かさゝぎの渡せる橋にをく霜のしろきをみれば夜ぞふけにける 七夕をば烏の橋と成て渡す事あり。此哥、七夕の心にあらず。此哥更に不及記。たゞ霜夜に月も雲もなく星計の夜天にむかひ見ば、必此興有べしとぞ。霜の興を思ふに夜の更たる也。月落烏啼霜満天。