一輪草まつり 川口市安行
寒冬の影響で13年は、花のスケジュールが大きく狂った。先に安行をじっくり歩いた際、安行にイチリンソウの自生地群落があって、「一輪草まつり」が毎年催され、多くの人が見物に訪れるという話を聞いていた。
里山歩きの途中、ときおり、足元にニリンソウを見かけることはあっても、イチリンソウにお目にかかることはほとんどなかった。まして群落を目にしたことはない。
一度見てみたいものだと思っていたところ、今年は4月20、21の土日曜日とのこと。
念のために川口緑化センター「樹里安(じゅりあん)」に電話して確かめると、案の定、満開は1週間早い13、14日ごろになるという。
20日には、NPOの主催で「イチリンソウの咲く安行を歩こう」というのがあり、これに参加しようかと思っていたのだが、「善は急げ」とママチャリで急行した。
自生地は、川口市安行原にある。「樹里安」から北に向かって突き当たりの赤堀用水沿いの斜面林「ふるさとの森」(川口市保存緑地)の中で、「万葉植物苑」の裏側にある。安行中学校にも近い。
イチリンソウは昔、県内各地で見られたのに、しだいに少なくなり、県の準絶滅危惧種に指定されている。川口市の指定天然記念物になっていて、ここは、県東部の数少ない生息地の一つである。
1995年、植物調査を実施した際、生育が確認され、「安行みどりのまちづくり協議会」の会員らの手で保存活動が続けられ、06年には第1回一輪草まつりが開かれた。
NHKなどにも取り上げられ、花愛好者が訪れるようになっていたのに、10年には花泥棒にごっそり盗掘される事件も起きた。
それでも今、木の柵に囲まれた3か所に元気に育っている。約千輪が開花しているとか。イチリンソウがほとんどだが、よく見ると、ニリンソウもちらほら。
ニリンソウと比べるとイチリンソウの5弁の花びらはずっと大きく見栄えがする。サンリンソウもないかと目を凝らしてみたがなかった。
柵の中には、葉の中央に花が咲き、実がなるハナイカダやウラシマソウ、ジュウニヒトエなどもある。花はつけていないものの、ヒトリシズカやフタリシズカの表示もあった。
ここには小さな流れもあり、夏にはホタルも飛ぶ。
イチリンソウは、英語では Spring Ephemeral(スプリング・エフェミラル)と総称される花の一つである。
Ephemeral とは「はかなく短命」という意味。愛好者の多いカタクリと同じ仲間で、落葉樹である雑木林の林の縁に、樹の葉が開く前に早春に花を開き、晩春に葉が茂ると地面に消えてしまう。
見ていると、「美人薄命」という言葉が浮かんでくる美しさである。
安行は公共交通が不便なところだった。埼玉高速鉄道ができたおかげで、戸塚安行駅から徒歩で35分。駅から自生地まで「イチリンソウ」の旗のぼりが立っていた。
安行はどの季節に来ても花が素晴らしいところだが、春では安行寒桜(密蔵院など)に次ぐ第2弾である。安行寒桜は、早咲きで有名な河津桜よりちょっと遅れるようだ。
安行はPR不足のようで、まだ観光客が少ない。高速鉄道とも協力して誘致に力を入れたらどうだろうか。
寒冬の影響で13年は、花のスケジュールが大きく狂った。先に安行をじっくり歩いた際、安行にイチリンソウの自生地群落があって、「一輪草まつり」が毎年催され、多くの人が見物に訪れるという話を聞いていた。
里山歩きの途中、ときおり、足元にニリンソウを見かけることはあっても、イチリンソウにお目にかかることはほとんどなかった。まして群落を目にしたことはない。
一度見てみたいものだと思っていたところ、今年は4月20、21の土日曜日とのこと。
念のために川口緑化センター「樹里安(じゅりあん)」に電話して確かめると、案の定、満開は1週間早い13、14日ごろになるという。
20日には、NPOの主催で「イチリンソウの咲く安行を歩こう」というのがあり、これに参加しようかと思っていたのだが、「善は急げ」とママチャリで急行した。
自生地は、川口市安行原にある。「樹里安」から北に向かって突き当たりの赤堀用水沿いの斜面林「ふるさとの森」(川口市保存緑地)の中で、「万葉植物苑」の裏側にある。安行中学校にも近い。
イチリンソウは昔、県内各地で見られたのに、しだいに少なくなり、県の準絶滅危惧種に指定されている。川口市の指定天然記念物になっていて、ここは、県東部の数少ない生息地の一つである。
1995年、植物調査を実施した際、生育が確認され、「安行みどりのまちづくり協議会」の会員らの手で保存活動が続けられ、06年には第1回一輪草まつりが開かれた。
NHKなどにも取り上げられ、花愛好者が訪れるようになっていたのに、10年には花泥棒にごっそり盗掘される事件も起きた。
それでも今、木の柵に囲まれた3か所に元気に育っている。約千輪が開花しているとか。イチリンソウがほとんどだが、よく見ると、ニリンソウもちらほら。
ニリンソウと比べるとイチリンソウの5弁の花びらはずっと大きく見栄えがする。サンリンソウもないかと目を凝らしてみたがなかった。
柵の中には、葉の中央に花が咲き、実がなるハナイカダやウラシマソウ、ジュウニヒトエなどもある。花はつけていないものの、ヒトリシズカやフタリシズカの表示もあった。
ここには小さな流れもあり、夏にはホタルも飛ぶ。
イチリンソウは、英語では Spring Ephemeral(スプリング・エフェミラル)と総称される花の一つである。
Ephemeral とは「はかなく短命」という意味。愛好者の多いカタクリと同じ仲間で、落葉樹である雑木林の林の縁に、樹の葉が開く前に早春に花を開き、晩春に葉が茂ると地面に消えてしまう。
見ていると、「美人薄命」という言葉が浮かんでくる美しさである。
安行は公共交通が不便なところだった。埼玉高速鉄道ができたおかげで、戸塚安行駅から徒歩で35分。駅から自生地まで「イチリンソウ」の旗のぼりが立っていた。
安行はどの季節に来ても花が素晴らしいところだが、春では安行寒桜(密蔵院など)に次ぐ第2弾である。安行寒桜は、早咲きで有名な河津桜よりちょっと遅れるようだ。
安行はPR不足のようで、まだ観光客が少ない。高速鉄道とも協力して誘致に力を入れたらどうだろうか。