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日本一の本場売上を誇る戸田ボートレース場

2017年10月16日 09時51分39秒 | スポーツ・自転車・ウォーキング


荒川に面する戸田ボートレース場周辺は、住まいから近いので自転車の散歩でよく出かける。

17年10月初め、さいたま市シニア大学の校友会の遠足でその見学会があり、初めて埼京線戸田公園駅からボートレース場行の無料バスに乗り、改札口で入場料100円を払って、場内に入った。

バスの終点から「戸田公園大橋」を渡ると、眼下の水面をボートが疾走しているのが見える。(写真)

同じ「競」の字なのに、競馬や競輪は「けい」と読んで、競艇だけなぜ「きょう」と読むのだろうと不思議に思っている具合だから、競艇については何も知らない。

この日は「ヴィーナスシリーズ」の名のとおり、終日女子選手だけのレースで、「競艇にも女子選手がいるのか」と驚くほどのど素人だ。

場内に積んであった小冊子をめくると全国24か所にあるボートレース場で活躍している約1600人のレーサーのうち、約200人が女子レーサーとある。

レーサーになるには、福岡県柳川市にある養成所「やまと学校」に入学し、1年間の訓練を受けなければならない。その合格率は40倍といわれる厳しさという。

レースは、1周600mの水面を3周して競う。ボートレースのモーターはヤマハ発動機のガソリンエンジン(排気量396.9立方cm)。開催初日の前日、抽選で各レーサーに渡され、レーサー自身が整備する。プロペラの出来が成績に最も影響すると言われる。モーターに備え付けのものをこれもレーサーが調整して使用する。

このようにレーサーはメカにも強くなければならない。

戸田競艇は、戸田、蕨、川口の3市からなる「戸田競艇企業団」が所有者で、企業団と、この3市を除くさいたま市など県内15市からなる「埼玉県都市競艇組合」の2つが施行者になっている。

戸田競艇企業団の平成29年度予算によると、年間開催日数は93日で、1日平均入場者数は3500人。27年度決算ではレースによる収入済み額は約266億円。入場者数は横ばいだという。埼玉県都市競艇組合も同じ日数開催している。

水の上を走るレースだから、夏向けで冬には休場になるのかと思っていたら、夏冬通年、1年中行われる。ビルの中は冷暖房完備だからである。

驚いたのは、「競艇企業団と都市競艇組合のレースを合わせた戸田の年間本場(ほんじょう)売上額は日本一」と聞いた時だった。

24か所のうち、東京都内には、江戸川、平和島、多摩川と3つもあるし、歴史を見ても、わが国で最初のボートレースが開催されたのは長崎県大村市で、1952(昭和27)年4月27日のことだった。戸田が開場したのは、2年遅れの1954年10月14日である。

訪ねた10月初めの同じ頃、大村では開設65周年記念の「海の王者決定戦」が行われていた。開催中にJR大村駅から無料タクシー(5分)、高速船や無料バスも運行しているという。

戸田でも埼京線戸田公園、東武東上線成増、京浜東北線川口、都営地下鉄三田線高島平の4駅から無料バスが出ている。 

企業団の平成27年度の決算によると、収入の中から配分金7億円が2:1:1の割合で戸田、蕨、川口の3市に分配され、戸田市では、公園などに耐震性の防火貯水槽の設置するのに使われている。

色々勉強になった1日だった。

 

 



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