たまには夢の話でも。
「――おーいイソノ! 野球やろうぜ!」
ナカジマが、背後からイソノに声をかける。
イソノが振り返ると、そこには鎧武者姿のナカジマがいた。
「その格好でやんの!?」
「何言ってるんだ、これがユニフォームじゃないか。ハハハ」
さも当然のようにナカジマは答えた。
イソノは絶句するが、ナカジマがあまりに普通なのでスルーせざるを得ない空気だ。
鎧武者姿のナカジマに連れて行かれた先は、近所の空き地。
何故か既に試合は始まっており、5回まで進んでどちらのチームも0点だった。
「さあ、代打イソノだ! 頑張れよ!」
ナカジマは張り切ってイソノを送り出す。
勢いに飲まれるまま、イソノはヘルメットを被り金属バットを握った。
鎧は、着なかった。
「ちなみに今、どういう状況?」
イソノがナカジマに質問する。
状況が分からなければ、ヒッティングなのかバントなのか様子見なのか、判断できない。
ナカジマは答える。
「今、5回裏7アウトランナーなし。あと1アウトで交代だな」
「8アウト制!?」
聞いたことのないルールだった。
「うん、こっちは8アウト。向こうは3アウト」
とんでもないハンデ戦が行われているようだった。
というか、そのルールで0点はまずいのではないだろうか、色々と。
イソノは困り果てながら、それでも渋々とバッターボックスへと向かうのだった。
「――おーいイソノ! 野球やろうぜ!」
ナカジマが、背後からイソノに声をかける。
イソノが振り返ると、そこには鎧武者姿のナカジマがいた。
「その格好でやんの!?」
「何言ってるんだ、これがユニフォームじゃないか。ハハハ」
さも当然のようにナカジマは答えた。
イソノは絶句するが、ナカジマがあまりに普通なのでスルーせざるを得ない空気だ。
鎧武者姿のナカジマに連れて行かれた先は、近所の空き地。
何故か既に試合は始まっており、5回まで進んでどちらのチームも0点だった。
「さあ、代打イソノだ! 頑張れよ!」
ナカジマは張り切ってイソノを送り出す。
勢いに飲まれるまま、イソノはヘルメットを被り金属バットを握った。
鎧は、着なかった。
「ちなみに今、どういう状況?」
イソノがナカジマに質問する。
状況が分からなければ、ヒッティングなのかバントなのか様子見なのか、判断できない。
ナカジマは答える。
「今、5回裏7アウトランナーなし。あと1アウトで交代だな」
「8アウト制!?」
聞いたことのないルールだった。
「うん、こっちは8アウト。向こうは3アウト」
とんでもないハンデ戦が行われているようだった。
というか、そのルールで0点はまずいのではないだろうか、色々と。
イソノは困り果てながら、それでも渋々とバッターボックスへと向かうのだった。