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医学部入試で“女子受験生差別”を行った大学の学長が語った「男子優遇」の理由

2024年01月12日 03時03分01秒 | 医学部と医師の育成のこと
女性の場合は……」 医学部入試で“女子受験生差別”を行った大学の学長が語った「男子優遇」の理由

1/18(水) 7:03配信
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>女性の場合は結婚、出産、育児などのライフイベントで、どうしても途中で研修が中断したり、医師としての活動をやめたりしてしまう人が一定数います。医学部には卒業生全員が医師になる職業学校の意味合いがあるので、そうした理由から若い男性を優遇した意識はあると思います

photo by gettyimages

「医者という職業は女性に不向きなのか」「女性差別の最たるものではないか」、そんな論争がいまから4年ほど前に沸き起こったのを覚えているだろうか。国立を含む複数の有名大学が、公平公正を期すべき大学入試で露骨に女子受験生を差別していた問題は、実はある事件捜査で偶然明らかになったものだった。その事件を描いたノンフィクション『東京医大「不正入試」事件 特捜検察に狙われた文科省幹部 父と息子の闘い』から、連載第1回前編に引き続き、女子受験生差別の実態をレポートする。

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合格を不合格にされた代償は100万~150万円


 東京医大の不正入試事件を機に実施された文科省の実態調査によって、東京医大だけでなく国立の神戸大学、私立の昭和大学、金沢医科大学、岩手医科大学、福岡大学、順天堂大学、北里大学、日本大学、聖マリアンナ医科大学の合計9校(東京医大を含めると10校)で受験生の不正な選抜が行われていたことが発覚した(聖マリアンナ医科大は否定)。  


特に女子受験生への差別的な扱いが、複数の大学医学部(医科大)で当たり前のように行われていた事実は世の女性の憤激を買い、不合格にされた元医学部受験生の女性たちが集団で大学を訴える損害賠償請求訴訟が各地で起きた

。いずれも裁判所は大学側の不法行為責任を認め、原告らに対する損害賠償を命じている。 

22年9月に判決が言い渡された東京医大の場合、受験1回につき20万円、得点調整がなければ合格またはその可能性があった元受験生に対しては、これに加えて100万~150万円の支払いを命じるという内容だった。 

 この不正入試自体が罪に問われることはなかったものの、東京医大理事長(役職は当時、以下同)の臼井正彦被告と東京医大学長の鈴木衞被告は公判で、「厳正・高邁な入試でコンプライアンスを逸脱した行為をして非常に申し訳なく、心からお詫びしたい」(臼井被告)、

「個別の受験生の点数調整以上に、男子を女子より優先したり、男子のなかでも若い人を優先させたりしたほうが大きな問題だった」(鈴木被告)と、ともに反省の弁を述べた。

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全国の医学部で女子合格率が急上昇


 14年7月に学長に就任した鈴木被告は、17年度の全入学者に占める女子の比率が半分近くに達した事実に強い衝撃を受け、医師を養成する医科大の責任者として対策を講じる必要があることを痛感。学務課と話し合い、

小論文の配点比率を高くしておくと、2次試験後の加点幅が大きくなり、点数調整がやりやすくなる」との意見を容れて、2次試験での小論文の配点比率引き上げに踏み切った。鈴木被告は公判でこう説明した。 

 「医学部の卒業生全員が医師として働き始めるので、できるだけ医師になって、社会や我々の大学病院でしっかり働いてもらいたいという気持ちが根底にあります。ただ女性の場合は結婚、出産、育児などのライフイベントで、どうしても途中で研修が中断したり、医師としての活動をやめたりしてしまう人が一定数います。医学部には卒業生全員が医師になる職業学校の意味合いがあるので、そうした理由から若い男性を優遇した意識はあると思います。小論文(の配点比率変更)に関しては、そういう理由がありました」 


 ちなみに22年2月19日に公表された文科省の調査によると、全国に81ある国公私立大の医学部医学科の21年度入試で、女子の合格率が13・6%と、男子を0・09ポイント上回った。データのある13年度以降で、女子の合格率が男子を上回ったのは初めてで、女子が男子より合格率が高い大学の割合も初めて半数を超えた。これは紛れもなく、この事件が社会に与えた影響の一つだ。




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