定獲得? 「最終面接まで進んだ」にスカウト(毎日新聞) - Yahoo!ニュース 



「お祈りメール」で内定獲得? 「最終面接まで進んだ」にスカウト
6/1(土) 6:30配信


毎日新聞
写真はイメージ=ゲッティ


 「貴殿の今後のご活躍をお祈り申し上げます」――。6月1日から2025年春卒業予定の大学生らの選考活動が解禁され、企業が就職活動生に不採用を知らせる「お祈りメール」が学生を落ち込ませる機会も増えそうだ。メールボックスのゴミ箱行きになりがちなこのメールを利用し、別の企業の内定につなげるサービスが就活生の間でじわじわと広がっている。


【図解でわかる】こんなに…人気企業の賃金格差


 ABABA(東京都渋谷区)は、最終面接に落ちた「お祈りメール」を申告、登録することで、他の企業から採用選考のスカウトがLINE(ライン)に届くサービスを提供している。約1300の企業がABABAのプラットフォームに登録しており、他社の最終選考歴などを踏まえて学生に面接などを申し込み、学生が応じれば選考に移る。


 学生は不採用通知をもとに別の企業との接点が生まれ、企業にとっては、最終面接までたどりついた人材をウェブ上で一覧できるため、効率的に採用できる。選考を一部省略する企業も多い。20年11月にサービスを開始。24年3月時点で利用学生は累計6・5万人に増えた。


 創業者の中井達也最高経営責任者(CEO)によると、大手企業の最終面接で友人が不合格になったことが、サービスのきっかけだった。精神を病むほど落ち込んだ友人は結果を隠したがったが、「超大手企業の最終面接に進める人材なら、他の企業も採用したいはず」と思いつき、両者をつなぐ事業を実現した。


 今春卒業した就活生300人が回答したアンケート調査では、志望度が高い会社から不採用通知を受けたことで就活生の85%が「その企業を嫌いになった」と回答。嫌いになった人の43%は不採用企業のサービスや製品を「今後使わない」、23%は「周囲に勧めない」とも回答しており、ショックの大きさがうかがえる。


 政府は学業への影響を減らすため、企業の説明会や広報は3月1日、面接などの選考は6月1日に解禁する就活のルールを定めた。人手不足の中、実際には優秀な学生を確保するため、解禁前に内々定を出す動きが広がり、ルールは形骸化している。さらに選考前に参加するインターンシップ(就業体験)での評価も採用活動に利用可能になった。大手企業の人事担当者は「花形部門で採用したい学生はインターン時点でほぼ目星をつけている」と、就活早期化の実態を打ち明ける。


 大手就職情報サイトのマイナビによると、25年春卒の就職内定率は4月末時点で64・3%。人手不足と経済活動の活発化で売り手市場と言われるが、一部企業への人気が集中し、希望する企業から内定が出ずに「持ち駒」ゼロになった学生が駆け込み寺としてABABAに登録する例もある。同社は「最終面接にたどりつく実力と努力が適切に評価される社会を作りたい」とし、就活生にエールを送っている。【藤渕志保】










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辞めてもらいます」突きつけられた通知書 ある日突然、身に覚えのない理由で解雇になった

2024年06月06日 09時05分42秒 | 雇用と職のこと

「辞めてもらいます」突きつけられた通知書 ある日突然、身に覚えのない理由で解雇になった(西日本新聞) - Yahoo!ニュース 

辞めてもらいます」突きつけられた通知書 ある日突然、身に覚えのない理由で解雇になった
6/20(火) 9:20配信

解雇を言い渡された女性は「私と同じように悔しい思いをしている人は、他にもいるはず」と話した


 身に覚えのない理由で不当に解雇を言い渡される働き手が、後を絶たない。労働契約法は不適切な雇用契約の打ち切りを禁じているが、会社側は一方的に社員の問題点を指摘したり、必要な手続きを省いたりして退職に追い込む。「辞めてもらいます」。ある日突然、告げられたら-。 

沈黙が15分ほど続いた。昨年7月、九州にある事業所の会議室。社員の30代女性は、関東の本社から訪れた取締役と社会保険労務士に解雇通知書を突き付けられた。署名を求められ、拒むと会話は途切れた。 

 やがて、脅しに近い声が飛んだ。「今、署名しないと終われないから」「書かないと部屋から出られませんよ」。詳しい説明はなく、言い分も聞いてもらえない。怒りと諦めが湧いた。 

 「もういいかな、こんな会社」。名前を書き、その日のうちに荷物をまとめて職場を出た。数日後、正式に退職となった


「気にすることはない」はずが…


 女性は事務職として十数年、勤務してきた。トラブルの発端は昨年5月、同じ事務職の新人が入ってから。仕事を教えていると約2週間で出社しなくなった。 

 「指導が厳しい」「できない量の仕事をさせられる」。新人は上司にパワハラ被害を訴えたという。きつく接したつもりはなく、教えた業務も会社が指示した内容の一部だけ。戸惑った。事務職はもともと2人態勢で、退職が相次いだため女性が長く1人で担っていた。待ちわびた仲間を排除するはずがない。 

 6月、本社から訪れた部長と社労士に事情を聴かれた。女性はパワハラを否定しつつ

、「相手の受け止め方もあるだろうから、かみ合わなかったのなら、申し訳なく思います」とわびた。翌日も謝罪し、部長から「気にすることはない」と言ってもらえた。解雇通知書に署名を促されたのは、その1カ月後だ。  

一般的に解雇の有効性を巡る訴訟では、本人に弁明の機会があったかが重視される。女性にはその場も与えられなかった。 

 思い当たる節はある。女性は1人で事務をする間、朝から日付が変わるまで働いても仕事が終わらず、泣きながら作業をしていた。何度か直属の上司に助けを求めたという。社内の他の事業所は事務職が辞めると補充があるのに、「なぜここはないんですか」-。  

女性の残業時間が多いことを本社が問題視し、少なく申告するよう言ってきたこともある。その際も同じ上司に「出先から現実を報告しないと、どれだけ大変か分かってもらえないですよ」と意見をぶつけた。


  「そういうのが生意気で気に入らなくて、パワハラで切ろうとしたんでしょうね。長年、頑張って貢献してきたのに恩をあだで返された感じ。悔しいです





「あなたの仕事はなくなる」

 九州の食品加工工場で働いていた40代男性も職を失う危機に立たされた。5年ほど前、上司に「工場を畳むから、あなたの仕事はなくなる。整理解雇でお願いします」と告げられた。 

 整理解雇は、企業が業績悪化で社員を減らす際に取る手続き。判例で確立された四つの要件を満たすかどうかで有効性が判断される。会社は解雇を避けるため、配置転換や希望退職者を募集するといった努力をしたか-などがそうだ。 

 当時、希望退職者は募っておらず、転勤の相談もなかった。同じ工場で働く正社員の同僚は別の職場に移ったのに、なぜ自分だけ解雇されるのか説明もない。会社が正しい手続きを踏んでいないのは明らかで、納得できなかった。

  会社と交渉して解雇は取り下げられたが、本州に転勤に。応じたものの、九州に残してきた認知症の母を思うとつらい。母が暮らす施設の近くにも会社の事業所があり、そこで働きたかった。 

 「会社がきちんとルールを守っていれば、こうはならなかったんじゃないかな」。釈然としない思いがなお、胸に残る。  (編集委員・河野賢治)



■紛争件数、年間約4000件

 不当解雇の現状を数字でつかむのは難しいが、それをうかがわせるデータはある。厚生労働省によると、解雇を巡る訴訟や労働審判の申し立て、労使が専門家を交えて解決策を話し合う労働局の「あっせん制度」の申請は、合計で年間4千件前後の水準が続く。

  集計によると、解雇を巡り21年度、提訴が1082件▽裁判所への労働審判の申し立てが1751件▽労働局へのあっせん制度申請が1116件(有期労働契約の雇い止めを含む)あった。こうした事例の一部に、不当解雇が含まれているとみられる。  

労働契約法は合理的な理由を欠く解雇を無効と定めている。社員が悪質な行為をした場合などの「懲戒解雇」、業績悪化で人員整理をする際の「整理解雇」、従業員の能力不足や病気などを理由にした「普通解雇」のいずれにも、この規定は適用される。 

 整理解雇は判例上、人員削減が本当に必要か▽配置転換など解雇を避ける努力をしたか▽人選は適切か▽労使で十分な話し合いをしたか-という四つの要件で有効性が判断される。解雇を巡って労働者と雇い主が争いになる場合、これらのルールが守られたかが争点になることが多い。


西日本新聞





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