まざあ・ぐうす
北原白秋訳
朝焼け夕焼け
朝焼け小焼け、
ひつじかいの気がかり。
夕焼け小焼け、
ひつじかいの後生楽。
大正10年12月出刊
雲母集
北原白秋
石崖に子ども七人腰かけて河豚を釣り居り夕焼小焼
石崖に子ども七人腰かけて河豚を釣り居り夕焼小焼
大正4年8月出刊
夕焼小焼
中村雨紅作詞
夕焼小焼で日が暮れて
山のお寺の鐘がなる
お手々つないで皆かえろ
烏と一緒に帰りましょう
子供が帰った後からは
円い大きなお月さま
小鳥が夢を見る頃は
空にはきらきら金の星
赤とんぼ (「小鳥の友」、「真珠島」所収)
三木露風作詞
夕焼、小焼の、あかとんぼ、負はれて見たのは、いつの日か
山の畑の、桑の実を、小籠に摘んだは、まぼろしか
十五で、姐やは、嫁にゆき、お里のたよりも、絶えはてた
夕焼、小やけの、赤とんぼ、とまっているよ、竿の先
赤蜻蛉(大正10年8月 樫の実発表)
一 夕焼、小焼の、山の空、負はれて見たのは、まぼろしか。
二 山の畑の、桑の実を、小籠に摘んだは、いつの日か。
三 十五で、ねえやは嫁に行き、お里のたよりも絶えはてた。
四 夕やけ、こやけの、赤とんぼ、とまつてゐるよ、竿の先。