新古今和歌集の部屋

兼載雑談17 懐紙書式

兼載雑談

一、歌合中書之樣、兼日の懷紙を、たとへば、

    春曙     定家

 春の夜の夢のうきはしとだえして

  峯にわかるるよこ雲の空

一首にても二首にても如此書くは立紙なるべし。兼日をも、

紙を二つにおしをりて書けるもあり。たとえば、

    湖上朝霞   定家

 あさぼらけみるめなぎさの

  やへがすみえやはふきとく

  しがのうらかぜ

二行七字なり。當座の中書は、大概かくのごとく、紙をお

し折りて二行七字に書くべし。當座短冊など自然うしなふ事ありとも、題を我から書く事、努々不可有也。

一、一首懷紙は、三行三字なり。二首三首は二行七字なり。

五首七首は一紙に二行づゝなり。十首より上は紙を續ぐべ

し。和歌の會席の作法、別紙に細注之。此道の奥義なり。


※春の夜の

新古今和歌集巻第一 春歌上

※あさぼらけ

藤河五百首

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