難関中学に通う息子が家の中で金属バットを振り回す…」受験優等生を"深海魚"にする親の残酷な共通点
11/10(木) 11:17配信
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※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Wacharaphong
難関中学に合格したのに、入学後に成績不振に陥り、「深海魚」状態になってしまう生徒がいる。大学付属校の場合、そのまま大学へ進めないケースもある。プロ家庭教師の西村則康さんは「深海魚の子たちは、中学に入った時点ですでに勉強に疲れ、勉強嫌いになっていることが多い。その背景にあるのは親の勉強のやらせ方です」という――。
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■これで安泰と思っていたのに…
近年、中学受験では大学付属校の人気が高まっている。付属校に進学すれば、そのまま大学までエスカレーター式に進めるという安心感が魅力なのだろう。特に今は大学入試改革が揺れていることもあって、先行きが見えない“不安”から“安心”を手にしておきたいという気持ちが強まっているように感じる。
しかし、ひとくちに大学付属校といっても、内部生ならほぼ全員が上の大学に進学できるところもあれば、同じ大学の名前が付いていても付属校・系列校によって進学できる人数が大幅に変わってくるところもある。仮に進学できたとしても、成績上位者から順に希望学部の枠が埋まっていくので、成績によっては行きたい学部に行けないこともある。
また、世間ではあまり知られていないが、中学・高校での成績が著しく悪いと校内の成績会議にかけられ、退学を余儀なくされるケースは意外に少なくない。大学付属校に進学したからといって、「これで安泰」というわけではないのだ。
中学受験を経て、私立中高一貫校へ進学したものの、成績がさっぱり伸びずに下位をさまよう子がいる。そういう子を中学受験界ではひそかに“深海魚”と呼んでいる。暗い海の底にひっそりと暮らす魚と、成績低迷でスポットライトが当たることなくひっそりと中高生活を送る姿が重なるからだ。
中学受験では同じ試験を受けて合格したはずなのに、入学後に差が開いてしまうのはなぜか?
付属校進学の場合、大学受験をしないで済むという安心感から、入学後に手を抜いてしまう、というのは多少あるかもしれない。だが、本当の原因は別のところにある。
■中学受験で勉強を無理やりやらせていた家庭の末路
子供が中学受験をする家庭の親から受ける進路相談で
「ウチの子は付属校向きでしょうか? それとも付属校には向かないタイプでしょうか?」と聞かれることがある。
かなり漠然とした質問で答えるのに困るが、あえて言うならば、付属校に向いている子はマジメにコツコツと勉強ができる子だと感じている。中学受験の勉強を通して身に付けた学習の習慣を維持できる子だ。
ただ、そういう子は付属校に限らず、どこの学校へ進学することになってもうまくやっていけるだろう。一方、同じように付属校に限らず、中学に入学してから成績が伸び悩み、深海魚になってしまう子がいる。
両者の違いは何か。
それは、これまでの勉強のやり方に問題があると、私は確信している。
中学受験はわずか10~12歳の子供が挑戦する受験だ。そのため、子供の力だけで進めていくのは難しい。そこで親がある程度、手綱を引くことになる。だが、その引っ張り方を間違えてしまうと、あとあとまで悪影響を及ぼすことになる。
深海魚の子供たちは、中学に入った時点ですでに勉強に疲れ、勉強嫌いになっていることが多い。
「これをやれ! あれをやれ!」 「なんでこんな問題が解けないんだ!」 「あなたの将来を思って言っているのよ」
と、極端な叱咤(しった)激励を受け、親から無理やり勉強をやらされてきたからだ。中学受験をするからには、子供本人も勉強をしなければいけないことは分かっているし、自分なりに頑張ってもいる。しかし、親からは褒められることも、認められることもなく、たくさんのタスクを渡され、それができないと叱られる。そんな日々が続くと次第に無気力になり、自分で考えることをやめてしまう。そして、ただただ親から言われるがまま勉強するようになる。
そうやって受験勉強をしてきた子は、入試では合格できても、すでに息切れ状態になっていて、中学に入った途端に勉強の習慣を放り投げてしまう。しかも、親の強制力がきかない年齢になっている。そして、一年もすると真っ暗闇の海の底をさまよう深海魚になっているのだ。
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